成人の日
3連休も今日が最終日。
正月気分が抜けなくて、ついついだらけて無駄に過ごした二日間。
それを取り戻そうと気負って外に出てきたのは良いけれど、いつもより少しばかり厳しい冬の寒さに当てられて、早々に後悔が頭をもたげてきた。
赤信号に止められて信号を待ちながら、コートの襟をしっかり立て直す。
首筋を撫でる冷たい風に肩をすくめて、なんともなしに上を見上げた。
空はあいにくの雲模様。
せめて天気くらい良ければ気分も上がろうというものだけど、残念ながら見渡す限りの灰色の空。
ただでさえ薄寒い冬の景色が、なおさら灰色に見えて鬱陶しい。
カッ!カッ!カッ!カッ!カッ!
軽やかな急ぎ足が耳に飛び込んでくる。
うっかり青になったのを見過ごしたらしい。
慌てて前に向き直る。
そこには鮮やかな華が咲いていた。
灰色に沈んだ街中に、そこだけパッと明るく華やかに。
長い袖を振りながら小走りに脇を通り過ぎる彼女を、ついつい目で追ってしまう。
待ち合わせていたらしい同じ年頃の女の子たちも、揃いも揃って華やかな振袖姿。
その周りだけ一足早く春が来たように明るく輝いて見えた。
「今日からみんな、大人なんだよね! がんばろーね!」
連れ立って消えていった人混みの向こうから、互いに励まし合う声がする。
「頑張ってるよ」
そう答えて前を向くと、少しだけ景色が明るくなった気がした。