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経験からくる限りなく正解に近い予想だぜ

マジ更新遅れてすみません(;´-∀-`)ゞ

ホントもうテストとか没収とか本売りに行っりとかで忙しくて……

これからもどしどし頑張りますのでよろしくお願いします!( ^∀^)


 エルフの少女と出会って3日が経った。


 どうやら彼女はここで暮らしたいらしい。


 もう自分には帰る場所も会いたい家族もいないから、と。


 まぁだから「また(レイ)からスタートしましょう!」という意味を込めて『レイ』と名付けた。本人は気に入ってくれたようで良かった。


 それで今のレイはー


「ベル様こんばんは!」

「ベル様、これ美味しいです!」

「ベル様、何を作っているのですか?」

「ベル様おやすみなさい……」

「ベル様!」「ベル様?「ベールさーまー⁉︎」………


 はいもうベル様ベル様でね、夢にも出てきたんだけど…。


 いやね、嫌って訳じゃないんだけどね。気持ちは分かるし。


 おそらく、彼女は嬉しかったんだろう。家族からも見放されて誰も助けてくれなくて、自分と同じ存在に出会ったのだから……。


 ……ヤベェ、やっちゃったねコレ。フラグ立てちゃったね。


 恋愛(ラブコメ)は15歳くらいでしようと思っていたのに……。


 ちなみにこの世界の暦って地球の太陽暦とは大きく異なる。


 この世界で使われている暦は『イドラ暦』。その昔『創造神イドラ』が世界を作るのに掛かった時間は5日。それにちなんで5の倍数が縁起の良い数字とされている。


 一週間が5日。それが5週間で1ヶ月、10ヶ月で一年である。


 地球の1年と比べると、約110日短い。


 つまり、僕は今7歳だけど、地球換算では


   (250×7)÷365=4.7945………


 四捨五入してもまだ5歳。仮に15歳になっても約11歳だ。


 かと言って、この世界の人々の身長はそれほど低いとかそう言うわけじゃない。むしろ日本の平均的な身長よりは高く見える。

 

 春と秋が2か月、夏と冬が3か月でちゃんと四季もある。


 何かラノベでよくある『転生先の世界の一般常識を読者に伝えるや〜つ』ができたね。ふふん。


「ベル様、お考え事ですか?」

「ん?まぁそうだけど、気にしないで。大した事じゃないから」

「はい!」


 たった3日だけど、レイは僕に色んな表情を見せてくれるようになった。これはいい傾向だろう。


 そうだ。今日はやることがあったんだ。


「レイ君」

「はい」

「今日は話がある。君のこれからについてだ」

「それは……」


 なんとなくピーンときてない様子だな。


 僕は話を続ける。


「改めて聞くけど本当に帰るつもりはないんだね」

「………はい。私にはもう帰る場所もありませんし……ベル様と一緒に暮らしたいです」


 ……まぁ、そんなことだろうと思った。


「そうなんだね。でもここに住むのに何もすることがありませんじゃ、お互いに気まずくなると思う。タダ飯は食わせないぞって意味じゃないけど」


 多分、このまま何もせずに(かくま)っているだけだとこちらとしてもストレスが溜まりそうだし、レイとしても気まずいだろう。


「………はい。ベル様には助けてもらった御恩をお返ししたいです。何もしないでここに置いてもらえるとは思ってないです」


 これもある程度予想済み。だから……


「そうだね。なので今日は君が何ができて何ができないかを知りたい。適性検査ってやつ?」

「えっと……それは私の得意不得意を見極めるということでしょうか?」

「そーだよ」


 彼女は精霊を召喚することができないのをコンプレックスにしている。でも他に自慢できるようなことがあればその劣等感も少しは払拭できるだろう。


「まずは武術だな。何か使える?」

「エルフなので……7歳の頃から弓を扱っていました」

「やっぱエルフって言ったら弓だよねー。うん?7歳?」

「あ、はい。私は今年で12歳になります」


 僕より5歳も年上……だと…⁉︎

 

 マジかよ。僕と同じかそれより下だと思ったのに。背丈もそれくらいだし。


「そ、そっかー…。じゃあ剣術とかの武術は?」

「できないと思います。剣も握ったことすらないので」


 剣術なら僕が教えてあげられるし、ひとまず置いとこうかな。


「じゃあ魔法とかは?」

「魔法は……使ったことがないので分かりません。精霊魔法に関しては……精霊を見ることすらできません」


 魔法もこの隠し工房や書庫にある本で学ぶことができる。


 あとは……あんまりやりたくないけど……


「レイは知ってる?人族にも精霊を召喚して契約する方法があるんだ」

「えっ⁉︎ほ、ホントですか⁉︎」

「うん。エルフとは違って複数の精霊とは契約できないらしいけどね」


 聞いた話によると、エルフやドワーフは最低でも二体以上の精霊と契約するのが普通らしい。《英雄》と呼ばれるクラスのエルフだと十体以上にもなる。


 一方人族では、召喚魔法によって呼び出した精霊と契約する。一人につき一体だけで、エルフが召喚できる精霊と比べて格がいくらか落ちる。しかも精霊も、その召喚したものだけしか見えないらしい。それでも、国の機関や『冒険者』にとっては重宝される。


 人族とエルフの間に生まれた『ハーフエルフ』になると複数と契約を結べるらしいけどね。


「でね。実際に精霊を召喚する魔法陣が描かれた本がここにあるんだけど……試して――」

「やります!やらせてください!」

「い、いいお返事だ」

 

 やり方はシンプルだ。


 僕が紙に写した魔法陣をレイが発動する。


 試すのは火、水、風、土、氷、雷。ちょっとマニアックな光、闇の精霊を召喚して契約を結ぶ。


 この1年間で何度も本に描いてある魔法陣を写した。今ではどんな魔法陣もお手本さえあれば5分で描ける。


「まずは火ね。どうぞ!」

「はい!」


 魔法陣に手を当て、魔力を流すレイ。


 淡い白い光を出しながら………10分が経過した。


「……ベル様……」

「……失敗かな?まぁ、気にしない!気にしない!人族でも適性がある人とない人がいるし!次々!」


 ………………………結果から言おう。

 

 全滅だった。


 もっとも精霊が出てくる確率が高いとされる風ですらダメだった。


 これではレイをさらに傷つけてーーー


「………ひっぐ……」


 泣いてるぅぅ!マズイマズイ!えーとえーと……


「あー泣かないでレイ!これは相性の問題が出てくる難しいモノさ!できなくてもしゃーないしゃーない!」

「うぐっ……ベル様……ありがとうございます……」


 全然泣きやんでくれない!


 ……仕方ない。これはあまりお勧めはできない最終手段だったんだが……


「……レイ。実は召喚の魔法陣はまだあるんだ」

「!で、でも属性は全部試しましたよね⁉︎」

「いや、ぶっちゃけるとそれが召喚の魔法陣かどうか分からん。コレなんだけど……」


 そう言って僕は表紙が黒い本を取り出した。


「僕はコレを《黒い本》と呼んでいる」

「あのベル様。その本表紙からビッシリ文字が書いてありますけど……なんて書いてるんですか?」

「分からん」

「え?」

「なんて書いてるか分からん。唯一分かるのはこの本が魔法関連の本であるということだけ」


 この隠し工房の中にいくつかある《黒い本》。表紙は共通して黒く、中身はいくつかの魔法陣とそれを解説するようななんて書いてあるか分からない文字。特殊な魔法でも掛かっているのかシミ一つない。


「……何故それが精霊召喚の魔法陣だと思ったのですか?」

「この本に描いてあった魔法陣の中に精霊召喚の魔法陣と共通した部分が多々あった……から。正直コレはあまりお勧めできないけど……」

「……やります。ここまで来たんです。やらせてください」

「そう……危なくなったらすぐ止めるからね」

「はい」


 そう決めてからは早かった。魔法陣の写すこと自体は簡単だし、レイの方も魔力を流すだけだし。


 魔法陣を描いている途中、ふと思った。


「そういえばさ、精霊ってどんな見た目してるんだろうね?」

「えっ?…………あんまり聞いたことないですね。集落では見えるのが当たり前でしたし……」


 物語によっては人の形をしたり、動物の形をしたり、空飛ぶ光の塊だったりする。


 この世界ではどうなんだろうね。そんな詳しくは本に書いてなかったから気になるな。


「レイはどんなのだと思う?精霊って」

「え、えーと……高位の精霊である《大精霊》クラスになると人の形をしていると聞いたこたがありますね。見たことないですけど」


 やっぱり人型かー。でも高位精霊か。下位の精霊は違うのかね?


「ベル様はどんな姿だと思いますか?」

「僕?僕はそーだなー」


 よし、ちょうど魔法陣は描き終わったし、休憩がてらに少し遊ぶか。


 僕は新しい紙を出してスラスラとペンを動かす。


 羽は……4枚でいっか………ツノみたいなのも肩につけて指は鋭く滑らかに。服はローブみたいにしよう。顔も隠して杖も持たせよう。最後に胸に宝石みたいなの付けて……と。


「こんなんじゃないかなー、精霊って」

「うわー凄いお上手です!


 ふふふ。そうだろう、そうだろう。これでも漫画家のなり損ないだからね!


 僕が描いたのは簡単な精霊のイラストだ。見た目に関しては羽が4枚あって杖を持つ、全身をローブで身を包んだ精霊!のつもりだけど……


「でも……これなんか天使みたいですね」

「だよね……」


 うん。やっぱりデ○エマの光コマンドを参考にしたのがダメだったかも。でもあれだって『精霊王』って名乗ってるんだよ?いや、『()霊王』だったけ?忘れっちった。


「……まっ、いいか。魔法陣描き終わったよー」

「……はい」


 ちょっと緊張してる?無理もないか。これがラストチャンス。泣いても笑っても最後なのだから。


「まぁ失敗しても大丈夫!それ以外のことで頑張ればいいのだから!気にしないー気にしないー」

「……はい、ありがとうございます」


 僕が言えるのはこのくらいだよね。うん。


「じゃあ……どうぞ!」

「はい!……っ!」


 レイが魔法陣に手を置き、魔力を流せば、魔法陣はさっそく反応し始めた!


 白い光が溢れ、魔力は荒ぶり、机の上のペンや紙を吹き飛ばす。


 そして一際強い光が爆せて、とても目を開けていられないほど眩しい!


 ………どれくらい目をつぶっていただろうか。


 目を開けるとそこには、白いローブで身を包み、白い杖を持ち、4枚の羽を持った精霊がいた。ローブのせいで顔は見えず、心臓部には白い宝石が輝いている。


 これが、レイの精霊………


「ん?」


 待って、この見た目どこがで……って過去を振り返る間もなくすぐに分かった。


 これ僕が描いた精霊(イラスト)じゃん!


 何故に僕の描いたイラストがこんなになったんだ⁉︎


 レイの方を見ても彼女も何が起きたかさっぱり全然分からないといったご様子。


 だろうね!だって僕も分かんないもん!

「え、えーと……何が起きたの?」

「え、えーと……何が起きたんでしょう?」


 顔を見合わせても結論は出ない。


 お、落ち着け。一体何が起こった?


 参考資料と言いながら多くの漫画やラノベを読んだ僕の経験から予想を立てろ。限りなく正解に近い予想を…!


 「はっ⁉︎」


 その時、僕は閃いた!それはもう「バァァァン!」とか効果音付けてもいいくらいの閃きだ!

 

 すばりそれは、「彼女は精霊を召喚したのではなく、精霊を『作り出した』のではないか?」ということだ。キタコレ!パーフェクト!


「…………つまり、あの《黒い本》の魔法陣は『精霊創造』………いやでも…………」

「べ、ベル様?私には何がなんだかさっぱりわからないですけど……」

「ん?あ、あぁ、ごめん。ちょっと色々仮説をね」


 僕はレイに今立てた予想を話してやる。


「なるほど!さすがはベル様です!きっとそれが正解に違いないです!」

「そうだろうーそうだろうー。ハハハハハハハ。そういえば精霊(コレ)さっきから動かないね?」


 レイがつくった(はずの)精霊はほんの少しも動かない。ここは地下だから風も吹かないのでローブもなびかない。


「そうですね……。あ、あのあなたが私の精霊ですか?」

「…………」


 レイが精霊(人造?)に話しかけるが返事どころかなんの反応も示さない。


 ひょっとして自我がない?


「あ、あなたは何と呼べばいいですか?」

「…………」

「言葉通じますか?」

「…………」

「返事くらいしてくれませんか……?」

「…………」


 なんだかレイの声のトーンが段々と下がった気がする…。


 僕がレイに「自我がないかも」と言おうとしたその時、


「手ぇ上げるとかでもいいから返事くらいしろぉ!!!!」


 レイがキレた。


 というかレイ、あんな大声出せたんだね。耳キーンってなったよ……。


「はっ⁉︎も、申し訳ありません、ベル様!」

「いや、気にしてないからね。元気いっぱいだね?それよりも手、上げたね」


 見ると精霊(?)は杖を持っていない方の手……右手を上げている。


「多分だけどこれ人造精霊だから自我がないし、レイの命令に反応するんじゃない?」

「な、なるほど…。じゃ、じゃあこの精霊と私は契約を結んだのかー………」


 レイはぼーっと精霊を眺めている。しばらくそっとしよう。


 さて、僕も造っちゃおうかな、精霊!レイばっかりずるい!


 魔法陣を描き写している最中に、僕が召喚しようとする精霊のイメージを膨らませる。


 レイのは真っ白だったし、反対的に黒くしよう。悪魔みたいな角もつけよう。レイのやつみたいにローブで顔隠して大剣を持たせよう。あ、そうそう黒い翼もつけないとね!


 ふふふふ。さて描き終わった!


 さあ、現れよ!我が精霊(イメージは悪魔っぽいけど)!


 レイと同じように魔法陣に魔力を流す。


 すると、魔法陣が濃い紫に輝き始めた。


 ん?おっかしーな。今のはさっきみたいに目を開けられないほど眩しくない。


 失敗かな?と思ったら「しゅぽん!」という音をたてて、紫色の人魂みたいなのが出てきた。


「………」


 えっ⁉︎こ、これが僕の精霊?ぼ、僕一体何をイメージしたんだろう…?


(ピュー)


 精霊(人魂?)は漫画みたいな擬音が似合いそうな感じで飛んでいった。ちょ、どこ行くの!


 人魂が向かって行ったのは棚に置いてある白い箱。確かそこは……


 人魂はすり抜けるように箱に入って行った。

 そして入った瞬間箱がガタガタ揺れ始めた!何コワッ!


 よほど揺れていたのだろう。箱は棚から転げ落ちてしまった。


 箱の中から大量の白い骨が溢れてきた。人間の骨は無い。


 この箱は元から骨が入っていた。素材というより、ゴミ箱という方が正しいだろう。僕も外で狩った小動物の骨入れたことあるし。


 なだれ落ちた骨を掻き分けて、現れたのは……骨?多分ウサギ。


 カシャカシャと音をたてて出てきた。

 

 まさか……アンデッド化したのか?さっきの人魂で?


 レイが精霊を創り、僕が死体をアンデッド化する……。


 うん、死霊術師(ネクロマンサー)ってかっこいいよね?


 混乱していたのだろう。僕はそう思うだけで精一杯だった。


ポケモン盾が面白くてですね。

なかなかできる暇なくてやっとムゲンダイナ倒しましたよ。

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