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鉄人始動。その名はメグリオン!!

更新遅れてすみませう。

次回はなるべく早く出したいなと思ってます。



 産業革命。18世紀半ばから19世紀にかけて起きたエネルギー革命である。これにより英国は工業的な大量生産を可能とし、人類の発展に大きく影響した……的な内容だったはず。


 今僕の目の前に起こってる光景はまさにそれだろう。


――ウィーンウィーン


――ガゴン!ガゴン!


――ガガガガガガ!


 ベルトコンベアーによって運ばれた金属のインゴットが鍛治魔法の陣が書かれたスタンプにより規格通りのパーツに加工され、それをドライバーがくっついたアームが組み立て、鎧を作っていく。


 さらに奥では竜血晶に術式を描き込み、ゴーレムの頭脳を。横では複数の魔法金属と合わせて魔力炉を作り、これらをミスリル導線が組み込まれた素体にはめ込んでいく。


 天井から別の場所で作っていた刀と、魔力を弾丸にして放つ魔導機関銃がアームで運ばれ、外装と一緒に素体に装着させていく。


 最後に僕たち【魔桜】を象徴する証として6枚の桜の花びらを鎧に刻印していく。


 この工場で作っているのは量産型ゴーレム『鉄鬼』だ。見た目は鎧武に似てる。腕は2本で、マナジェットスラスタも付けてはいるけど長距離飛行はできない。一体一体は弱いが数で補う。まさに量産型。


『ピピー』


 そんな鉄鬼は設定通りに起動し、ベルトコンベアーの上から降りると開けた扉から出て行った。鉱山に鉱石を採掘しにいくためだ。


 この工場を作ってたら素材の供給が追いつかない、なんてことが起きたからね。


 そう。この工場で無尽蔵に近いダンジョンの素材が足りなくなるほどのゴーレムを製造しているのだ。おそらく3桁は超えたはず。これが魔王たる僕の軍勢なのだ!


 この大量生産を可能にしたのは、ゴーレムコアを応用して作った作業のシステム、ダンジョンの無尽蔵の素材、永久機関魔力炉による無尽蔵の魔力……だけではない。ないのだよ。


 まずは新発明その一!その名も【魔導モーター】だ!


 ゴーレムの体には、魔力でできた“芯”のようなものがある。その“芯”がゴーレムの体に魔力を浸透させ、体を動かすのだ。


 その“芯”で円を作って魔力を流すとあら不思議。回転運動が起こるのだ。きちんと魔力を逆向きに流せば逆向きに回転するし、魔力の量を上げれば回転速度も上がる。


 これでベルトコンベアーが作れたし、素材の運搬を楽にする自動車も作れた。


 よく考えたら産業革命の時だって蒸気機関の回転運動で大量生産を可能にしたんだったね。回転って素晴らしい……。


 さらにもう一つ。工場が稼働している際、一番起こってはいけないことは何か。それは装置の誤作動だ。


 仮にこの鉄鬼工場で鎧を作る装置に誤作動が出たとしよう。日本の武者鎧を作っていたのに何故か次の瞬間に西洋鎧になったら大変だ。組み立てる装置は武者鎧に合わせて調整してあるのだからね。さらに一箇所で起こったミスが他の場所に影響を与え壊滅的な被害を被ることになる。


 監視カメラのようにゴーレムを使ってあちこちを監視させればいいだろうが、スマートじゃない。緊急停止スイッチと離れているところで事故が起きたら、スイッチを押す間に被害が大きくなる。


 てな訳で監視カメラの“ような”ではなく、“そのもの”を作りました。


 新発明そのニ!【幻夢ディスプレイ】!


 水属性魔法に分類される幻術を専用の金属板に映し出す魔導具だ。これにゴーレムの目ん玉石に繋げることで監視システムを作ることができた。幻だから映像がとっても綺麗。4Kテレビなんぞ目じゃないぜ!

 

 まあ綺麗な理由は幻だけってわけじゃないけどね。


 その理由は僕が新しく覚えた魔法。“傀儡(かいらい)魔法”だ。


 それは魔力の糸で人形を操る魔法。生き物にかけられないこともないけど、それが同格以上なら抵抗(レジスト)されてしまう。


 だが人形越しに別の魔法を使ったり、感覚を共有したりすることができるなど、通常の魔法にはない『魔力と一緒に何かを送る』という性質があるのだ。

 

 そんな傀儡魔法をミスリル導線に付与したのが新発明その三【傀儡線】。魔力伝導率が普通のミスリルよりすごぶる高い。鎧武に使ってみたら反応速度がめちゃくちゃ上がった。


 魔導具として傀儡魔法を安定して使うためには有線が一番なのだけど、今は無線にも挑戦中。近いうちに形になるだろう。


 そんなこんなで兵力は絶賛増強中。強力な新メンバーも入って【魔桜】は組織としても成長している。魔王の配下に相応しいだろう。


 だから……いいんじゃないかなあって。好きで兵力増強に努めてたけど、ちょっとくらい自分の趣味に時間を費やしていいかなあって。


 僕はエレベーターで工場のある階から出て、1階の巨大倉庫があるフロアにやってきた。待機中の鉄鬼や、大型の魔導具を保管しておくようにリフォームしたのだ。


 僕は演出のためにわざと暗くしている倉庫の一角にたどり着くと、照明魔導具のスイッチを押した。


 パッと光で照らされたのは、全長12mもある片膝を着いた金属でできた巨人。日本で最も有名なGの名を持つ白い悪魔を沸騰させるようなシルエット。まさしく巨大ロボットだ!


 やあやあこれこそが僕の技術の集大成。自動錬成修復式形状記憶合金、魔力炉、マナジェットスラスタ、重量コントローラー、幻夢ディスプレイ、傀儡線、魔導モーター等々、とにかく僕の持てる全てを黒塗りの人型に収めた、操縦者がコックピットに入って動かす巨大ゴーレム【メグリオン】である!


 ちびちび作ってたのが昨日ようやく完成したのでこれから試乗だー!ヒャッホーイ!!


 「プシュー」という圧縮空気が抜ける音とともに開くコックピット。毒ガス対策で作ったの!すげー大変だった!


 コックピットはシートに座る着座式。バイクみたいに馬乗りになるタイプや立って乗るタイプと猛烈に悩んだが、これにした。が、いずれ他二つも作りたい。


「魔力炉起動!立ち上がれ、メグリオン!」


 僕はフカフカシートに座るとコックピットを閉じて魔力炉を起動させる。


――ゴウン……キィィィィン!!


 魔力炉によってブーストされた魔力が、メグリオンに搭載されている魔導具へと流れ出す。


 まずコックピットの明かりが。大型の幻夢ディスプレイが外の風景を映し出す。暗視モードもバッチリだ。風景だけでなく、傀儡線と繋がったスピーカーを通して鉄鬼たちの足音が聞こえる。マナジェットスラスタはいつでもいける。自壊しないための身体強化が発動し、自重で動きにくくなるのを防ぐために、重量コントローラーも起動する。

 

 ……起動まで時間がかかるな?機能を付けすぎたか……。5個ある魔力炉のうちの1つくらいは速攻で起動できるよう点けっぱなしにしとくべきだった……。暇だな?


 そうだ。前々から考えてたチャックを作ろう。異世界って服も鞄もボタンなんだよ。ぶっちゃけ、メグリオン作るより難しい。


 僕はメグリオンが起動するまで、素材をあーでもないこーでもないと組み合わせて試行錯誤を繰り返した。



       ――――――――――――――


 

 スクエア王国王都。西の倉庫街にて。


「見つけたぞ混沌教団ども!そこを動くな!」

「近衛騎士団だと!?クソっ!バレていたか!」


 その倉庫の一つに白銀の鎧を身につけた騎士団が突入し、黒いローブを纏った怪しげな集団が大混乱に陥っている。


 そのとき、天井に張り付いていた動くつぎはぎ死体ーーアンデットが落ちてきた。


「オァァ!」

「なっ、アンデットだと!?クッ!」


 複数ある腕で捕らえた騎士に黄色味がかった歯で噛み付こうとしーー


「シッ!」

「オラァ!」

「オァ!?」


 閃光が複数の腕を刈り取り、剛腕が振るう金棒が数百kgはあるだろう巨体を水平に殴り飛ばす。


「おう、無事か?」

「あ、ありがとうございます。ドレイク様、レイゼル様」


 戦士風の大男ーードレイクが金棒を担ぎ直し、女騎士ーーレイゼルがレイピアを構える。


 スクエア王国戦士団副団長。『剛腕』のドレイク。


 スクエア王国近衛騎士団副団長。『閃光』のレイゼル。


 ともにスクエア王国を守護する英雄、『十三英雄』の一角である。


「うーむ。十三英雄がやってきているとは……予想外でしたねぇ」


 二人が現れると、顔につぎはぎがある女性が物陰から出てきた。女性の顔はどこか正気がない。


「こちらもな。まさか教団幹部が動いているとは思わなかったぞ。『還り人』のモルティア」


 混沌教団幹部。『還り人』のモルティア。


 王国を中心に世界中で暗躍する秘密結社の幹部だ。その実力は十三英雄に匹敵するとも言われる。


「うーむ。噂の『星詠み』の占いでしょうかねぇ」

「おう!そうだぜ!」

「黙ってろ脳筋!余計なことを話すな!」

「う、うっす」


 どうもドレイクはレイゼルに頭が上がらないらしい。そして脳筋らしい。


「コントするだけなら帰っていただけませんかねぇ?大事な儀式をしているのでねぇ」

「コントじゃない。その儀式を止めるためにやってきたのだ。幹部まで動員するとは……何をしている?」

「ククククク。よくぞ聞いてくれましたねぇ!」


 なんやかんやでモルティアも話したかったらしい。


「数百年以上前のこと、当時の魔王がとある国に奇襲攻撃を仕掛けるために開発したのが己を召喚する魔法!失われた技術であったそれを我々は修復することに成功したのですねぇ!」

「「なっ!?」」


 魔王。それは生きた悪意であり、意思ある天災である。呼吸するかのように大勢の人間を殺す、人類の不倶戴天の敵。


 そんな存在を都市のど真ん中に呼び出す魔法など、厄災以外の何物でもない。


「過去に何度か使われたことがある記録も見つけました。それぞれ当代の魔王が現れたそうですよ?そして一瞬で国を滅ぼしました。つまり、今ここで使えば当代の魔王様を呼び出すことができるということ!大殺戮の始まりですねぇ!そして説明しているうちに術式は最終段階に入りました」

「しまった!」

「さあおいでくださいませ。魔王様万歳!」

「「「「「「魔王様万歳!!!!」」」」」」


 その掛け声と同時に教団員たちが魔力を注ぎ込んでいた魔法陣が一際強い光を放ち始めた。


「総員!建物から出ーー」


ーードゴォォォンン!!


 召喚魔法の反動で倉庫が周囲の建物ごと吹き飛ぶ。無事だったのはあらかじめ防御魔法を敷いていた教団員と、レイゼルとドレイクだけだ。他の騎士団員は全員負傷している。


 土煙が舞う中、魔法陣があった場所から現れたのはーー


『……ここ、どこ?』


 そう呟いた巨大な黒塗りの鉄の巨人だった。


 


後半コミカルな感じになっちゃったな!

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