猫だよね………?
最近自分の文才に自信がない。
ブクマ登録者も『Utopia Online』よりも少ないのが複雑です。
あの後【黒鉄】の《可変式魔法陣》をフル活用して無事に着地した。死ぬかと思った……。
ちなみにカルパスは僕の肩から降りてシュタッて地面に降りてた。
目算でもスカイツリーくらいの高さはあったはず……猫だよね?いやほんとまじで。
そして今、僕は一番大きな尖塔に向かっている。
いや足が勝手に動くの!どうにかして止めようとしたんだ。でも止まらない。ヤダ何コワイ。
立ち止まっても仕方ないと思ってもう諦めたけどさ〜…。
それにしても……
「綺麗だね、ゴミ1つ落ちてない」
僕が今歩いている高速道路並みに大きな橋。そこには言った通りゴミ1つ落ちてない。綺麗すぎて逆に生活感がない。
しかも大理石に似た色味の鉱物でできているんだけど、それに至っては欠けてすらいない。破片が一つとして落ちてないなんて、正直不気味だ。
試しに橋の柵に錬金術を掛けてみても、全く反応しない。
僕は今まで鉱物を弄るとき、ブロックの塊をバラすようなイメージで使ってきた。
だが、この素材は……まるでブロックの塊、じゃなくてブロックのピースそのものに触れているようで、全く錬金術が効かない。
謎だ。謎しかないぞこの空間。
街灯のようなものがあれば、ガラスでできた教会なようなものがあり、滝の音がするかと思ったら、反対側には雪原が。その隣は砂漠という、ホントに不思議空間すぎる。
「歩くの疲れた……」
足は勝手に動くのに、疲労は僕が負担なんて理不尽な…。
「仕方ない」
僕は足が向いている方向と、周りにある建物の位置を確かめながら、隣で歩くカルパスに肩に乗るように言う。
そして、【黒鉄】を構築している金属布を解いて鋼糸にし、建物に引っ掛けてターザンみたいに移動する。いやこの動きはス○イダーマン?
そうすること5分。徒歩ならあと20分は掛かりそうな道のりを大幅短縮できた。
目の前には大きな尖塔の大きな扉がそびえ立っている。
鍵穴は……無さそうだ。
「無理だろうけど、一応錬金術を……」
「ニャ」
僕が扉に触れる前に、カルパスがその小さな肉球が扉にペタっと触れた。
――ゴゴゴゴゴゴ……
黒い波紋が広がり、重そうな扉がゆっくりと開いていく。
「………」
僕は無言で挙げた手を下げた。
カルパス……ホントに猫だよね?
「おっと」
どうやら僕の足は、そんなことを考える余裕を与えてくれないらしい。すぐに歩き出した。いや、小走りになってる。
塔の中に入ると、目の前には螺旋階段があった。
ただ塔がその螺旋階段でパンパンなんじゃないかと思うほど長く、巨大だった。
僕の足はこの階段を登ろうとしている。
見た感じスクランブルスクエア並みの高さがあると思うんだけど……うぇ……。
さっきみたいに【黒鉄】を使って、軽々と登
って行く。ちなみにカルパスは僕の頭の上だ。
【黒鉄】を構築している金属がまるで蜘蛛の足のように僕を支えて塔を登る。
「この建物いつの時代のだろうねー。でもどことなく現代っぽい箇所がいくつかあるね。ほら、あのドアの横にあるのボタンだよ。もしかしてエレベーターかな?」
「ニャア〜?」
う〜ん。魔力を使って感知しようにも、この建物全体的に魔力の通りがすごく悪い。
登るのに時間が掛かるせいか、色々と考えてしまう。
みんな心配しているかなぁ。やっぱり何か言ってくればよかったなぁ。
「……っ」
その時、一際強く“何か”に引き付けられる感覚が僕を襲った。
上を見ると、先程見たドアとは違い、見るからに豪華な装飾を施された大きな扉があった。
ここが最上階か。
扉の前にはそこそこの広さのスペースがあった。
【黒鉄】を服の形に戻すと、僕の足は走るように扉に向かっていった。
「うわわ」
足が勝手に走るというのは、なかなか嫌な感じだ。
って、このままじゃぶつかる!ちょ、止まれ止まれ!
だが、僕が扉とキスする前に、
――ゴゴゴゴゴゴ……
今度はカルパスが触れなくても扉が開いた。
扉の奥は、まさしく“玉座の間”。様々な素材が、芸術的に加工されており、キラキラと輝いて見える。
そして、その玉座の間に不釣り合いなモノがポツンと玉座の前に浮いている。
それは漆黒の大剣。玉座の間の調度品に負けないくらい豪華な装飾がされているが、それすらもかき消したいまうほどの漆黒のオーラを纏っている。
僕が足を向けているのはあれみたいだ。
そう思った次の瞬間、突然大剣が音もなく僕に向かって飛んできた!
「っ!!」
刃を向けて飛んでくるそれを、僕は咄嗟に抜いた刀で迎え撃つ。
未だに足は僕の意思では動かない。押し切れるか……!
だが、大剣は刀が触れる直前に、くるりと反転し、今度は柄を向けて僕の顔に飛んで来た。
柄の殴打!?
そう思って僕は反射的に手で受け止めた。触れてしまった。
「うっ!?ガァァァォアぁぁアァァァアァァァ!!??」
僕の中の魔力がかき乱され、体の奥底にある“何か”を無理やり引きずり出されるようの痛み。
あまりにも酷い頭痛に、僕は刀を放り出してその場に転げ回る。今にも頭が割れそうだ。
もはや自分がどこにいるかもわからない。上下の感覚がおかしい。
今何秒、何分、何時間経った?時間感覚も麻痺してる。
何故か気絶もできない。頭をガンガン床にぶつけているのに、だ。
「う、あ………」
そして痛みから解放された後、消えそうになる意識を必死で繋ぎ止め、顔を上げると……
そこにはなんか、裸の黒い髪の美女がいた……気がする。
僕は自分の意識を手放した……なんか美女が慌ててるような?
○アトラ・ハドルク
ベル君のマミー。息子大好きママ。
その昔、王都王立学園で生徒会会計だった時に、
資金運用の旨さと、学園祭で彼女のクラスの利益の高さから【黄金の魔女】とあだ名されている。
○ナキバール・ハドルク
初めて名前公開したベル君パピー。ハゲ。
民からは慕われているが、嫁に頭が上がらないのが
玉に瑕。




