ラノベって15歳から本格始動だろっ!?
今回から少し短めで行きます。
長いと質に関わると思ったので。
………うーん。
頭部のAI魔石にこれ以上は繋げられないな。ここの装甲足したら可動域に支障が出る。いやそもそも足した装甲分の重さが加われば魔力の燃費が悪い…。目に機能足したいけど魔法陣がもう入らない。
………うーん。
………………あっ。
ど、どうもこんにちは。ベルリル・ハドルクです。忘れてた訳じゃないよ?ホントだよ?
今年で10歳になりました。10代だヒャッホーぅぅ!
長かったなぁ。この10年。今僕の机にいるカルパスに出会い、アイリスを僕のメイドにしてレイを助けてマギサの封印解いてモナカに血吸われてギロティナを復活させて鎧武作って……何気に色々やってるな。
でもさ、ラノベって15歳くらいから物語が本格始動すると思うんだよ。そう考えたら僕はまだプロローグの段階だ。だからこそ、あと5年でめっちゃ強くなりたい。具体的にはみんなが一度に襲ってきても軽く対処できるレベルには!
今、僕は自分の部屋で勉強……ではなく鎧武の設計図を描いている。ちなみにアイリスは僕の隣で勉強中だ。
鎧武は、僕を軽く凌ぐ戦闘能力の持ち主だが、僕個人としてはまだまだ満足のいく出来ではなかった。組み込みたい機能がわんさかある。
だが出力を上げようと思って魔石を足そうとしても配線がぎゅうぎゅうになってマイナスになりかねない。空を飛ぶ機能を持たせたくても今のままじゃ出力が足りない。遠距離武装を入れたいのにそんなスペースがない。第一、飛行の魔導具も銃やミサイルのような魔導具も考えてない。開発しなきゃいけないのが多すぎる。
……今の『開発しなきゃいけないのが多すぎる』ってセリフ生産系チートっぽいな。これからも積極的に使おう。
いや開発云々より解決しなきゃいけないことがある。
鉄が、ない。
隠し工房とそこから伸びる小部屋にあった金属類が尽きかけている。ミスリルはおろか、魔鉄も普通の鉄すらない。
一応金属を使うのは錬金術と鍛治魔法を使って加工する僕くらいだが、もう計画的に使わないと余裕がない。
みんなの装備は用意してあるので今すぐに必要な訳ではないのだが……ああああ!鉱山欲しい。鉱脈欲しい。
魔石も、ない。
魔物から取れる魔石。様々な魔導具に使えるので僕にとっては鉄の次に大事だ。
一応山の中には魔物がいるが、鎧武のパーツとしてはランクが低すぎる。ファンタジー定番のスライムと角の生えたツノウサギくらいだ。たまにゴブリンが出るが、それもせいぜい僕たちの生活用品を作るのに使える魔石くらいだ。
鎧武に使った魔石は最低でも竜種ではないのか、とマギサは言っていたし、そこら辺の魔石じゃ逆に弱体化する。
魔石は僕以外にもマギサも使うし、安定供給したいけどさっき言った魔物も【シュピンネ】レベルの大都市だとあまりでない。商隊も通るのでここの周囲じゃ滅多に出てこない。
ハァ……銃作って魔物相手に俺TUEEEしたい。アー○ードとかル○ンみたいにガンアクションしたい。バイク作って乗り回したい。ウィーリーしたい。温泉欲しい。竜と戦ってみたいし、冒険者ギルドに登録もしたい。
まったくもってやりたい事に現状がついていかない。
そうして頭を抱え込んでいた時、
――コンコン!
あぁこの叩き方はリザベラだな。だからアイリス。武器を机の下に構えるのはやめなさい。
どうも僕が短剣を作ってから常に持ち歩いているだよなぁ。ていうかどこに隠してたの。ちょっと教えてよ。僕も『誰もツッコまないけど、このキャラどこにそんなゴツい武器隠してたの?』ってやつやりたい。
「失礼します〜!」
バン!と大きな音を立てて部屋に入ってきたリザベラあ、あぶねぇ……手帳を隠すの間に合ってよかった。
いつの間にか机の上にいたカルパスはどこかに行ってしまった。アイリスも短剣しまってるし……あれ?今袖口から短剣の柄見えたよ。ホントどうやってんの!?
「ベル様〜!今少しよろしいですか?」
「別いいけど……まだお茶の時間じゃないよね?どうかしたの?」
今は昼ごはんを食べてすぐだ。母さんとの強制参加お茶会は数時間後の予定だが……。
「それがですね。奥様のお父様であらせられる、ゴルドウェイ様がいらしてるんですよ」
「お爺様が!?」
おお!おじいちゃんだったか!毎年来ていたがいつ来るか分からなかったが今日か!
僕はリザベラを置いて廊下に駆け出した。こうした方が純真無垢な10歳児に見えるんだよ。遅れてアイリスもやってきた。
「お母様。僕です」
『入りなさい』
屋敷の一階にある客間のドアをノックして声を掛け、入室許可を得てからドアを開ける。
そこには10年経っても美しさが損なわれることのない母さんと、
「おお!ベル!おじいちゃんが来たぞー!」
母さんそっくりな緑の目に灰色の髪。仕事ではなくプライベートだからかゆったりとした服装だが、僕をホールドするその体はまるで鋼のようだった。
この老人こそが僕のおじいちゃんにして『ミグラトリア商会』商会長、ゴルドウェイ・ミグラトリアである。
うちのおじいちゃんは商人でありながら、行商の中で鍛えた剣術を持つ戦士としても有名な人物だ。
だからと言って身体強化してのハグはやめてほしい。ちょっ、ギブギブギブギブ!
「お父さん!ベルが苦しがっているでしょう!離れて!」
「おお?スマンスマン!ベル、大丈夫か!」
「な、なんとか……」
こっちも全開にしたからね。身体強化。
「お詫びと言ってはなんだが……。ほら、お土産だぞ!」
そう言っておじいちゃんは小さなポーチを取り出した。
あれ?っとここで僕は思った。
普通だ。おじいちゃんは毎年やってきて僕にお土産をくれるが、毎回ぶっ飛んだものが多い。
どれくらいぶっ飛んでるかいうと、僕が生まれた年に魔物の剥製持ってきてくるくらいのレベルだ。なんでも変異種がどーとか言ってたからすごいんだろうけど、よく分かんなかった。
しかし今回のは普通だ。いや別に不満があるわけじゃないんだけど……。
「それはな、【ミゴンラビル大陸】にある都市で買ってきた魔法鞄というものでな、見た目より沢山物が入るぞ」
…………待て。おじいちゃん今なんて言った?
これが魔法鞄?ということはつまりアイテムボックス!?
やった─!アァァァイテェェェムボォォォォクスっっっ!異世界の3種の神器と言っても過言じゃないですかー!フゥゥゥゥゥ!
僕はこの喜びを身体全体で表現する。
「ぴょんぴょん跳ねる息子可愛い……じゃなくて、お父さん。魔法鞄なんて高かったんじゃないの?ベルまだ10歳よ」
「特に問題ないぞ。容量も少なく、まとめて出土した物らしいからな。金貨3枚だったわ。だがベル。喜んでいるところ悪いがそれの容量は本当に少なくてな、せいぜい机の引き出しくらいの大きさしかない。本くらいしか入らないぞ?」
「それでもいいです、お爺様」
そう、それでもいい!それでもこれはアイテムボックスなのだ。そこが重要。
それに拡張とかできるかもな。今夜試してみよう。
僕がそう考えてポーチを眺めていると、突然おじいちゃんが真剣な表情をした。
先程までの緩みきった表情ではない。大商会の商会長らしく、鋭い眼光をしている。
「ベルよ、今日はお前に話がある」
「は、はい」
僕も思わず緊張して答えた。な、何が始まるんだ?
「ベル、お前王都の王立学園に行く気は無いか?」
あっ、これ物語が急展開になるイベントだ。
○マギサ
一応、ベル君に仕える激ヤバ魔女。
昔は魔法のみならず、様々な学問に精通し、その分野の人々からは賞賛を浴びたが、その栄光は誰も覚えていない(本人も忘れてる)。
どことなく物事を他人事に捉え、常に投げやりな対応をしてするが、内心は普通に感情表現豊かなので、ある意味アイリス以上に口下手な人物。
彼女がこのような態度になったのは深い訳があるのだが……
○モナカ
ベル君に仕える、吸血鬼ではないシスター(自称)。
《鮮血教》の大司祭(自称)であり、血を吸うのは教義によるものであって吸血鬼ではない(自称)。
ベル君曰く『正直な嘘つき』。
なお、ベル君的には赤いシスター服、常に目を閉じてる、血に濡れた包帯(+魔法陣)でベル君の厨二心には響いた。




