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金髪+紅眼+血+包帯に魔法陣………分かるな?

やっと更新できた……!今回はベル君にはツッコミに回ってもらいました。なかなかキレのあるツッコミを書けたと思います。

前々から思ってきたのですが、タイトルを変えようと思います。旧題も一応載せとくので安心してくださいね。

新タイトルはずばり『シロクロ・チェリーサイクル!〜異世界転生したけど荒ぶる厨二魂とテンプレ網羅で人生イージーモードです!〜』です!『荒ぶる厨二魂』と『テンプレ網羅』はどうしても入れたかったキーワードですのでもしかしたら消えるかもしれません。ご了承ください。

あと今回からキャラ紹介を軽い感じでやっていこうと思います。楽しんでくれたなら幸いです。



 はーい。どうもベルでーす。また1年過ぎて今年で8歳になりました。


 今年からは地歴の勉強も始めている。まだ8歳なんだけどなー。8歳って前世じゃ小学2、3年生じゃない?あ、太陽暦に合わせると約5歳か……。どっちにしろ早くない?


 まぁ色々知れたから良しか。歴史的な事は置いといて、地理的なところでは僕が住んでいる街はなかなか面白い所にある。


 僕が住んでいる街の名前は【シュピンネ】。ラングル王国の中でも最南端に位置する物流の要となる街だ。


 僕の母さんの実家である『ミグラトリア商会』もシュピンネを拠点として発展した大商会らしい。


 面白いのは国境に近く、その国境が他に3つの国とも接している事だ。これによって種族も文化も宗教もごちゃ混ぜになった街ができる。


 このせいでアイリスが『呪われた子』と呼ばれることになってしまったのだ。

 

 接している国は獣人が中心となってできた【ベスティア連邦】。《創世教》が中心の宗教国家【イドラ神聖国】。そして軍事国家【ヴァイツァー帝国】がある。それぞれの国についての詳細な事はまだ習ってないんだけどね。


 今僕の隣には一緒に勉強しているアイリスがいる。


 彼女今年になるまで読み書き計算ができなかったんだよな。そんな彼女にお使いを頼んだのは悪かったな。


 そんなアイリスはというと……


「……あ、い、り、す……あ、い、り、す…」


 こんな感じで自分の名前を書くのに集中している。正直微笑ましい。ちなみに今日はハートの柄の眼帯だ。


『ベル様。ちょっとよろしいですかね?」


 突然、頭の中に()()()の声が響く。だが別にこれが初めてじゃないので特に慌てる事なく答える。


(マギサ?どうかした?)

『少しご報告したいことがあるんですけどね、今大丈夫ですか?』

(ちょっと待って………よし、いいよ)

『はい』


 次の瞬間、部屋にあるクローゼットから物音がする。


 さっきまで名前を書いてたアイリスが瞬時に僕とクローゼットの間に入る。


 ガタガタすること約10秒。中からマギサが出てきた。


 別に今の今までマギサがクローゼットの中にいたわけじゃない。先程の声が頭に響くやつもクローゼットから出てきたのもマギサの使った魔法だ。


「………なんだ。マギサさんですか」

「はい、こんにちは、アイリスさん」


 …やっぱりアイリスの方がマギサを一方的に嫌っている気がする。言い方に刺がある。


 対してマギサの方はアイリスを相手にしてないって感じだな…。根本的にこの2人は相性が悪い。


「それで、報告したいことって?」

「……報告なら念話で済ませればいいじゃないですか」

「アイリスさん、そうはいかないですよね。やっぱり魔法使うのは楽ですけど、維持するのはまだできないんですよね。もって15秒くらいですかね?」


 マギサはこの1年、まともに魔法が使えなかった。まぁ何百年も動けなかったんだから当然かな。


 使えるようになってからは早かった。今では自分の使える魔法のうち、8割は使えるらしい。《転移》と《念話》もそのうちに入る。《転移》使えるのは純粋にすごいと思う。これで山ひとつ越えれるんだし。


 そう言えばマギサの方から呼び捨てにしてくれとか様付けで呼んできたりしたんだよな。この1年に何があったのだろう?


「ベル様。山でですね、魔力を察知しました。おそらく、誰かが大掛かりな魔法を使ったと思いますね」

「魔法?山に入った人が使ったやつじゃない?魔物もいるし」

「おそらく違うと思います。今の私に個人で使う魔法なんて察知できませんし。なんらかの儀式かなって思いますね」

「儀式?」

「召喚か生贄を使った自己強化ですかね。いるんですよねー人の命使って人間やめようとする奴」

「そ、そう……」


 相変わらず口調が軽い。


 それよりも問題はそんな魔法を使った奴が山にいるかもということ。


 人間やめる方も危険だが召喚の儀式の方もやばい。放っておくのもよくないし。


「僕の死霊(レイス)骸骨(スケルトン)に探索させるよ。それで見つかるならいいけど……」

「私も手伝いましょうか?」

「マギサ達はとりあえず待機で」

「かしこまりました。それでは…」


 マギサは一瞬姿が(かす)んだと思ったら消えていた。転移して山に帰ったんだろう。


 今のうちに死霊(レイス)達に命令出して……よし。


「さて、勉強再開するか」

「そうですね。あ、今誰か近づいてきてます」


 アイリスは僕より耳がいい。気配にも敏感だ。僕の方は魔力探知をする以外周囲の気配を探る事はできないけどね。


 ――コンコン


『ベル様。テバスです。入ってもよろしいですか?』

「いいよー」

「失礼します」


 扉を開けて入ってきたのは、うちの執事のテバスさんだ。


「お勉強の進捗を伺いに来たのですが…」

「この街周辺の地理は覚えたつもりだよ」

「おお、そうですか!いやー奥様にご報告するのが楽しみです」

「ダメ!自分で言うから!」

「ははは。すみません。奥様もお喜びになるでしょう」

 

 こんな感じで普通の子供っぽく振る舞うことも忘れないのだ!


「アイリスさんはどうです?」

「……簡単な計算と自分の名前は書けるようになりました」

「ふむ……そこまでできれば及第点でしょう。お二人とも休憩してはいかがですか?」

「じゃあそうしようかな。アイリスお茶入れて」

「かしこまりました」

「それではベル様、私はこれで…」

「あ、うん。あとでねテバス」

 テバスは一度お辞儀をすると、そのまま部屋を出て行った。

 

 今部屋の中にはお茶を用意してくれているアイリスと僕しかいない。

 

 僕は机の引き出しを開けた。

 

 そこには、作りかけのゴーレムの腕の骨格が入っていた。


 これもここ一年で始めた、僕の新しい趣味みたいなものだ。ほら、生産系チートでゴーレムって避けては通れない道じゃん?錬金術とちょっと前に覚えた鍛治魔法を組み合わせて加工をしている。


 と、言うのも工房を引っ越す時にミスリルのインゴットを見つけたのだ。ファンタジーでお馴染み、魔法金属と言ったらやっぱコレ!のミスリル!剣を打ってもよかったのだが、せっかくだしゴーレムにしてみることにした。この骨格自体はミスリルじゃなく魔力を含んだ鉄、魔鉄なんだけどね。ミスリルの導線を覆うように魔鉄で骨格を作っている。


 まぁ、全然できてないんだけど!机の引き出しに隠してコソコソと進めている。が、全然進まない。可動区域とかにもこだわっているから余計に時間もかかる。しかもゴーレムの骨格から作るなんて本に書いてなかったから設計図とかも手探りなんだよ。うっわ手首の接続とかどうしよう。


「………っ」


 その時、頭の中にマギサの念話とは違ったものが繋がった。これは死霊(レイス)達だな。もう見つかったのかな?早いな。


 えーと何々……山はあらかた調べ終わったが、一箇所だけ死霊(レイス)達が近寄れないところがあるな。山の洞窟か。


 死霊(レイス)って壁とかすり抜けられるけど、魔法による結界とかには弱いんだよな。

 

 さて、洞窟の中に結界が敷いてある。これはもう完全に誰かの儀式魔法だな。できれば違って欲しかった……。


 夜になったらみんなで行くとするか。

 

         ◇ ◇ ◇


 夜。今僕達は例の洞窟の前にいる。


 僕の前にはバルバードの《偽霊》『4番さん』を構えたレイ。手持ちの薬品を確認するマギサ。それとこの間僕が作った短剣を見つめるアイリスだ。


 えっ?アイリス連れてきて大丈夫かって?彼女身体強化魔法がすごいんだよ。筋力ならすでに負けてる。鉄板に拳の跡残したときはたまげたね。く、悔しくなんてないんだからね!


 ちなみに彼女に魔法を教えているのは僕だ。アイリスってマギサと相性悪いし、教わりたくないって。


 僕の装備はまた改良を重ねた刀と通路の小部屋にあった革鎧。あとは各種薬品といくつかの魔導具。


「さて、何があるんだろうね。結界はまだ掛かったまんまだし」

「何が出てくるかさっぱりですね。やべえ魔物かやべえ魔法使い。もしくはやべえ魔物の魔法使いですかね」

「やべえ魔物の魔法使いってなんですか………」

「具体的に言うと不死(アンデット)系のリッチですかね。ほら、魔法もやべえのに能力で死体を動死体(ゾンビ)にできるからリッチでたら国動きますよ国」

「マ、マギサさん!もし本当にリッチだったらやばいじゃないですか!だ、大丈夫ですか⁉︎」

「レイ落ち着いて。多分知性はあると思うよ。結界張ってて動いてないんだし……」

「いや単純に動けないんじゃないですかね?私達が最初に獲物になったりして?」

「あなた馬鹿なんじゃないですか!せっかくベル様がレイさんを励まそうとしてるのに無駄にするとか頭おかしいんじゃないですか⁉︎」

「いや、私は単純に予想喋ってるだけですけど〜?何も悪いことしてませんけど〜?」

動死体(ゾンビ)にはなりたくないよ〜…」

「これからって時に士気下げんのやめてくれない⁉︎」


 めちゃくちゃじゃん。

 

 アイリスは普段感情表現下手くそなのにきっちり敵意だけは表現するし、マギサは空気読まねえし、レイは最近よく泣くようになるし!


 レイの方はあれだな。故郷追い出されたときに比べてレイは余裕が出てきたからな。緊張が解けたんだろう。


 それは可愛いからいいんだけど今は勘弁して欲しい。僕も結構怖くなってきたし……。


「も、もう行くよ!」

「「「はい」」」


 ピタッとおしゃべりをやめて武器を構える少女達。いや切

り替えはやっ!兵隊か⁉︎


 冗談は置いといて……身体強化、っと……。


 きっと今頃僕の髪と眼は黒く染まっているだろうな。まぁ誰かに見られてもすぐに僕だと分かるものはいないだろう。


「あ〜やっぱり対物理に対魔法。あと対生物ですか〜。うっかり踏み込んだら大ダメージでしたね〜。下手したら死にますね〜」


 だから口調!口調から危機感が伝わらないよ!


「まぁ正しい手順で解除すればどうとでもないんですけどね。…………皆さん、朗報ですよ〜」

「朗報?」

「この結界、解除自体はそれほど難易度高くないですよ〜。コツさえ覚えれば(脳筋の)アイリスさんでも解けますね」

「アイリスさんの前に何付けやがったこの女」

「アイリス⁉︎今のアイリス⁉︎」

「そんな訳でやべえ魔物の魔法使いじゃなさそうですね〜。せいぜい(アイリスさんみたいな)物理だけの魔物か(アイリスさんみたいな)脳筋の魔物ですかね!」

「OK、マギサさん。ケンカ売ってるんですね。ちょっとツラ貸しなさい」

「マギサー!アイリスに喧嘩腰なのやめてー!空気が!空気が悪くなるから!」


 こんな夜中に叫ぶのは良くないのは分かるが、この2人、そのまんまにしておけねぇ!


「はい、解除できましたよ〜。中の気配は今のところありませんね〜。まぁ、隠れてたらしたら気付きようがないですけどね!いきなり出てきたりしないといいですね!」

「だから空気読めっての!」


 ほら!レイ泣いちゃったじゃん!


「あれ?アイリスさんはなんか怒ってるし、レイちゃんは泣いてますね。テンション低くないですか?」

「マギサが下げてんの!」

「もっとベル様みたいに大声出してテンション上げましょうよ」

「これテンション故じゃないから!ツッコミだから!」


 ホント疲れる!何なのこいつ!


「ベル様。この(アマ)に先行させましょう?危険が来たら真っ先に知らせてもらいましょう?ねぇ、そうしましょう?」


 ア、アアアアアイリスが般若みたいな顔にいぃぃ!


 ホントマギサ何がしたいの⁉︎


「……なんかすみません。私なりに場を和ませようとしたんですけどね〜。失敗みたいですね?」

「誰がどう見てもそうだよ!マギサ向いてないからやめといた方がいいと思うよ!」

「ですね!」


 キリッとした顔で言うことじゃないから!


 それにしても……僕もこのメンバーと一年近く一緒にいてツッコミが言えるくらいに馴染んできたんだな……。時の流れを感じる。


「さて。天井の高さはだいたい1m半。通常、儀式魔法なら広い場所に魔法陣を描く必要がありますから、通路だけですかね、この低さは。奥は広場になってると思いますよ」


 こういう切り替えは素直にすごいな。これが経験の差か。


「さて。先行でしたっけ?やりますよ」

「いや、いいよ……“土人形(マッド・ゴーレム)”」


 そう詠唱すると目の前の地面に魔法陣が現れ、周囲の土が約1mの人型を形成し始める。


「これに先行させよう。だからアイリス、不満そうな顔するのやめなさい……。進め」


 短く命令してやると、マッド・ゴーレムがのしっ、のしっと歩き始める。


 さっきも言った通り天井が低い。僕達はまだいいけど、マギサはちょっと辛いかも……。


「ハァ、ハァ、ハァ………しんど……」


 息切れするほどじゃないよね⁉︎さては筋トレさぼったな⁉︎


「…………⁉︎」


 マギサが言った通り広場が見えてきたが……そこに倒れている人影がいくつもある。


「ちょっと⁉︎大丈夫ですか…………ッ⁉︎」


 倒れている人の顔を覗くと、血の気がないどころか、骨と皮しかない。完全にミイラ化してる。


「し、死んでる……」

「ベル様!こっちもです!」

「私の方も……」


 向こうも屍らしい。


 よく見たら全員おんなじ格好をして……1人違うな。シスター服。女性か……?


 顔を覗いてみると、美しい金色の髪に、病的なまでに白い肌。首や手は赤い魔法陣が描かれた白い包帯が巻かれており、身に纏ったシスター服は血で染めたように紅い。


 そして何より顔のパーツがめっちゃ整ってる。まるで絵画だ。

 

 いや、そんな僕の感想はどうでもいい!早くなんとかしないと……。


 首に触って脈を測ろうとするが…

「ぅ………ぅうん……」


 よかった。意識はあるみたいだ。


 シスターさんは薄っすらと目を開いた。気絶してたから分からなかったけど、僕と同じ紅い目をしている。まぁ、今は黒なんだけどな!

 

 そして白いけどふっくらした唇を開いて……


「カプッ」

「うぎゃあ!?」


 首に置いた手に噛み付いてきた!そして何かを吸われているような感覚……血か!?


「「ベル様!」」

「くっ!」


 マギサが風の刃を2つ放ってくる。一瞬で。しかも狙いが正確だ。シスターさんの首をきっちり狙っている。


 ――カァァン!


「「なっ!?」」


 シスターさんの手から血が出て弾いた!?音からして硬質化してる?


 あとなんか僕のことも血の壁が覆ってくれている。ま、守ってくれてるの?でもどっちかっていうとあんたのせいだよな!


「うぐっ………」

 

 やばい。血抜かれすぎて失神しそう……。


「ぷはっ……」


 だが、幸いなことに、僕が失神する前に相手は満足したらしい。

 

 いや。これ幸いか?腕動かすのでやっとなんだけど。ポ、ポーション…いや、確か作った薬品の中に造血剤があったはず……


「べ、ベル様!造血剤です!口を開けて飲んでください!」


 さすがアイリス!グッドタイミング!コクコクコク……。


「ぷはぁ……。ありがとアイリス。愛してる」

「⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎」

 

 アイリスがなんかおもしろい顔してる。


 やっと落ち着いて起き上がる。目の前ではレイとマギサが僕達の前で武器を構えて立っている。


「うぅん……ふわぁ……。あ、おはようございます」


 赤シスターはあくびをしながら起き上がった。さっきまで薄っすらとだが開いていた目は閉じられている。


 なんなんだこの……人?


「うん?」


 金髪

+

 紅い目

+

 包帯に魔法陣

+

 血吸う


 こ〜れ〜は〜?


「いや〜。いい夜ですね?」

「……ベル様の血を吸っておいていけしゃあしゃあと…」

「レイさん気をつけて。かなりの手練れに見えます……かね?」


 マギサ。なんでここで疑問形?


「えっ血?…………あぁ!?」


 次の瞬間、赤シスターは深々と頭を下げた。


「す、すみません!つい私の悪いクセというか、《鮮血教》の教えっていうかでご迷惑お掛けしたみたいで……」


 《鮮血教》……また知らないキーワードだな……。


「あ〜はいはい。《鮮血教》の方ですね。なるほど、どおりで……」


 いやなんか知ってるっぽい!


「マギサ、《鮮血教》って何?有名なの?」

「有名も有名ですよ、そりゃ。『人間の魂の本質とは血の本質。血を知ることこそ人を知ることである』って言う教えを説いてる宗教ですね〜。知る人ぞ知るマイナー宗教ですよ」

 

 知る人ぞ知るマイナー宗教って有名とは言わなくない?


「教徒はみんな刃物を携帯していて、通り魔事件を起こしてたそうですよ。その昔《災厄の半世紀》で暴虐の限りを尽くした《魔王》と同等の力を持つとされる《始祖の(オリジン・プリン)吸血姫(セスヴァンパイア)》クリムゾン・D・シャルラハロートを信仰していますね」

 

 実質邪教じゃんそれ。


「そ、そうなんですよ〜。私ってば《鮮血教》の大司教というか、《創世教》でいうとこの聖女クラス?みたいな感じで〜……他の信徒より血を求める傾向が強いっていうか〜…」


 《鮮血教》じゃ聖女って言えないって暗に認めたよね?

 

 って言うか、もう吸血姫って単語出た自体で察するけどさー……


「………吸血鬼なの?」

「ままままままま、ま、まさか!吸血鬼というのは始祖たるクリムゾン・D・シャルラハロート様とその眷属の方々のみに許された栄誉ある称号!一信徒である私ごときが名乗るなどとんでもない!!」


 前半べったベターな動揺した!

 

 でもさ……僕の手噛んだ時に……がっつり犬歯伸びてたよね。ヒャクパー吸血鬼の特徴じゃん。

 

 いくつか質問ぶつけてみるか…。

「あの……太陽ってどう思いますか?」

「太陽ですか?ギラギラ自己主張激しすぎますよね。本当にうざったいです。もうちょっと月のおとなしさを見習って欲しいものです」

 

 太陽の友達か。でも太陽が弱点って感じでもなさそうだな。この人の嘘すぐ分かるからな。


「ニンニクってどう思います?」

「ニンニク?大好きですよ。あんまり食べ過ぎちゃって次の日の口臭が気になっちゃいますね」


 ニンニクは好きと……。


「十字架ってどう思いますか?」

「十字架!いや〜あれはいいですね〜。シンプルながらクリムゾン様の御威光を表した素晴らしいモノだと思います。十字架大好きです!」


 「十字架大好き」ってすごいパワーワードだな。そういえばこの人首から十字架のアクセサリー付けてる。


 でもさ……。十字架にハートを足したようなデザインだけど、なんかそれ心臓に十字架が突き刺さってるようにしか見えない。


 いいの?吸血鬼信仰してる宗教のシンボルそれでいいの?


 本当にツッコミ所満載だなこの人。うん?


「そう言えばお名前を聞いてなかったでしたね。僕はベルリル・ハドルクと申します。彼女達は順番にレイ、マギサ、アイリスです。あなたのお名前を教えてくれませんか?」

「な、名前……」


 おや?赤シスターの様子が……。


「………ド忘れしました!」

「名前だけド忘れすることってなくない!?」


 さっき自分で大司教やってるとか言ってたじゃん!


「マジのマジでド忘れしました!名前とその他諸々思い出せません!」

「その他諸々って何だよ!?絶対ド忘れのくだり嘘だよね!?」


 その時、マギサが僕の肩に手を置いた。


「ベル様。彼女は嘘を言ってないと思いますね」

「節穴かその目は!?どこに信用できる要素あった!?」


 僕にはとてもそんなの見えない。


「彼女……私とおんなじ目をしています。ここは私に免じて信じてみてはどうでしょう?」


 言っちゃ悪いけどこのメンツの中でマギサが一番胡散臭いよ!口に出すのは悪いと思うけどさ〜。


「言っちゃ悪いですけどこのメンツでマギサさんが一番胡散臭いです」


 なんで言っちゃうのアイリス!?


「ち、ちちちちち違うんです〜!本当にド忘れしました!神に誓って!」


 クリムゾン様にじゃなくて!?


 ハッ!?……もしかしてこの人こそがクリムゾン・D・シャルラハロートってやつなんじゃ……。

 

 ないな、多分。姫って感じしないもんこの人。しかし、下手に突いてとんでもないものが出てきても困るしな。吸血鬼は確定だろうし。よし、頭冷えてきた。


 さっきのを見ても彼女がかなりの戦闘能力を持っているのは確かだ。未だ魔法を持続させるのが苦手だが、並列詠唱(マルチキャスト)による同時展開と早撃ちには定評があるマギサの魔法をあっさりと防いだんだ。この人との戦闘に持ち込むのは愚策。


「はぁ、ド忘れで構いませんよ。じゃあなんて呼べばいいですかね」

「つ、つけてくれて構いませんよ〜?好きに呼べばいいんじゃないですかね〜?」


 この人にも名前付けなきゃなのか…。転生してからずっとこんな感じだ。慣れちゃったよ、女の子に名前付けんの。


「え〜と。じゃあ……吸血鬼っぽくカミーラはどうですか?」

「……………いや、その……吸血鬼じゃないんで吸血鬼っぽい名前付けられても困るっていうか……」


 頑なだなおい。


「……モナカ」

「えっ?」

「モナカね。シスターって意味です。これならいいでしょう?」


 イタリア語とラテン語で「修道女」を意味する。最後のスペルが違うんだよね。monacaとmonachaって。


「モナカ……モナカ……。はい!それでお願いします!」

「そうですか。よろしくお願いします」


 僕と赤シスター改めモナカと握手をする。


「ひとまず一緒に来ませんか?ここよりはいいところだと思いますよ」

「はい!お願いします!………ところで……その……」


 おや?モナカの様子が……。


「も、もう少しあなたの血を頂けませんか?」

「へ?」

「く、癖になっちゃって……。き、吸血鬼だからじゃないですよ!?《鮮血教》の大司教としてですね……?」


 いや絶対吸血鬼だからでしょ!?


 というかさっきみたいに失神寸前まで血抜かれるのか…。


 勘弁だ!


 僕は脱兎の如く駆け出した!


「ま、待ってください〜〜〜〜!何にもしませんから!先っちょだけですから!」

「そのセリフ言って何もしなかった人なんていないんだよ!あと最後のそれは男が言うセリフだ!」


 …………その後、追いかけっこは2時間続いた。


 こうして僕達に新メンバー『吸血鬼?』のモナカが加わったのだ!


 後日、僕は造血剤をすぐに量産した。


 基本的には錬金術とかは全部自分でやりたいのだが、今回ばかりはマギサにも手伝ってもらった。

 


○ベルリル・ハドルク(輪道 廻)

テンプレ展開をこよなく愛し、荒ぶる厨二魂を持った転生者。

錬金術と鍛治魔法を独学で勉強しているが、その加工技術はドワーフの名工に勝るとも劣らない。

剣術の才能を持っているが、本人は剣術が好きではない。そのため、高校時代は軽音部に所属していた。

カラオケでは『あの娘シークレット』をよく歌っていたが、一番得点が高いのは『め組のひと』で96.7点。サビに定評があった。

○カルパス

最近出てこないベル君の飼い猫。

フラッとどっかに出かけていつのまにか帰ってくる。

ベル君といないことが多いが、本人(本猫?)はベル君に飼われることにまんざらでもない様子。

猫のはずだが、玉ねぎを食べるのでベル君は猫ではないのかと疑っている。

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