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呪術師とチョコレート。  作者: 雪麻呂
四人坊主は祈らない
43/46

仇志乃か

35.






「瑠衣! 瑠衣!」

「瑠衣姉ちゃん!」

「しっかりしたまえ瑠衣君!」


 不意に世界が騒がしくなった。

 ごうごうと唸る風。鼻の曲がる腐臭。おかえりなさいませ、と鈍痛が再発する。わたしを呼ぶ声に混じって聞こえるのは、とくん。とくんとくん。肋骨の奥、確かな暖かさで脈打つ鼓動。音が、温度が、五感が戻ってくる。

 あ、わたし……

 生きてる。


『よもや斯様な間近に……百人目がおろうとは……』


 渾身の力で、瞼をこじ開けた。

 濡れた睫の隙間から、金色の不吉な光が、じっと此方を見据えていた。

 偶然じゃない。その視線には、明確な意図があった。奴は、わたしを見ていた。結界と護符が消滅したため、わたしの存在を認識できるようになったのだ。

 つまり、念願の百人目が此処に。


「おい流音、結界! 早く張り直せ!」

「ま、待って! そんなすぐには無理だってば!」

「無理でもやれ! 急げ! 隠せ隠せ!」

「そんなぁ! どどどどうしよう!? 紫音兄さん!?」

「あぁもう俺がやる!」

「待ちなさい。なにか……様子が……」


 本来の目的を思い出したのだろう。

 眠り蛇は、しみじみと嘆息した。

 先程までの激情は鳴りを潜め、我に返った表情は、驚愕とも期待ともつかない。歪な夢に冒されて、うっとりと憧憬に酔う。そのくせ、見開かれた両眼は、飢えた欲望で喜色満面。静かな狂気を湛えて血走り、わたしを捉えて放さない。


『これにて満願……あとは海へ出るのみ……なんと嬉しや』


 二股に分かれた舌を舐めずり、眠り蛇が鎌首を擡げた。

 先輩が、流音君が、何事か叫んでいる。紫音さんが、それを制する。華音さんの声は聞こえない。何処かで気を失っているんだろう。引き戻された現実では、まだ悪夢の夜が続いている。まだ終わっていない。

 終わってないんだ。

 この生命いのちは。まだ。


 ――まだ使える。


「……ふっ、…………」


 弱々しい五本線が、土を抉った。

 脚が、腕が、身体が重い。脳味噌グラグラする。寒い。痛い。吐きそうだ。

 けど、それがどうした。

 喘いで、両手に力を込めた。深く息を吸う。止める。一気に上体を押し上げて、一秒。二秒。全身の筋肉という筋肉が、プルプル震える。くそ。こんなことなら、もっと鍛えておくんだった。風呂上がりの筋トレ、最近サボってたもんなぁ。

 指一本動かすのが、こんなに重労働なんて。

 歯を食い縛る。頭を振る。鼻水が垂れる。

 ほら、もうちょっと。

 泣き言ほざいてる暇ないだろう。

 体力、気力、勇気。お前ら総動員だ。

 こんなときに働かないでどうする。


「う…………くっ……」


 あぁ畜生!


「……そがあああああぁああッ!!」


 半ば放送禁止の絶叫と共に、わたしの脚は大地を踏んだ。

 どういう原理なのか、立ち上がってしまえば、却って楽だった。妙に清々しい、充実した熱が、この脚を支えてくれていた。紫音さんの煙管の効果か、華音さんの衣のおかげか。或いは、彼女が力を貸してくれたのかもしれない。

 なんだっていい。

 たった二十メートル。

 走れれば、それでいい。


『貴様、逃すか!』


 叫んだ眠り蛇の身体が、バネ仕掛けのように躍進した。

 わたし目掛けて、突っ込んでくる。

 逃げる?

 逃げるって?

 逆だ、バーカ。

 同時に、わたしも駆け出した。

 眠り蛇に向かって。


「ばか! 瑠衣!」

「瑠衣姉ちゃん!」


 自慢じゃないが、わたしは学年でもトップクラスの鈍足だ。対して、奴の推進力たるや、人外の特権。ほとんど陸上式魚雷である。此方が数メートルも進まないうちに、みるみる距離は縮まって、両者の生命線は詰められてゆく。

 好都合だ。

 わたしが長距離を走らなくても済む。

 残り少ない体力の消耗が抑えられる。


 ――十メートル。


 バラララ、と分厚い紙束を捌く音がした。

 一瞬、鳥の群れかと思ったが、違う。飛び込んできたのは、白い紙片。呪符だ。何十何百枚はあろうかという呪符が、進路を妨害するように眠り蛇を取り囲み、顔と言わず腹と言わず貼り付いて、その動きを縛り、視界を奪う。

 流音君だ!

 ほんとにもう、優等生なんだから。この子ってば!


『おのれ小賢しい!』


 眠り蛇は、速度を緩めない。

 両手でバリバリと呪符を引き剥がし、依然、怒濤の勢いで前進を続ける。

 奴にしても、ここが最後の一手なのだ。わたしを食えるか否かで、運命が決定する。顔の皮膚一枚、気に留めている場合ではない。


 ――五メートル。


《 押さえろ! 》


 紫音さんの声と共に、地面から無数の黒蛇が湧き出した。

 相変わらず、数が尋常ではない。百匹、二百匹、千、二千。わたしが一歩を進む間に、続々と現れては牙を剥く。そうして瞬時に激流と化した彼等は、新しき主の命の下、先を争って眠り蛇の身体に纏わり付いた。

 目の前に、たちまち黒い山が聳え立つ。巨体を誇る眠り蛇だが、さすがにこの数で拘束されたのでは堪らない。俄然、勢いは衰え、スロー再生に切り替えたみたいに、進行が鈍った。

 それでこそ仇志乃の長男! 頼りにしてます、紫音さん!


『ぬ……っうおあおおおお!!』


 しかし、押し止めたと思ったのも束の間。

 獣じみた咆吼を上げ、眠り蛇が、ぶんぶんと身を捩る。

 どんな遠心力が発生したのか、黒蛇達は、てんでんばらばら。大多数が払い落とされ、方々に弾き飛ばされてしまった。

 残りの黒蛇達を蹴散らし、眠り蛇は、再び進撃を開始する。


 ――三メートル。


 食い付ける距離に達したと判断したのだろう。

 眠り蛇が、大口を開いた。

 しとどに黒い咥内から、涎だか血液だか、最早よくわからない飛沫が散る。

 この鈍臭い神経が、よく反応できたものだと思う。わたしは羽織っていた僧衣の襟を両手で掴み、頭から被って、身を屈めていた。

 じゅぅ、じゅうううっ。本能的な危機感を煽る音が、衣一枚を隔てて爆ぜた。頭で焼き肉パーティーでも開催された気分だ。真夏の太陽光線が直撃したみたいに、髪が熱い。なのに、予想していたような痛みはなかった。

 衣の焦げる臭いと、仄かな薔薇の香り。混ざってキュンと胸を突く。

 最後まで……守ってくれて、ありがとう。華音さん!


「うあっ!?」


 ところが、世の中そう甘くない。重複するが、わたしは鈍臭いのだ。

 上にばかり気を取られていたせいか、足元の亀裂に気付かず、思いっきり躓いてすっ転んだのである。このタイミングで。

 ちょっとこのバカ校庭! なんでこんなとこに段差があるのよ!

 物言わぬ大地に理不尽な怒を向けるも、状況は待ってはくれない。頭上に感じる邪悪な気配が、もうすぐ傍まで迫っていた。ポツポツと、雨漏りめいて降り注ぐ涎に、じゅうと髪の毛が焼け焦げる。くそ、ハゲたらどうしてくれんだ。

 衣を翳して見上げれば、黒く透けた至近距離。

 百八十度に開いた大口が……!


「伏せろ!」


 先輩の声に、迷わずバタンと倒れ込む。

 さっきまでわたしの顔面があった場所を、なにが棒のようなものが、高速回転で横切っていった。

 木刀だ。


 ガッ、キン!


 先輩の投げた木刀が、奴の大口に栓をう形で、すっぽり填まった。

 今まさに餌を一呑みにすべく、猛然と口を閉じるところだったのだ。不意打ちの妨害と顎への衝撃で、テンパりまくった眠り蛇は、ガッツリ心張り棒となった木刀を吐き出そうと、大わらわ。


『んっが、ぐ、ぐ』


 目を白黒させ、口元を掻き毟り、まるで殺人餅を喉に詰まらせた老人だった。猫がやるみたいに尻を振り、腰を引きながら、クネクネと後退る。口を開ければ済む話なのに。そんな単純な道理を忘れるほどに焦っているのか。


「おいボケッとすんなグズ!」


 ハッとして、一瞬、振り返った。

 檄を飛ばした本人が、立てた親指を地面に向け、最高に悪い顔でウインクした。


「今だ、やっちまえ!」


 ……うん。

 うん。うん。

 いつもグズでごめんね。

 信じてた。絶対に助けてくれるって、わかってたから。

 だから。わたし、ちっとも怖くなんかないよ。

 先輩!


 ――ゼロ。


「うわぁあああぁあっ!!」


 立ち上がりざま、拳を握る。硬く硬く、気合いを込めて。

 ほら、もう目の前だ。みんなが導いてくれた希望が、此処に。

 わたしは有りっ丈の力で、封印の蓋を――緑の腹板を、ブン殴った。




 ぱきん。




 薄氷を破るように、それは呆気なく砕けた。

 飛び散る破片の隙間から、ふわり。白い光が泳ぎ出る。

 蛍……?

 いや、白い。

 続いて二匹目が。三匹。五匹。十匹。たくさん。

 次々に溢れて、たちまち数え切れなくなった。まるで光のベールだ。いっぱいに満ちた光で、視界が真っ白に染まる。雲に包まれたか。タンポポの綿毛に飛び込んだか。柔らかくて、峻烈で、少しメルヘンチックで、でも儚い。

 とても不思議な純白だった。

 蛍の群れは、解放の残響も惜しまず、クラゲめいてほろほろと舞う。瞬く光は、泣いているようでもあり、笑っているようでもあった。けれど、その点滅は決して悲しみではない。根拠はなくても、わかる。

 なんて美しい光景だろうか。

 あまりの荘厳さに、わたしは時間を忘れて呆然としていた。


 ――ありがとうございました。


 聞き覚えのある囁きに、ハッとして眼を見開いた。

 頬で煌めく一粒の光。なんだか、知っている人のような気がして。

 ずっと昔から、仲間だったような気がして。

 彼女が笑ったような気がして。わたしは、ねぇ、と呼びかける。


 ――これで――


 そのとき、わたしを覆う影が、ぬぅっと伸び上がって不審に揺らめいた。

 あ、ヤバい!

 封印解いた後どうするのか、考えてなかった!


『き、さま……よくも…………よくも儂の……貴様…………小娘が……』


 苦しいのか、怒っているのか、或いは両方か。押し殺して震える声には、限界を超えた殺意が付着していた。気付けば、しゅうしゅうと、蛇特有の呼吸音が、すぐ頭上で涎を滴らせている。やっと木刀が外れたらしい。

 らしいが、これは崩れる。直感した。

 言うに及ばず、奴は建物ではない。でも本能で悟った。

 わたしは今、崩壊する天井の真下にいる。


『この……餌がァあぁああァあッ!!』


 もう呑み込むとは言わない。食い千切るか、齧り付くか、噛み砕くか。とにかく殺す気満々の牙が、猛スピードでわたしに襲い掛かった。

 気力も体力も使い果たした身では、逃げることも叶わない。そもそも、わたしはこの場にいる誰よりも常人である。避けられるはずがなかった。

 ……しかし、動いたのは奴だけではない。

 彼もまた、地を蹴っていた。眠り蛇よりも、一足先に。


「瑠衣!」


 間一髪。

 突っ込んできた先輩の逞しい腕が、わたしの腰を抱いて、眠り蛇の懐を滑り抜けた。寸刻遅れて、背後で金属の噛み合うような音。ギリギリすぎて、冷や汗も出やしない。先輩のスライディングで砂煙が上がって、ようやく腰が抜けた。


「せ……せんぱ……」

「無茶するぜ、ったく」


 嘆息して、ポンポン背中を叩いた手が、そっと髪を撫でてゆく。

 涙目のわたしは、鼻水を垂らしながら先輩にしがみついた。


「……あとは任せとけ」


 その肩を優しく押し返し、素手でわたしの鼻を拭って、先輩は立ち上がった。


「乙女達よ!」


 精悍な声が、高らかに響く。

 仇志乃の長男は万事心得ていて、すっかり導師の面持ちで、潮時を告げた。


「邪悪の輩も最早これまで! 諸君の無念、今こそ晴らしたまえ!」


 さぁ。

 付け加えた一言が、言霊だったのかどうかは知れない。

 でも紫音さんの意思は、きっと彼女達の恐怖を取り去り、背中を押した。

 だって彼女達は、このときを待っていたのだ。

 往くべき場所に導いてくれる僧侶を。


「世音兄ちゃん!」


 いつの間に拾ったんだ。やや離れたところから、流音君が木刀を投げた。さっきのドサクサに紛れてだろうけど、ちゃっかりしてる。

 木刀は弧を描いて空を切り、ちょうど差し出された先輩の手に、吸い付くように収まった。

 先輩が八相に構える。仄白く漂う灯りが、すらすらと宙を舞う。一粒。また一粒と、乙女達の魂が、小鳥を思わせて刃部に留まる。そうして木刀は光の剣となり、白く輝いて薄闇の中、凜々しく唇を結ぶ先輩の相貌を照らした。

 最後に一粒。

 名残惜しげな瞬きが、その輝きに溶けていった。


「オラァ行くぞ! 百倍スペシャルで《返品》だ!」


 先輩が、高く跳躍した。

 気付いた眠り蛇は、攻撃に応じるべく身構える。

 大蛇と少年剣士。満月に、おとぎ話のようなシルエットが踊った。


「くたばりやがれ!」


 次の瞬間、振り下ろされた光が、目映いばかりの煌めきに迸った。

 太刀筋に沿って、眠り蛇の身体が、脳天から真っ二つ。

 唐竹割に、臍まで裂けた。




『………………ば、か、な……』




 ずるりと、カチ割れた身体の片方が頽れる。

 もう片方の口で、眠り蛇が、呟いた。


『儂……儂は……龍となる者……斯様な……小僧……どもに…………』


 先輩が、片膝立ちで着地する。

 それが刺激となったのか、残りの片方も、支柱を抜かれたボロ屋みたいに崩れていった。驚くべきことに、あの巨体が、音も立てずに。

 黒髪は色が抜け、老婆然とした白髪に。ぬらり漆黒に艶めいた鱗は、枯葉のように剥がれて歯抜けに。筋肉で張り詰め、屈強を誇った胴体は、萎びて干柿と見紛うほどに。あれよという間に、その肉体が崩壊してゆく。

 呪詛の死だ。

 魂すら残らない。即ち、此の世からの、完全なる消滅。


「仇志乃を舐めんな」


 ぶん、と木刀を薙ぎ、先輩は眠り蛇を見下した。


『あだしの?』


 奴が、身動いで金色の片眼を剥く。


『貴様等、仇志乃か』


 おそらくは最後の力を振り絞って、奴は戦慄く面を上げた。

 と言っても、やはり半分しかない。残りの半分は、ピクリとも動かなかった。灰色にくすんだ皮膚、そこに刻まれた亀裂は校庭の土と一体化して、何処からどうなっているのか、見分けも付かない。尾の方は、疾うに蛇型の盛砂である。


『おのれ。おのれ仇志乃。口惜しや。貴様等さえいなければ……』


 心底忌々しげに呻き、眠り蛇は、しわくちゃに顔を歪めた。

 視線の先、仇志乃の三人が佇んでいる。けれど、今際の憎悪に燃える眼光が睨み付けていたのは、華音さんを含めた、四兄弟の姿だったろう。


『貴様等とて、儂となにが違うのか!』


 天を仰いだ首が、ぼろりと落ちた。

 曰く、眠り蛇。

 龍になり損ねた呪詛の亡骸。

 志半ばで潰えた身体が晒す断末魔は、哀れなほどに矮小で、寂しくて。

 わたしには、か弱い虫の悲鳴に聞こえて、仕方がなかった。


『貴様等とて……神にも仏にもなれぬ……堕ちた邪神では……ない、か』


 言い終わると同時に、その頭部が、ざらり。砂の塊へと転じ、ぱらぱら崩れて、粉微塵に散った。

 ごうと吹き抜ける風が、わたしのスカートを揺らす。

 先輩の頬を打つ。流音君の僧衣を嬲る。紫音さんの黒髪を靡かせる。


「――それを人間と言うのだよ。我々の業界ではね」


 紫音さんの声に、もう返事はない。

 風は尚以て強く吹き、眠り蛇と呼ばれた砂塵を巻き上げ、そのすべての情念を腕に抱いて、果てしない夜空へと連れ去っていった。

 後を追うように。先輩の木刀から、ぽろぽろと光が離れる。

 離れて、零れて、舞い上がる。彼女達もまた、天へ昇るときが来たのだ。

 いつしか、全員が合掌していた。

 百匹の蛍を一斉に解き放ったみたいだった。

 何処かで救急車のサイレンが鳴る。

 夜空に消える灯火に、ふと思った。

 いつか、もう一度、巡り逢えないかしら。

 一部始終を見届けた満月が、朧の雲を従えて、素知らぬ体で静かに浮かぶ。

 降り注ぐ月光は、なにも答えてはくれなかった。

 ただひたすらに白く――此の世は無常と微笑むばかり。










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