Blind sweet
★叶瑠衣
地方都市で暮らす、平凡な女子高生。周りの不運を集めてしまう特異体質で、とある事件に巻き込まれた際、仇志乃四兄弟と知り合う。三男・世音に作った借金を返済するため、彼等の生業である「呪詛返し」を手伝うハメに。
お下げ、眼鏡、ドジッ子の三冠王。
見た目に寄らず、意外とパワフルなツッコミをする。16歳。153㎝:42㎏。
★仇志乃紫音
仇志乃家長男。和服のミステリアスビューティー。
冷静沈着にして大胆不敵。呪術師としては業界屈指の実力の持ち主で、四兄弟のリーダー兼参謀を務める。基本的には温和な、おっとりした性格。誰にでも礼儀正しく物腰柔らかな反面、変なところで図々しく、頑固な一面も。無益な争いを嫌うが、相手によっては冷酷に徹する場合もあり、弟達には暴君と怖れられている。
知る人ぞ知る呪詛専門の寺院「重恩寺」の住職。26歳。好物は柏餅。
早く家督を弟に押し付けて隠居したい。181㎝:60㎏。
「結局、幾つあるのだね?」
「えっと……」
わたしは、平机の上に散乱する包みを、一つ一つ整頓しながら数えた。
「二十六個……ですね」
「ちょうど私の歳だね」
「そうですね」
「困ったのだよ……」
羽織の袂に両手を突っ込んで、紫音さんは、深い溜息を零した。
ふぅむ、と唸って頭を振れば、長い黒髪がさらり。絹が解けるように肩を滑る。
苦虫を噛み潰したような横顔を俯瞰で見ながら、わたしも溜息を吐いた。
あぁ、美人ってのは、どんな状態でも美人なのだ。絵になっちゃうのだ。
そしてわたしは、そんな美人の彼と今、二人っきりなのだ。
二月十四日。午後四時半。
学校帰り。仇志乃家に寄ったら、和室で一人、紫音さんが唸っていた。
だだっ広い日本家屋は、珍しく静か。本堂からも人の気配がしない。弟達は不在かと訊ねたら、帰宅は全員七時を過ぎるだろう、とのことだった。
おいおい、ちょっと待て。
これってば、もしかして、紫音さんと二人きりじゃん?
正直、ラッキーと思った。だって紫音さんの傍には、いつも誰かが付き添っていて、わたしの割り込む余地なんてないんだもの。つか、そんなクソ度胸ない。欲しいけど、ない。
それでなくとも、男四人兄弟の野郎所帯である。誰かがあっち、誰かがこっち、ワイワイと騒がしいのが仇志乃家の常だ。抜け駆けは難しい。
そもそもわたしは、仇志乃家の人間ではない。ただの知人、バイトの女子高生に過ぎない。いやま、ぶっちゃけ友達? くらいに思っててくれたら、ちょっと嬉しいかも。てのが本音だったりはするんだけど。けど。
なんにせよ、邪魔者は不在。
憧れの紫音さんと、ゆっくりお喋りできる時間が確保できたってわけだ。
これぞ幸運! 今日はツイてる! 千載一遇のチャーンス到来!
……なんてね。
そう。わたしは浮かれていた。アホみたいに浮かれていた。
和室の平机を制圧した、チョコレートの山を見るまでは。
大量のチョコレートを前にして、わたしは、心底げんなりした。
リーマンショック並に急降下していくテンション。
なんてまぁ、色取り取りの。華やかなプレゼント達なのかしら。
大多数が手渡しのようだけど、中には、郵送の物もあった。どいつもこいつも、小憎らしいほど可愛くラッピングされている。言うまでもなく手紙付きだ。さりげなくチェックしたら、軒並み手作りとくる。しかもデカい。無駄にデカい。
紫音さんが、これを目にすることはないのだけれど。おおよその量くらいは把握していたんだろう。処分……もとい、扱いに困っているところに、ノコノコわたしが参上仕ったわけと。そーいうわけなんですね、わかります。
わかってますって。
わたしは、いつだって間が悪い。
「困ったのだよ」
「でしょうね……」
「この量」
「えぇ……」
「困ったのだよ……」
「はい」
食べきれませんよね、と、わたしは相槌を打つ。
しかし紫音さんは、首を横に振った。
「それは二日あれば容易い」
「え!? こ、これ全部? 二日で片付ける気ですか!?」
「甘い物は好物なのだよ」
「2キロはありますけど!?」
「ふむ。飽きそうだね。ならば、世音にチョコマフィンでも作らせようか」
「質量増やしてどうするんですか!?」
「私は、クリスマスケーキを3ホール食べたこともあるのだよ」
「なんで三つも買っちゃった!? 仏教徒なのに!?」
「心配は無用。君も好きなだけ食べてくれたまえ」
「欲しいなんて一言も言ってないですよ!?」
な、なんか聞いてるだけで胸焼けしてきた。
論旨も微妙に噛み合ってないし、これはちょっと長引きそうだ。
腰を据える必要があるか。
わたしは、紫音さんの向かいに正座した。
背筋を伸ばして、少し顎を引いて。両手を軽く握って、膝の上に置く。この和室で彼と対面するとき、わたしは可能な限り姿勢を正す。いつの間にか、そんな癖が付いていた。
「えぇと……じゃあ、なにが問題なんですか?」
「それなのだがね」
紫音さんの指が、なにかを探して、机を撫でる。
わたしは、端に追い遣られていた煙管を取って、手渡した。
「これですか」
「あぁ、ありがとう」
ついでだし、葉っぱを詰めて、火も付けてあげた。
心なしか甘い香りが、仄かに揺らめいて、昇ってゆく。
「これは、お返しをしなくてはならないのだろう?」
「あ、そっちですか」
「困ったのだよ」
「でも、毎年でしょう? 今までは? どうしてたんですか?」
「あの子達に任せていたのだけれど」
どうも今年は、自分のことで忙しそうだから。
ぼやいて、紫音さんは、机に頬杖を突いた。らしくなく、お行儀が悪い。
「兄の大事に、使えぬ弟達なのだよ。再教育せねばならないね」
あぁ、こりゃ悪いのは、行儀じゃなくて機嫌だ。
可哀想にみんな、帰ったら理不尽な叱責が待ってるぞ……って、あ。
そうだ。
「……みんなを参考にしてみたら、どうでしょう」
「あの子達を?」
「はい」
紫音さんに限らず、仇志乃家の四兄弟は、揃い揃って皆イケメンだ。毎年大量に貰うんだろうから、お返しも手慣れたものじゃなかろうか。
実際、紫音さんは彼等に丸投げして、それで上手くいっていたようだし。
「華音さんは? いつもどうしてました?」
「引き籠もっていたね。断りの返事をするのが鬱だと」
「世音先輩は?」
「あれは、貰うだけ貰ってスルーなのだよ。初めから返す気などないよ」
「わ、サイテー。流音君は?」
「よく虫を集めていたけれど」
「なんで!?」
「なんらかの呪術に使うのだろうね」
「お返しに呪詛られるの!?」
「あの子の愛は歪んでいると思うことがある」
「どうなってんの仇志乃兄弟!?」
あんたの弟達ヤバイよ! 再教育されろよマジで!
己の担当は、誰一人として、まともに対処できてない。おそらくは毎年、三人で集まっては、懸命に知恵を絞っていたのだろう。他ならぬ紫音さんの名義である。下手なお返しをすれば、命がない。
「……いったい誰から、こんなに貰うんですか?」
仕切り直す意図で、わたしは、どうでもいいことを訊ねた。
「主に檀家衆の婦人達から頂いたのだよ。あとは御近所様や、知り合いに」
「モテるんですね」
単なる感想だった。嫌味、称賛、どちらのつもりもなく、思ったことがポロッと口を突いただけだ。現にこの人、超モテるし。聞き慣れた台詞だろうと、特に深く考えず放った言葉だった。
それなのに、はたと面を上げた紫音さんは、数秒固まって。
少し恥ずかしげに鼻を鳴らし、肩を竦めて、うっすら苦笑したではないか。
男性を「美人」と褒めるのは、悪気がなくても、失礼なんだろう。
だから本人に面と向かって、そう言ったりはしない。
しないけど、紫音さんの場合、誰がどう見たって美人だから、困る。
細面の輪郭。その中心を、上品な鼻筋がスッと通る。切れ長の眼と整った柳眉のバランスは毅然として、どこか中性的でありながら、しっかりと凜々しい。彫りの深い華音さんや世音先輩とは違う、日本的な魅力を持つ顔立ちだった。
ピシッと着込んだ和服が、また細い長身を引き立てる。着慣れているため、所作は洗練されていて、常住座臥いちいち色っぽい。貴重な和服男子だ。いっそ条約で保護すべきだと思う。
極め付けは、腰までの長い黒髪。
ここまでロン毛の男性に会ったのは、紫音さんが初めてだったけど。それまでのイメージ、不潔でオタクでキモいという偏見が、いっぺんに吹き飛んだ。
だって、わたしよりサラサラ艶々、見事に素敵。シャンプーのCMかってくらいに綺麗なんだもの。しかも、いい匂いがする。決して主張しすぎない、控えめで清廉で、でもうっとりするほど幸せな、不思議な匂い。
尤も、髪だけじゃない。
着物の匂いか薫香か、詳しくはわからないが、紫音さんは、いつも、いい匂いがする。
サッと頬が熱くなる。
なんのことはない、照れたのは、わたしの方だった。
「け……県外からも来てますよ」
なんだか恥ずかしくなって、話題を逸らせた。
「それは、遠くの知人が送ってくれたものだね」
「東京に埼玉、千葉……あ、これ鹿児島県とか書いてある」
「おや、何故だろうね。そんな南に知り合いはいないのだけれど」
「…………」
なにそれ怖い。
「それより、お返しなのだよ」
煙草盆で煙管を叩いて、紫音さんは足を崩した。遂に胡座だ。
捲れた裾に目が行き、わたしは慌てて視線を逸らせる。
「そっ、そうでしたね」
「瑠衣君。ここは、女性の意見を聞かせておくれ」
「えぇっと……食べ物は避けた方がいいですよ。好みもあるし」
「ふぅむ」
「あと、凝った物もNGです。両想いだって勘違いされちゃう」
「ふぅむ……」
「相手に気がないなら、消耗品がベターかなぁ」
「難しいのだよ……」
「深く考えなくても、自分が貰って嬉しい物を贈ればいいんですって」
「ふぅうむ……」
消耗品。貰って嬉しい物。紫音さんは、ブツブツと二つの単語を繰り返す。
「……藁人形と呪符、どちらにするべきだろうね?」
「その二択!?」
「呪符の方が使用頻度は高いけれど、やっぱり女性には、人形が良いだろうか?」
「お返しじゃなくて、ほとんど仕返しですけど!?」
「では、イモリの黒焼きと蛙の目玉ならば、どちらだろう?」
「最早ジョルトカウンター!!」
ふむ、と唸り、紫音さんは首を傾げた。
あかん。わたし一人じゃ、とても扱いきれない、この人。
仇志乃兄弟の常識人代表みたいな顔して、その実、いちばん浮き世離れしてる。深刻なツッコミ不足だ。二人きりでラッキー、なんてニヤニヤしてたわたしが馬鹿だった。早く誰か帰ってきて。できれば華音さん、早く帰ってきて。
あぁもう、わたしってば、なにしに来たんだ。
「ところで」
紫音さんが、チョコレートの山から、不意に一つを手に取った。
「瑠衣君の手作りは、どれだね?」
ギクッと、肩が跳ねる。
「あるね? この中に? それとも、まだ鞄の中かね?」
…………。
そうだった。
これを渡そうと思って、来たんだっけ。
チラと見れば、紫音さんは、涼しげな笑顔で、わたしの返事を待っている。
参ったなぁ。お見通しなんだもん。
観念して、鞄から赤い包みを取り出した。
チョコレートを作るなんて、何年振りだったろうか。
小学生の時に一回だけ、それも失敗して結局、父親に押し付けてしまった記憶がある。下手くそだなって笑われて。以来、柄でもないことはやめようと、自重するようになった。
だいたい、わたしは不器用なのだ。針に糸も通せない。おにぎりすら三角に握れない。馬鹿で間抜けで要領が悪くて鈍臭くて、なにをしたってダメなのだ。
なのに、どうして。
こんな綺麗な人に、手作りチョコをあげよう、なんて気を起こしたんだろう。
あ、言っておくけど、本命とかそういうのでは、断じてない。仇志乃家の兄弟、全員分ある。日頃お世話になっているのは事実なわけだから、感謝の意を示す手段としては、ほら、ね。有効っていうか。
「…………」
改めて、自作のチョコレートを凝視した。
どうよこれ。
A5サイズ、厚み四センチくらいの箱。ラッピングセットの説明書をガン見しながら包んだはずなのに、異様に汚い。模様はずれまくってるし、端は合ってないし、所々が変に余って、全体的にヨレヨレだ。
悩んで選んだピンクのリボンも、蝶々が縦結びで台無しである。どういうわけか何度やっても、こうなってしまう。
実は、チョコレート本体が、更に酷い。
ゆるかわトリュフのつもりが、出来上がったら、崩れた脳味噌になった。普通にグロい。自分で毒味した限り、なんとか味は普通のチョコレートだったけど、こんな見た目じゃ、そもそも食欲なんて湧かないんじゃなかろうか。
どうしよう……。
「えっと、ごめんなさい! 変な形になっちゃって、その」
「ふふ、パティシエでもあるまいに。食べれば同じことなのだよ」
「でもラッピングもこんなヨレヨレで、グチャグチャで……」
「おや。外見など、今の私にとって、なんの意味があるのだね?」
ハッとして、口を押さえた。
わたしに向けられた笑顔は、穏やかで、綺麗で、凜として。
……いつもと、なにも変わらない。
「さぁ」
紫音さんが、そっと掌を上向ける。
その指先は、哀しいくらいに繊細で。
どうしてだろう、胸が苦しくなる。
豊かな睫。涼しげな瞼の奥。
固く閉じられたままの眼は。
いつから光を絶ったのか。
わたしは、覚悟を決めた。
背筋を伸ばして、少し顎を引いて。
両手で持った、わたしのチョコレート。ぐっと胸に抱いて、気合いを入れる。
この和室で彼と対面するとき、わたしは可能な限り姿勢を正す。
いつの間にか、そんな癖が付いていた。
紫音さん自身が往々そうしているから、ということもあるけれど。
根本的な動機は、ちょっと違う。
たぶん、わたしは、近付きたかったんだ。
悠然として、気高くて、しなやかで、野生の草花みたいに美しい。
この人の、まっすぐな居住まいに。
「は、ハッピーバレンタイン、です」
悲しいかな。肝心の瞬間を見届けるには、もう一歩の勇気が足りない。ほとんど机に突っ伏す格好で、わたしは俯き、腕を差し伸ばした。甘い雰囲気とは程遠い。なんという卒業証書授与。
情けない。かっこ悪い。わたしは、いつだって諦めて、逃げてばっかり。子供の頃から、ずっとそうだった。
わかってるんだ。こんなんじゃダメだって。そんな自分を変えたくて、わたしは此処に居るのに。頑張らなきゃ。わかってる。堂々としろ。わかってる。紫音さんは、こんなことで怒ったりしないから。わかってる。
見えてないって、わかってる。
でも、今のわたしには、これが精一杯。
「ありがとう」
手から手へ、僅かな重みが移動した。
紫音さん、受け取ってくれたんだ。
…………。
……嬉しいな。
さて。目的も果たしたし、今日はもう撤収しよう。残りのチョコは此処に置いといて、紫音さんから弟達に配ってもらおう。そうしよう。
決めて、立ち上がりかけた、そのときだった。
優しい温もりが、わたしの手を包んだのは。
「えっ」
間抜けな声を上げて、わたしは、紫音さんを見た。微笑んでいる。上等な和服の衣擦れ。ふわりと漂う香りに、息が詰まる。少しだけ力が込められて、身体が前に傾く。それとほとんど同時、紫音さんが、平机に上体を乗り出す。
あれっ? 思ったときには、もう遅い。
みるみる視界は接近し、互いの顔が、あっと言う間に。
文字通り――目と鼻の先。
「勿論、食べさせて」
くれるのだろうね?
一秒あったか、なかったかの刹那。
唐突のスローモーションは、そう紡いで、停止した。
瞬きを忘れる。
胃がギュッと絞られる。
血液という血液が、吹き出す穴を求めて暴れる。
ボフッと顔が茹上がった。なにか言わなきゃ。焦って咄嗟に台詞を探す。だけど半開きの口は、掠れた動悸を吐き出すばかり。耳が、頬が、痛いほどに熱い。そのくせ喉は冷たくて、痺れた脳が酸素を遮断。ドキドキドキドキ鼓動がうるさい。
どうなってんのよ。意味わかんない。わかってるのは、わたしが、紫音さんと手を繋いでるってこと。その微笑が、十センチの至近距離だってこと。彼の睫が長いってこと。いい匂いがするってこと……。
……はうあ!
「し、しおん、さん!」
「なにかね?」
「めめめめっちゃ近いです!」
「そうかね」
「そうです!」
「楽にしたまえ」
「できません!」
「何れ私には見えないのだし」
「わたしには目の前ですうぅううぅ!」
ヤバイヤバイヤバイこれヤバイって!
わたし、口臭は? 大丈夫だっけ? 鼻毛は切ってある? 眼鏡は外すべき? 歯に青海苔とかくっついてない? あ、見えないのか……って、違う。近いのよ、顔が。ていうか手。繋いだままなんですけど。
あかん息ができん。肺が仕事してない。近い近い近すぎるってば!
死ぬ!
「瑠衣君」
ノンビリした口調で言って、紫音さんは小首を傾げた。
さらりと流れる黒髪に、うっかり見惚れて言葉をなくす。
思わず彼から眼を逸らす。
そして、彷徨わせた視線が彼の微笑に帰着したとき、わたしは、あっと呟いた。何故なら紫音さんの柳眉は八の字を作り、唇は細かく震え、その肩は、さも可笑しげに、小さく上下していたのだった。
この人ってば……!
面白がってる。楽しんでやがる。
知っててやってるな?
わたしがテンパるのわかってて、からかったな?
信じられない!
もう、なんて人なんだろう!
「早くおくれ。悩んでいたものだから、お腹が空いたのだよ」
正解。
と言わんばかりに、紫音さんは、悪戯っぽく唇を綻ばせた。
……ズルい。
こんなのはズルい。
ふざけてるんだ。お戯れだ。わかってるのに。
「さぁ」
鼓膜をくすぐる、吐息混じりの、その低音。
――チョコレートなんかより、ずっと甘いんだから。
「…………」
はい。
わたしは、力なく答えて、がっくり頭を垂れるしかなかった。
紫音さん。
いつか、その瞼の開く日が来るなら。
あなたに、両の眼で、みつめられることが、あるなら。
わたしはきっと、その場で爆発四散します。
Blind sweet / 了