表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
92/101

閑話 ユリウスの○○○Part2

受験終わったああああ!!! やっとだ! これから小説が書けるよ!

3章の閑話と4章の最初のほうまで溜めたストックがあるので、大学が始まるまでは更新していきます。

 はい、というわけでやって来ましたホワイトディアーの棲む、鬱蒼と茂った森。

 さっき優男の記憶を見た際に、最近用事があったのかこの森を訪れていて、その時の記憶の隅にホワイトディアーが映っていたわけだ。棚から牡丹餅とは違うけど、運が良かった。

 ちなみに、その用事とやらは興味がなかったから見ていない。

 どうしてここに来たのか、とでも言いたげなセリアに優男の記憶を辿った旨を教えると、「運が良かったですねぇ」と僕と同じ感想を口にしていた。

「にしてもこの森、相当人里から離れてるっぽいね」

「そうみたいですね。雑草が伸び放題で進みにくそうです」

 セリアの言う通りだ。獣道らしきものは見られるけど、人が通ったような、具体的に言えば雑草や木の枝が人為的に刈り取られた跡はどこにもない。僕は長袖長ズボンにブーツを着用しているから大して障害にはならないが、いつものワンピースにサンダルのセリアには脚に雑草が触れたりしてかなり邪魔だろう。

「ところでご主人様、ご主人様がいるのに私ってついて来る必要ありました?」

「まあね。ホワイトディアーはセリアに狩ってもらおうかと思って」

「え゛っ」

 これこれ、女の子にあるまじき声が出てるよ。

「セリアは僕達の中で1番弱いから、狩るついでに特訓だ」

 そう後付けすると、セリアは息を詰まらせた。

 僕達は暇を見ては1対1の模擬戦をやっているんだけど、最も戦績が悪いのはセリアだ。ステータスが高い僕とクロネに負けるのは仕方ないとしても、レオに負けるのはどうかと思う。

 負けるパターンも決まっていて、セリアが詠唱をしている間にレオが接近して喉や頭といった急所に武器(ツメやキバ)を突き立てられている。ユリウスとリルが参加してないのは戦闘要員じゃないからだ。自分の身を守るくらいの力量は付けさせているけどね。

 レオはAGIは高いけど、STRは大したことはないから足止めさえ出来れば勝てる。なのにチンタラ詠唱して、魔法を使う暇もないというのは心底アホだと思う。

 詠唱を早口で言おうとしてはいるが、詠唱を短くするというのは思いつかないらしい。そっちのほうが手っ取り早いはずなんだけど。というか、僕はそれをセリアから教わったんだけどな。

 そういうわけで、素早いホワイトディアーを狩ってもらおうというわけだ。威力重視じゃどうにもならない事を実感してもらおう。ついでに詠唱を短くするという手段も思い出してもらおう。

「僕は空中(うえ)から見守ってるから。ホワイトディアーは正面を向いて2時の方角のある湖畔で休んでるよ。

 1人でホワイトディアーを狩れ。これは“命令”だ」

 『飛行(フライ)』で飛んで、『インビジブル』で姿を消すと、セリアは僕がいた方向に手を伸ばして「待ってくださいご主人様ー!」と叫んでいた。



☆☆☆セリア視点☆☆☆



「……」

 どうしよう。たった1つの“命令”を残して、ご主人様は消えてしまいました。

 奴隷に身分である私にご主人様の命令は絶対です。やるしかありません。

 とりあえず森に入るとしましょう。雑草が邪魔なのでまずは切ってしまいますか。

「風よ、切り裂け【ウィンドカッター】」

 風魔法Lv,2の『ウィンドカッター』を発動します。地面を這うように使ったので、ある程度先の雑草まで綺麗に刈れました。これで歩きやすいです。

 同時に自分の愚かさにも気付きました。私が放った『ウィンドカッター』は雑草だけでなく、木々にも命中して、いくつもの木が倒れて大きな音が鳴ってしまいました。

 ……ホワイトディアー、逃げたかもしれませんね。

 私がやらかした跡を茫然と眺めていると、私が倒した木の1本に規則を持って小さな傷がいくつか付きました。これは、文字ですね。こんな器用な事を出来るのはご主人様ぐらいです。


『威力と範囲を絞れ。詠唱を短くすればいいだろうが』


「あっ」

 そう、その手がありました。忘れてたわけではないですよ?


『とりあえずそこから離れろ。森の中から魔獣の群れがそっちに向かってるぞ』


 それは困りものです。早く離れましょう。

「風よ、音を遠ざけよ【ハイド】」

 見つからないように木の上に登り、『ハイド』を使います。これで少しは分かりにくくなっているはず。

 なんて思いつつ木から木へジャンプしながら移動していると、Dランクの魔獣グレイウルフが8匹やって来ました。そのうちの1匹が鼻をヒクヒクさせて私の匂いを感じ取ったのか、ちょうど真上にいた私のほうを向きました。私と目が合ったその個体が私が来た方向に先行する群れに向かって吠えると、群れ全体が私を捕捉します。やがて、群れは私の後をついて来るようになりました。

 私のほうが障害物が少ないおかげで少しずつ距離が開いてはいますが、魔獣は総じて鼻が良いのでついて来ます。これではホワイトディアーを探すどころではありませんね。倒しましょう。

 不必要になった『ハイド』を解除して、地面に下りて杖を構えます。グレイウルフ達の群れは戦う気になった私を警戒してか、一定の距離を保ったまま動こうとしません。

 膠着状態になると、文字が彫られた石が目の前に振ってきて、フワフワと浮かんでいます。


『複数の魔法で同時に倒せたらホワイトディアーの現在地を教えてやる』


「ガアッ!」

 石を見た(よそ見をした)瞬間、チャンスと思ったのかグレイウルフ達が襲いかかってきました。後ろにステップしながら魔法の準備をします。

 というか無茶を言うご主人様です。複数同時発動(マルチスペル)はあまり慣れていないというのに。ホワイトディアーの現在地は知りたいのでやりますけど。

「雷よ、迸れ【サンダーウェイブ】。氷よ、目の前の敵を貫け【アイスランス】」

 雷の波が地面を這い、グレイウルフの半数を痺れさせます。ジャンプして躱したもう半数は氷の槍を正面からくらって絶命しました。

「風よ、断ち切れ【ウィンドカッター】!」

 さっきよりも性能が良い『ウインドカッター』を放つと、痺れていたグレイウルフも体を2分割して死にました。これでまた探せますね。




セリアはたまにいる、他人の話をどんな時も頑なに耳に入れないタイプ。

……にしようと書いてたらずれてしまった。解せぬ。


感想や質問、誤字・脱字の指摘お待ちしています。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ