閑話 ユリウスの○○○Part1
明けましておめでとう! 今年もよろしくお願いします。
実はクリスマスに更新しようと思ってたんですけど、黄金伝説を見ていたら間に合いませんでした。(´・ω・`)
いつも通りに夜の大運動会でハッスルした後、窓から覗ける夜空を見上げていると、ネグリシェ姿のフレイヤがやって来た。ネグリシェとは言っても透けてないし、見た目5歳児なので色気の“い”の字もないが。
「やあ、急にどうした?」
「ちょっとしたお知らせなのだ。そこのエルフのステータスを見るのだ」
へいへい、『解析』っと……
「……ああ、なるほど。教えてくれてありがとね」
「どうってことないのだ。お礼は私を「おやすみ」おい聞け」
布団に潜ろうとしたら引き剥がされた。よろしい、ならば戦争だ。
フレイヤとひと揉めし、必殺のこちょこちょで大勝利を手にしてから正座させて次やったらトートさんに言いつけると軽く脅してから帰らせた。
やれやれ、これでゆっくり眠れる。明日みんなに教えてやろうかね。
「……というわけなんだけど……」
「いいわ、任せなさい」
「? どうしたの?」
朝食の後、リーナさんにお願いしてみると快諾してくれた。首を傾げて尋ねてきたユリウスには「何でもないよ」とだけ言っておく。今はまだバレるわけにはいかないのだ。ちなみに、ユリウス以外には既に教えてある。
「僕とセリアはギルドに行くけど、他のみんなはどうするの?」
「あたしとクロネちゃんはお買いものに行ってきます。ユリウスお姉ちゃんは?」
「私はレオと宿でゆっくりしておくわ」
「ワフ」
うし、決まりだな。んじゃ行きますか。
僕達が冒険者ギルドに来たのは、ある魔獣を探すためだ。Bランクの魔獣、ホワイトディアー。名前の通り白い鹿だ。凶暴だとか食害をもたらすとかそういうわけではないが、ホワイトディアーの肉はメチャクチャ美味いらしい。元々はDランクだったんだけど、乱獲したからなのか数が激減し、警戒心と逃げ足が並大抵ではなくなった上に、追いつめられたら近くのAランクの魔獣を引き寄せるようになったとか。だからBランクに上がったんだとか。
ホワイトディアーの情報がないか掲示板をじっくりと見るけど、どこにもそれらしき依頼書はなかった。どうしたものかとセリアと顔を合わせて唸っていると、明らかに優しそうな金髪の男が声をかけてきた。耳は尖ってないから人族だ。
「どうしたんだい? 何を探しているのかな?」
「アンタに言う必要はないな」
ぶっきらぼうに突き放しても、優男は「つれないなあ」と笑うだけだ。
「それなら話だけでも聞いてくれないかな? 腕の良い情報屋を知ってるんだ。もし良かったら場所を教えようか?」
情報屋と聞いて、周りにいた数人がこっちに耳を傾けた。
情報を商売道具とする情報屋。自分の居場所さえも普通ならありえない金額で売っているために、このように無料で知れる機会を逃すまいと耳を傾けたわけだ。ま、全部嘘っぱちなんだけどね。
「そう言って、僕達を罠にでも嵌めて奴隷にするつもりなのかな? ねえ、そこのお仲間さん?」
後ろからこちらを見ていた鼠の獣人に話しかけると、目線を右往左往させてギルドの出入口へと駆け出した。
「セリア、あいつを捕らえて」
「はいっ」
元気よく返事したセリアが詠唱を始めたのを確認して、優男をがいるほう見ると、こっちも出入口へ駆け出していた。が、犯罪者の疑いがあるやつを逃がすわけもなく、数人が出入口に立ち塞がっている。けど、優男は立ち止まらずにポケットに手を突っ込み、小さな水晶玉を取り出した。
「てん……「『スティール』」なあ!?」
僕が『スティール』を使って水晶玉を盗ると、驚いた優男はそのまま冒険者達に取り押さえられた。さて、『解析』っと。
「ふうん、転移というよりは帰還の魔道具か。けっこう珍しい魔道具のはずなんだけど、どこで手に入れたのかな?」
「んなこと言うわけねえだろ馬鹿かてめえは」
急に口が悪くなってるんだけど。取り繕うのはやめってか。
「じゃあ口を割らせてあげよう。過剰にして過激にして激烈【キラーペイン】」
ちょいと腕に傷をつけて、痛覚の感度を上げる闇魔法を発動。きちんと詠唱をしたから最低でも数百倍にはなってるはずだ。そのまま腕をミンチにされたどころじゃない痛みが走っているだろう。
「ぐっ、ぎゃああああああああああああああああああああああああああ!!!」
しっかし煩い。【サイレント】。
『ハイド』とは違って対象の声だけが聞こえなくなる魔法を使うと、目と口を精一杯開いてのたうちまわる優男が出来上がった。……自分でやってなんだけど、見苦しい。さっさと止めよう。
『キラーペイン』を一時的に解き、髪の毛を鷲掴みして苦悶の表情をした顔を上げさせる。
「どう? 自分から言う気になった?」
「……っだ、れが、言うかよ、クソボケ」
うん、自分で吐かせようかと思ってたけど、これ以上は時間の無駄だ。『過去視』使っちゃえ。
「………へええ、ガンザ帝国の工作員か。暴風龍に破壊された地下実験施設の再建の為に資金集めとエルフの街の戦力の低下を兼ねて強そうなやつを捕まえて違法の奴隷商人に売っていたのか。考えは良かったけど、甘かったね」
目を見開いて驚いた優男は何で分かった、と言いたげな顔をしている。
「僕は魔眼を持っているんだ。この程度の事で使うのはあまりないんだけどね。
あと、1つ聞きたいんだけど、暴風龍の卵を盗み出したやつの恰好って知ってる?」
「……! そうか、お前が」
「その通り。追跡ぐらいはしとくべきだったね」
すると、ちょうどギルドの職員が捕縛用のロープを持ってやって来た。優男を縛っている職員にさっき見た情報を告げると、感謝の言葉を述べて純銀貨を1枚くれた。
これから優男は尋問を受けて、アジトの場所や構成員の情報を吐かされるだろう。その時は僕にも教えてくれと頼むと、快諾してくれた。
セリアが捕らえた鼠獣人が一緒に連れて行かれるのを確認すると、セリアがこっちに寄って来た。
「ごくろうさん。じゃ、行こうか」
「行くって、どこにですか?」
「決まってるじゃん。ホワイトディアーを狩りに行くんだよ」
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