侵入するようです。
学際頑張りましたよー。めっちゃ緊張して失敗しまくりでした笑
どうしたものかと悩んでいると、もう2本巨大な矢が1本目を砕いたシェン○ンに向けて飛んで来た。丁度いい、これを利用させてもらおう。
1本目を掴み、もう1本を重力で引き寄せて掴んだ。ついでに『解析』してみたところ、追尾・滅竜種・毒Lv,10の3つの付与魔法がかけられていた。どおりであのシェン○ンが避けたはずだし、外れた後も急な方向転換をしたわけだ。毒々しい紫色をしているのも頷ける。
シェン○ンへ当たろうと僕の腕の中で動く矢の追尾の付与魔法を【分離】し、青い結晶が2つ落ちるのを確認してから、動かなくなった矢を設置された発射台に向けてブン投げる。兵は僕が投げようとしている間に慌てて逃げてたから既にいない。発射台は矢が命中すると触れた箇所から溶けて使えなくなってしまった。
というか今気付いた。魔法解いたら入れるじゃん。入ったらまた魔法をかければいいわけで。……何か簡単なことに気付けなかった自分が馬鹿みたいだ。
「んじゃ、街の中に入りますか」
「キュー」
そういや、ルドラが巻き付いたままだった。こいつどうしようかな? このままじゃちょっと動きにくいんだよねえ。
「ルドラ、ついて来てもいいけど、このままじゃ動きにくいから離れてね」
「キュ」
ルドラは了解と言わんばかりに一鳴きし、スルスルと僕から離れた。
「ウィド、ローズさんを僕に」
「りょ~か~い」
ポイッと投げるようなモーションでローズさんを渡してきた。女性を乱暴に扱っちゃいけないよ。
「大丈夫ですか?」
「そう見えるなら病院に行くことを勧めるわ……」
顔面蒼白にして言われちゃお終いか。
「魔法反射の障壁が張られてこのままでは入れないので、一旦魔法を解きます。一瞬浮遊感があるので気を付けてくださいね?」
「ちょ、ちょっと心の準備がきゃあっ!」
魔法を解いて障壁をすり抜けるとすぐに魔法を使って浮くと、ローズさんは涙目になっていた。
「酷いわよぉ~」
「すいません、こうしないと入れなかったので。プレクラーラ様はっと……」
『千里眼』でプレクラーラ様の様子を見てみると、既にギロチン台に頭を乗せられていた。マズい、早くしないと!
「プレクラーラ様が処刑される寸前なので、我慢しててくださいね? ウィド、頼む。アイン、ロングソードだ」
「は~い」
「普通のでいいの~?」
「うん。ギロチン台をバラバラに切るだけだから、その後にガントレットになって」
「はいは~い!」
ウィドにローズさんを任せて、アインに1本の剣になってもらう。【重力10倍】。
重力で加速してギロチン台を蹴り飛ばし、使えないように剣でバラバラに斬り裂く。特に刃の部分は丁寧にね。
「アイン、今だ」
「は~い!」
剣が粘土細工のように蠢き、2つに分かれて両手にくっつきガントレットになった。
プレクラーラ様がやけに魔法を使わないなと思ったら魔封じの手枷を嵌められていたようだ。にしても元気がない。
「大丈夫ですか? 今外しますから」
手枷を引きちぎっても、プレクラーラ様は一向に元気になるようすはない。焦点が合わない目でどこかを見つめている。
「プレクラーラ様? 大丈夫ですか?」
「ユキ、ト……様……?」
僕が体を揺すってようやく焦点が合ったプレクラーラ様は驚き、一瞬喜び、そしてすぐに悲愴な表情になった。
「ユキト様、今すぐお逃げください。あの悪魔は真意を使いこなします。わたくしが時間を稼ぐので、早く……!」
「それはどういう……」
「オオット、ソコマデダ」
詳しいことを聞こうとすると、2体の悪魔がやってきた。話にあったこの国の王様と第2夫人のベラとかいう人に憑りついた悪魔達だ。2体とも腹に穴が開いてたはずだけど、そのような素振りは微塵もない。
「ソイツハ渡サナイ」
「やってみろ」
悪魔達が飛び出す。ソル、ローズさんとプレクラーラ様を守ってやってくれよ。
「ユキト様、右の悪魔は一定範囲に入ると魔法が使えなくなる指輪を嵌めています。気を付けて!」
「分かっています」
これで自然と王に憑りついた悪魔の相手は僕、ベラに憑りついた悪魔は精霊達が相手することになる。
あっちとの距離が8メルを切った時、僕にかけていた重力が消えた。これで楽に動けるな。『超身体』でステータスをあげる必要はないだろう。
「フッ!」
「ナニッ!?」
左拳で顎目掛けてアッパーを繰り出すと、驚いた顔をしながらも首を捻って躱された。右手で手刀を作り、反撃の左ストレートをしてくる左腕を肩から斬り落とした。次に足払いをして地面に付きそうになった頭を蹴り飛ばして首の骨を折った。
「貴様! よくも我らの王を!」
と、ここで兵士達がやって来た。十数人が槍先を僕に向けている。タイミング悪いなー。
「首の骨を折って生きてるやつが人なもんか。なあ? 今度は心臓潰してやろうか?」
右脚を大きく上げて音を立てると悪魔はその場から立ち上がり、斬られた左腕を拾いながら遠ざかった。
ある程度離れた悪魔が左腕と肩の切り口を合わせて捩じると、何事もなかったかのように左腕は動きだし、両手で首を掴んで思いっきり捻った。ゴキンと骨同士が嵌まるような音がして首が元に戻った。
「そんな!?」
「あれは元々王様に憑りついた悪魔だったけど、今はもう王様じゃなくなった。王様の魂は喰われたのさ。王様はもういないんだよ。ついでに言うと、お前らじゃかすり傷1つも負わせられないから下がってろ」
『解析』と『視覚共有』を使って悪魔のステータスを茫然としている兵士達に見せてやる。名前はそのまま王様のものだけど、種族が中級悪魔になっている上にLUCを除いてステータスが全部3,000を超えている。ここにいる兵士達でも高いのが200だ。かなうわけがない。
「ふ、ふざけるなよ! お前は重犯罪者だ! お前に任せてはおけん!」
「いいから行け。邪魔だ。何かしたいんだったらあっちで眺めてる野次馬をどうにかしたらどうだ? じきに巻き込まれるぞ」
「分かった」
「隊長!?」
若そうなーーと言っても僕よりだんぜん年上だけどーー兵士が不満の声をあげる。ちっ、突っ込んできやがった。
「いいから行くぞ。お前の言いたい事も分かるが、国民が巻き添えをくうわけにはいかん」
「ですが!」
「お前も分かっているだろう? 今あの悪魔を倒せるのはあいつだけだ。それに、聞けば1人で1万の兵を撃退したと聞いていないのか?」
「そ、それは……」
「分かったら命令に従え。いいな?」
「はいっ!」
そんな会話と足音が遠ざかっていくのを聞き流しながら、僕は悪魔に発勁をする。腹にモロにくらった悪魔はヨロヨロと数歩後ろに下がり、吐血した。そのまま頭を斬り飛ばし、心臓を貫いた。これでどうだ?
様子を観察していると、王様の体から黒い靄が出始め、王の死体の上で小さな悪魔になった。
「お前が本体か」
「コウナッタラ、オ前ニ憑リツイテヤル!」
僕の口目掛けて飛んでくる悪魔の羽根を掴み、空に向けてブン投げる。指輪の効果は装備者が死んでしまったからなのか、すでに切れている。
僕は悪魔のほうに手をかざす。
「マッ待テ!」
「【マシンガン】」
悪魔は炎や氷まみれになって死んだ。
しばらく更新できないので出来るだけ書こうと思ったら空白と改行含んで3008文字でした。何か微妙な数字……
感想や質問、誤字・脱字の指摘お待ちしています。




