襲撃されたようです。
エヴァQ見た人挙手ノ
ちゃんと見ましたとも。弟と劇場版も見たので、「あ、ここ違うねー」みたいなことを言ってみてましたとも。
プレクラーラにナイフを突きつけた人物は、王族達にとって周知の人物で、予想外の人物でもあった。ファモス・サルク・フォルネストである。
「父上!」
「父上? じゃあこの人が……」
愕然とするダリア達に短剣をファモスに向けて短剣を構えたユリウスが尋ねると、5つ子メイドが首をゆっくりと縦に動かした。まるで、認めたくないと言わんばかりに。
「父上? アア、コノ体ノコトカ」
「……この人、中級悪魔に憑りつかれています!」
『解析』したセリアが驚きの声をあげると、カエデがそれにつられて「何ですって!?」と叫んだ。
「ホウ、貴様ハ魔眼持チカ。主ノ為ニイタダイテオコウ」
「そう簡単にはーーきゃっ!」
後ろから服が引っ張られ、セリアは床に倒れた。迷彩柄のフードと被った人物に腕を足で踏みつけられて折れる。叫ぶ暇もないまま、実にあっさりと両目を抉られた。
「きゃあああああああああああああ!!!」
「セリア! このっ!」
ユリウスがフードの人物を切りつけるが、跳躍されて躱されてしまった。王に憑りついた悪魔の近くに着地した際に、フードが取れた。
「ベラさん!?」
「ソウイエバ、周リノヤツラハコイツヲベタト呼ンデタナ。残念ダッタナ、自我ハホトンド残ッテナイゾ」
と、そこで後ろにいたエルフが矢を放ち、冒険者が剣を振るった。
キン! パキィン!
が、効かず。人の体に当たったとは思えない音を立てて矢は弾かれ、剣は根本から折れてしまった。
「失セロ」
「ぐああっ!」
「があっ!」
2人はベラに憑りついた中級悪魔の蹴りで床に叩きつけられ、意識を失ってしまった。
「この~!」
「ら~らちゃんをはなせ~!」
2人が意識を失うのと同時に、プレクラーラと契約していた精霊が悪魔に向けて魔法を放った。流石に数千年単位どころか万年単位で契約していた精霊の魔法は効いたのか、悪魔はのけぞってその隙にプレクラーラは離れることができた。
「何故わたくしを狙うのかは検討がつきませんが、それはじっくりとお伺いしましょうか。数多の葉よ、其の者を縛りたまえ【リーフバインド】」
プレクラーラが早口で詠唱すると、どこからともなく無数の葉が現れ、2体の悪魔の体にまとわりつき始めた。
「邪魔ダ!」
王に憑りついた悪魔が体にまとわりつく葉を取り払おうとするが、べったりと貼り付いている上に次々とまとわりつくので動きが鈍くなっている。しまいには首から下に葉が何十にも貼り付いて身動きがとれなくなってしまった。
「コノ……」
「どうです? 指1本動かせないでしょう? ユキト様程ではありませんが、わたくしも魔法は得意なのですよ」
比べる対象が違う、と心の中でツッコミを入れたのは果たして誰なのか。数多の神より加護を授かり、魔法の効果や消費するMPの効率は一般的な魔法使いどころか、エリートと呼べる連中のそれを遥かに上回っている。本人は制御が上手くできない、精霊とは遠く及ばないと度々愚痴を漏らしているが、それこそお門違いというものだ。効果はともかくとして、制御だけで言うならば達人クラスを軽く超えている上に、精霊は魔力の素である魔素が意思を持ったもので、言うなれば意思を持った魔法そのものだ。そのような存在と比べるのがそもそも間違っている。
それはともかくとして、どこから聞き出そうと考えていたプレクラーラは、悪魔の小さな笑みに首を傾げた。
「何がおかしいのかしら?」
「クックック、貴様ラエルフガ魔法ヲ得意トシテイルコトハ知ッテイル。ソノ上デ何モ対策ヲタテテイナイトデモ思ッタノカ!」
王に憑りついた悪魔が葉に覆われたローブの中から腕を出し、その腕に貼り付いていた葉が床に落ちては消える。「そんな馬鹿なーー」と呟くプレクラーラの目線の先には、1つの悪趣味な形をした指輪が。
「コレガ気ニナルカ? コレハナ、Aランクモンスター「ナイトリッチ」ノ核ト骨デ作ッタ指輪ダ。一定範囲ノ魔法ヲ無効化スルノダ」
「ならば……」
その一定範囲から出ようと後ろに下がったその時。
「ソノ一定範囲カラ出レバ魔法ガ使エルトデモ思ッタカ? ダトシタラ笑イモノダナ。サッキマホウガ消エタモヲ見タダロウ? 一定範囲ニ入ッタラ魔法ガ使エナクナルンジャナクテ、一定範囲ノ魔法ヲ一切無効化スルンダヨ、バーカ!」
口を歪めて心の底から罵る悪魔。プレクラーラは目を見開いて驚き、動きを止めてしまった。その一瞬の隙をついて悪魔はプレクラーラに近づき、鳩尾を強打した。小さく息を漏らし、プレクラーラは脱力してしまった。
「捕獲完了。サテ、戻ルカ」
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