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お話をするようです。

この前投稿してから、急にググ~ン! とアクセス件数やらなんやらが一斉に伸びました。あまりの上昇幅に、タジタジしてます。日間ランキングにも入ってるし。何があったのやら……

 どうも、権力を使われて王族一行と一緒にエルフの街に行くことになった幸人でございます。嫌なのか? と聞かれたらそうでもないんだよ。同じ日本人といれるからね。ただ、カシムさん達とも一緒に行きたかっただけなんだ。

 カシムさんは王族一行といると危険と判断して、同行するのをやめたようだ。商団を率いるリーダーとしては正しい判断だな。ちょっと寂しいけど。

「ごめんねユキト君」

「いえ、カシムさんは賢明な判断をしただけです。謝ることはありませんよ」

「そう言ってもらえると助かるよ。では、またどこかで会おう」

「はい。またどこかで」

 手を振ってカシムさん達を見送る。僕達はわざと遅く行く予定だ。サルク王国が持っている王族御用達の馬車はどれも魔道具らしく、普通の馬車の3倍の速度は楽に出るそうだ。僕が『エアコーティング』をかけても意味ないし、仮にかけても追い抜く他の人達に迷惑がかかるだけだ。ああいうのは罪をでっち上げるのが上手いからな。それなら、ゆっくり行って色々と話をしようとのことだった。

「じゃあ行くわよ。あと幸人、あなたはこっちに来なさい。ダリアとローズはそっちの馬車に乗ってて。狭いだろうけど、我慢しててね」

「はい。『迷い人』積もる話もあるでしょうし、ごゆっくりどうぞ」

 僕とカエデさんは僕達の馬車で、他の人達は王族の馬車に乗る。見た目からは分からないけど、あれには体積拡張機能がついているのでいい感じに広いらしい。

 馬車が進みだすと、カエデさんは体をこっちに向けて話しだした。

「さてと、あなたのことを聞かせてちょうだい。どうやってこっちに来たのかも、ね」

「分かりました。多分、聞くよりも見たほうが速いので、スキルの『過去視』と『視覚共有』を使って直接見せますね。少し頭が痛くなると思うので、我慢してください」

 『慧眼』を発動して、僕のここに至るまでを大雑把に見せる。全部を鮮明に見せるとおそらくパンクするからな。

 5分ぐらいして見せ終わると、カエデさんは頭痛を振り払うように頭を振った。

「これ効くわね……。ふうん、そういうことなの」

 僕を見るカエデさんの目には、期待や失望等の様々な感情が見える。地球に戻るヒントでも見つけたかったんだろうか?

「じゃあ、あなたがあの大事件の黒幕だったってわけね」

「大事件?」

「そう。歴史上類を見ない程の、恐ろしい事件。そして、私がこの世界に来ることになった理由」

 と言ってカエデさんはポツポツと話し始めた。

 僕が自殺しようとして、阻止された日が西暦2087年の6月4日。その3日後に、僕の故郷で数百人余りが僕と同じような体になるなんてことが起こったらしい。

 犯人は結局分からないままで、治療を施しても次の日にはまた元に戻った。それどころか、治療を施した医者も感染したかのように同じ体になったらしい。警察やマスコミ等、とにかくその体を見たり触ったりした人に広がっていったとか。

 テレビでは連日怪奇事件として扱われ、新聞の見出しにもなったそうだ。ネットでも当然騒がれて、色んな憶測が流れたりもしたけど、次第に誰もその話題に触れなくなった。カエデさんが言うには、怖かったのかもしれないらしい。自分もそうなってしまんじゃないか、と。そう思ったカエデさんの話だから、信ぴょう性は高い。

 ここでカエデさんは話を1度区切って、お茶を飲んだ。ガタゴトと馬車が走る音だけが耳に入る。その間に僕はちょっと考えてみた。これって、ゼウスが言ってた罰なのかな? だとしたら、やりすぎな気がするんだけど。

(僕だってあそこまでやるつもりはなかったさ。僕がやろうとしたのは最初の数百人への罰だけだ)

(じゃあ、何でああなったんだよ?)

(1人の生まれたばかりの神が力を制御しきれずに暴走しちゃってね、罰を上書きされちゃったんだよ)

(その暴走は止められなかったの?)

(もちろん止めたさ。けど、暴走した時のエネルギーが想像以上で、いくつかの世界を巻き添えにしてその神を止たよ)

 うっひゃあ、それは中々すごいかったんだろう。ゼウスも苦労したんだろうな。

「どうしたの?」

「あ、いや、ゼウスに罰のことを聞いてました。あとで話します」

「分かったわ。じゃ、話の続きね。ここからは、私がこっちの世界に来た理由よ。とはいっても、結構短いけど」

 話の最後から1ヶ月が経ったある日のこと。突然、テレビやパソコン、ケータイ等とにかく電波が届き、映像が映る機器に最初の数百人が映った。みんな口々に何かを言って、破裂した。そして、そこからは生物が出てきたらしい。その生物は神話やゲームに出てくる悪魔や堕天使だった。そして、1番最後に出てきたルシファーと名乗る堕天使がこう言った。『我々は貴様らの心の鏡である。負の感情が許容量に達して、権限した』と。そして、カエデさんが持っていたケータイから強い光が発生して、光が治まった時にはこっちの世界にいたらしい。

 ……まったくもって話が読めん。色々とブッ飛んでいる話ではあるが、本当のことのようだ。心眼は最初から使ってたからな。今度ゼウスにでも聞いてみよう。

 そこからは、魔獣狩りに来ていた同時の第1王子、つまり今の王様に見初められて、城に連れて行かれて、本人は蚊帳の外のまま結婚したそうだ。色々大変だったんだな。

「カエデさんは、今でも地球に帰りたいと思っているんですか?」

「んー、イエスでもあり、ノーでもあるかな。地球がどうなったのかは知りたいけど、こっちにも大切な人がいるしね。ユキトは……帰りたくないか」

「はい。あんな腐ったとこなんかに帰りたくはありません」

 これは何が何でもだ。絶対あっちには戻らない。戻ったとしても、すぐに自殺するか人を全員殺すかの2択だろうしな。




地球のお話は、いつかちゃんとやります。色々とブッ飛び過ぎているという自覚はありますけど、今考えている作品と繋げられんじゃね? というアイデアから来ました。なので、変更はしません。変更はしません。重要なことなので、2回言いました。

あとちょっとした豆知識。『ルシフェル』と『ルシファー』の2つの呼び名は、前者が追放される前、後者がされた後というのを聞いたことがあります。『~エル』が天使の証の1つらしいので。正しいはどうかは知りませんけどねっ☆


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