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ミルの話のようです。

saoの新作ゲームを買いました!シリカとイチャイチャしてきます!( ̄^ ̄)ゞ


登場人物紹介は後々更新します。待っててくださいねっ☆

 数多の星が光る夜。青い月が闇夜を照らす中、1つの影がある。

 金髪碧眼の女性だ。美少女と美女の中間といったところだろうか、普段ならその整った顔で笑えば男は虜にされてしまうだろう。しかし、その顔ーー特に口辺りーーは血で汚れていた。

 数日前まで人族だったミル・ツヴァイは吸血種(ヴァンパイア)特有のコウモリのような羽で飛んでいる。先日、ルミトナルの街で起こった事件の際に彼女が嫌いな獣人に魔法でできた氷の檻に捕まってしまったが、その獣人の主人がこの世界の最強の一角に地面に叩きつけられたときのショックで檻が壊れて逃げ出すことに成功した。

 本来ならば彼女の上位種にあたる吸血種の始祖(ヴァンパイアロード)についていくところだが、彼はミルのことを忘れて飛んで行ってしまったので、置いてけぼりをくらうはめになった。もちろん忘れられたなど思ってはいないので、いつか自分を迎えに来てくれるという叶うことのない希望を抱いている。

 ミルはまず獣人にやり返そうと思ったが、その主人とべったりくっついているので隙がないので、仕方なく諦めた。次にやろうとしたのは、吸血種の始祖(ヴァンパイアロード)の意思を継ぐこと。どこかの国の中枢に侵入し、魔族の大好物であり、エネルギーでもある負の感情の生産場を作るのである。そのために隣国に向けて飛んでいた。

「あら、やっと国境線なのね。ふう、遠いったらないわ」

 隣国との国境線である大河が下に見える。AGI3千で全速力で飛んで半日かかっている。中々の距離である。

 休憩ついでにと大河の傍に下りて、水をすくって飲む。喉を潤した彼女は次に周りを見回した。腹が減っているのである。そして、餌を見つけた。

「はー、疲れた疲れた。やっぱビッグボアを倒すのは一苦労だな」

「お前は後衛だからいいじゃねえかよ。俺ら前衛はあの突進を避けなきゃいけねえんだからな」

「そんなことより、早く街に戻ろうぜ。グッと一杯飲みてえんだからよ」

 3人の冒険者達だ。でかい猪を引きずっている。今しがたクエストで倒したのだろう。装備している皮鎧に血がついている。

「とりあえず、血を流してからだ。魔獣に襲われたくはね」

 まず1人。ミルは血の匂いに我慢できず、首を跳刎ね飛ばした。

「な、なんだてめえ!」

 2人。剣を抜こうとした男も首を刎ね飛ばす。そして、弓を構えた3人目も。首から噴き出した血をミルは幸悦の表情で飲み始めた。



「ふう、まあまあでしたね」

 3人とビッグボアの血を飲み干したミルは口元を水で洗い、再び飛んだ。前に来た時からして、もうすぐ首都が見えるはずだ。

「お、ありましたわね」

 ほら見えた。魔獣対策に建てられた大きな壁を越えて城に近づく。そして入ろうとして、弾かれた。

 空中で1回転して体制を整える。よく見てみると、透明な壁があった。障壁だろうとミルは予想をつけた。ならば、と、魔力を右手に集めて障壁を破ろうとして、横から声がした。

「ソウ簡単ニ破ラレルモノデハナイゾ」

 声がしたほうを見ると、太った男が煌びやかな装飾品を身につけて空中に立っていた。痩せたらモテそうな顔をしている。

「あらぁ、貴方は?」

「貴様ニ答エル義務ハナイナ」

「あらそう」

 互いに交わす言葉はないとばかりに攻撃を同時に開始した。それはぶつかりあい、ミルが押し負けた。男のパンチがミルの顔面にクリーンヒットし、鼻血が出た。

「カハッ……馬鹿な……」

「ダダノ魔族ニシテハ中々ヤルナ。異常ニ固いノハ不思議ダガナ」

 ミルは鼻血を拭って目の前の男を観察した。特段変わったところはなくーーいや、ある。右手だけが大きいのだ。

 黒い毛に覆われ、獣のような鋭い爪が生えているそれは、異様に不自然である。

「まさか、その腕は……」

「ホウ、気付イタヨウダナ、俺ガ悪魔族デアルコトニ」

 悪魔族。魔族の上位種だ。世界を征服することしか考えておらず、歴代の魔王もそのほとんどが悪魔だ。

「ありえない、何故こんなところに悪魔が……」

「貴様ニハ関係ノナイコトダ。消エロ」

 男が右手をミルに向けると、そこから何本もの黒い触手が飛び出した。触手はミルを飲み込み、喰らっていく。やがて、ミルは跡形もなくこの世から消え去った。




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制限なしにしたからみんなできるはず!

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