進化したようです
活動報告にセリアのssを載せてます。よかったら見てくださいな。
「ただいまー」
「あ、おかえりなさいませ」
「おかえり。足はついてないでしょうね?」
「もちろん。リル、着いたよ」
「……」プルプル
コートに顔をうずめて震えてる。やがて顔を上げると、頬を膨らませて睨んできた。何故だ。
「ご主人様の背中に乗るのは怖いですもんね」
「……」コクッ
「そうなの?」
「そうですよ。急加速急停止ですから」
「……」コクコク
うーむ、地味に傷つく。
「そんなことどうでもいいから、リルちゃんを寝かせてあげましょう。疲れてるはずよ。」
背中にひっついているリルをはがして、ゆっくりとベッドに寝かす。そういえばまだ解析してなかったな。やっとくか。
------------------------------------------------------
リル・ツヴァイ:『巫女』
人族・女:9歳:Lv.1
HP:4/18
MP:6/30
STR:1(2)
AGI:1(3)
VIT:1(3)
DEX:1(5)
LUC:1(4)
『スキル』
「神聖魔法Lv.5」「回復魔法Lv.4」
『状態』
「栄養失調」「衰弱」
------------------------------------------------------
色々とまずいぞ。栄養失調に衰弱か。
「ご主人様、これは……」
「分かってる。すぐに『分離』するよ」
同じように解析したセリアが心配そうにリルを見る。言いたいことは分かるから即行動しよう。
きょとんとしているリルの額に手を当てて、【分離】と念じる。すると、額から大小2つの灰色の結晶が出てきた。解析してみると、「栄養失調」と「衰弱」だった。これで良し。リルの痩せこけた顔は少しふっくらとして、顔色も幾分かましになっている。
「……?」
「これは僕のスキルだよ。詳しくは言えないけどね。で、これがリルが弱っていた原因みたいなものさ」
2つの灰色の結晶をしげしげと見つめたリルは、口を動かした。
「……」ショボン
しゃべれないのは不便だな。原因は分からないけど、なんとかするか。
「ちょっと待ってて」
部屋を出て適当なウェイトレスに声をかけ、いらない木の板と木炭、それに布をもらって部屋に戻った。
「はい、これ」
「……?」
それらを渡されたリルは少し戸惑ったが、僕の意図を理解してくれて、木炭で木の板に文字を書き始めた。
『助けてくれて、ありがとうございました、あたしはリル・ツヴァイといいます』
「ルミナスに頼まれたからね。1回自己紹介したけど、改めて、僕は幸人。冒険者をしてるんだ」
「私は白狼族のセリアといいます。ご主人様、ええっと、ユキト様の奴隷です」
「私はエルフのユリウスよ。主に料理や御者をしてるわ」
「セリアも冒険者登録をしていて、僕達はDランクだ。で、こっちがケットシーのクロネで、こっちが黒銀狼のレオだ」
「にゃあ」
「がう!」
『みなさん、よろしくお願いします。それでですが、その結晶を破壊してくれませんか? これ以上見たくないんです』
そういうことね。
「悪いけど、無理だ。何でかは分からないけど、この結晶はどうやっても壊せないんだ」
『じゃあ……』
「だからさ、明日一緒に街の外に行って埋めよう?」
『外に行くんですか!?』
あれ、食いつくのそこ?
『まだ街の外に行ったことがないんです。だから楽しみなんです』
「分かった。だから、ちゃんと今日は寝るんだよ」
『はい! おやすみなさい!』
はしゃぐリルは寝られるわけもなく、『スリープ』を使う羽目になった。ぐっすりと眠ってらっしゃる。
寝顔をみんなで見ていると、ルミナスから通信が来た。
(リルをありがとうございました)
(どういたしまして。これからどうしたらいい?)
(まずはリルをちゃんと回復させてからですね動くのはその後です)
(分かった)
(ささやかなお礼ですが、スキルを進化させましょう)
(へえ、スキルも進化出来るんだ)
(もちろんです。では、いきますよ)
ピロリン ーー『解析眼』が進化して固有スキル『慧眼』になりましたーー
(慧眼?)
(はい。能力としては、解析、過去視、未来視、千里眼、心眼等です)
ほえぇ、すげえ。
「ご主人様?」
「ん、どうした?」
「あの、目が……」
「目がどうかした?」
「変です」
「変?」
「にゃあ」
変とは何だ変とは?
「自分で見てみればいいじゃない」
それもそうだな。
氷の鏡を作って自分の目を見てみると、白目だったところが宇宙のように黒の中に無数の小さな光があり、そして、黒目だったところは、色がころころ変わるお月様に。
………
「なんじゃこりゃあああああああああああ!?」
鋭い洞察力という意味で慧眼という言葉がありますが、それとは別と思ってくださいな。
感想や質問、誤字・脱字の指摘お待ちしています。




