討伐するようです。
「ここにロックリザードがいるのか」
僕達がやって来たのは、木が1本も生えてない、ゴツゴツした岩山だ。本当にこんな山にいるのかな?
「むしろ、このような山だからこそ棲んでいるのかもしれません。ロックリザードは鉱石を食べて生きていますから。木があれば邪魔なはずなので」
「なるほどね。それじゃあ、行こうか」
「はい」
山を散策していると、所々に穴やモグラ塚のような物があった。
「があう」
「匂うって、何が?」
「がうっ」
「穴から?」
「分かった。【反響定位】。」
レオが穴から何か匂うと言うから、『反響定位』で地下を探ってみると、地中に蟻の巣のようなものがあるのが分かった。その中に、大きな蜥蜴がたくさんいる。1匹がこちらに気付いてやってきた。
地面を突き破って出てきたのは、2m程の全身が岩で出来た大きな蜥蜴だ。こいつがロックリザードか。
「ゴオオオオオオ!」
「がうっ!」
「レオ、やりたいの?」
「がう!」
「オーケー。頑張りな」
やる気満々なレオにやらせてみる。
威嚇するロックリザードに、レオは一直線に走る。対峙するロックリザードは、動く気はないらしい。
「ゴオ!」
ロックリザードが吠えると、口から石の砲弾がレオに飛んだ。それを簡単に躱してロックリザードの横についた。
「良い位置取りですね」
「ああ。あれならロックリザードの尻尾や爪は当たらないだろうからな。さっき『ストーンシュート』を使ってたけど、口からしか放てないみたいだし」
「そのようですね。あ、終わったようですよ」
セリアと話しているうちに、レオはロックリザードの喉を噛み砕いてもたらしていた。無傷で尻尾をフリフリしている。
「よしよし、よくやったよ」
「がうっ♪」
頭を撫でると、嬉しそうに目を細めた。
「それじゃあ、僕達もやるか」
「はい!」
僕は重力で押し潰し、セリアは氷魔法で頭を穿ち貫いた。
今更だけど、獣人の魔法使いって珍しいよな。普通は身軽さを利用して、前衛につくと思うんだけどね。
「じゃあ帰るか……レオ、どうした?」
山頂を見てずっと何かを警戒している。特に何も見当たらないんだけど。
「グルルルルルル……」
結局、レオは山を下りるまで警戒したままだった。
*
「へぇ〜、そんなことがあったの」
宿に帰ってきてから、山であったことをユリウスに聞かせたら、こんな反応だった。
「レオが警戒するぐらいだから、何かあるのでしょうね」
「そうだと思うけど、街に帰ってくるまで何もなかったんだよ」
「何かあるとしたら、明日以降でしょうね」
その後は夕食を食べて、風呂に入り、夜になった。
「じゃ、リルを助けに行って来るね」
「行ってらっしゃいませ」
「見つかるんじゃないわよ」
2人の応援を受けて、部屋から出る。途中で、予め買っておいたローブとお面を身に付け、神殿に向かった。
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