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もう1つ頼まれ事をされるようです。

もう2月になりました。そろそろ花粉の時期です。毎日マスクの時期です。辛いなあ……

 セリアとユリウスを見た途端にぎゃあぎゃあ騒ぎだしたミル。

「ミル、2人は僕の仲間だ。変なことを言うな」

「どこが仲間なのですか? エルフのほうは分からないでもないですが、そちらの獣人は奴隷ではありませんか。まったく、穢らわしい。獣人奴隷のくせに綺麗な服を着るなど言語道断。もっとみずぼらしい格好をしなさい」

 セリアが今にも泣きそうな顔をしだした。

「おい、これ以上セリアを悪く言うなら、殺すぞ」

「やれるならやってごらんなさい。奴隷を仲間などとおっしゃる貴方にこの巫女である(わたくし)が殺されるはずがありませんので」

「……闇よ、悪夢を見せたまえ。【ナイトメア】」

 こいつの意味不明な思考回路に呆れながらも、闇魔法を発動。ミルはビクンと一瞬痙攣して、眠った。その場に崩れそうになるミルの体を支える。

 闇魔法Lv.4の『ナイトメア』は任意の対象に悪夢を見せる魔法だ。悪夢の内容は自由にカスタムできるから、今回は僕や亜人が何回もミルを殺す夢にしといた。普通に詠唱したから、2、3日は起きないはずだ。

「どうしてこんなやつが巫女になれたんだろうな……」

「がう?」

 ぽつりと誰にも聞こえないように呟いたら、レオにだけは聞こえたらしい。なんでもないよと言おうとしたら、頭の中に声が響いてきた。

(私がお答えしましょう)

 聞こえてきたのは柔和な声だ。

(誰? ゼウスでもフレイヤでもないみたいだけど)

(失礼しました。私はルミナスと申します。この世界の管理神でございます)

(あんたがルミナスか。それで、質問に答えてくれるんでしょ?)

(はい。ミルは、私が選んだ巫女ではありません。人が勝手に選んだ巫女です。私は、ミルの妹を選びました。ですが、人はそれを認めず、自分達の操りやすいミルを巫女にしたのです)

 うっわー、分かりやすいことで。

(ってことは、ミルは本物の巫女ではないと?)

(そういうことになります。そこで貴女様にお願いが1つあります。よろしいでしょうか?)

(……僕が出来ることなら)

(ありがとうございます。簡潔に申せば、ミルの妹、リルを救い出して欲しいのです)

 うん、読めたぞ。

(それって、ミルを選んだ人()からってこと?)

(はい。やつらは己の欲の為にミルを巫女に選びました。そのような輩がすることはただ1つでございます)

(本物の巫女であるリルを殺すこと、かな?)

(お察しの通りです。それは私にとっては困ることなのです。お願いします。リルをお助けください)

(分かった。やれるだけのことはやるよ)

(重ねてお礼を申し上げます)

(まだ助けられるとは分かってないのに、お礼を言われても困るよ)

(そうですね。では、助けた後にお礼を申し上げましよう。彼らはリルをゆっくり殺すことを選んだようなので、そこまで焦る必要はありません。ルミトナルについてからでも十分間に合いますので。では)

 ルミナスからの通信が途絶えた。めんどくさいことになったなあ…… 断ればよかったんだろうけど、あんな風に言われたからなあ……

「はあ……」

 僕の口からはため息が漏れるだけだった。

「ユキト?」

「ああ、ごめん。神様から通信入ってた」

「あんたも大変よね。それで、何があったの?」

 セリアとユリウスに事情を説明して、急いで準備をして馬車を出した。


 ミルにボロクソ言われて落ち込んでたセリアの機嫌を直すのは難しかったと言っておく。




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