冒険者になるようです。
ランキングに入ってみたいですねぇ…
お気に入り登録76件もありがとうございます!
窓から漏れる朝の光で僕は起きた。外から鳥の鳴き声が聞こえる。そして横には生まれた時の姿をしているセリアがいる。
そう、朝チュンだ。「朝チュンいえええぇえぇえぇえぇぇいいい!!!」なんて叫びたいけど、叫べない。
昨日は互いに初めてで、かなりギクシャクした。精神的に疲れたから1回で終わらせようと思ってたら、なんとセリアが何度も要求してくるのだ。それもかなり色っぽく。
もちろん断れるはずもなく、されるがままにヤった。疲れたらやめようとか思ってたけど、全く疲れなかった。
おかしいと思って、僕自身を解析してみたら、なんと自己再生が発動していたのだ。スタミナはHPに依存しているらしい。
結局、セリアが半ば失神する形で終わった。つまり、やり過ぎたんだ。理由は分からない。なんでなんだろう?
(ーー、………。 …ー…)
ん? 何か聞こえた気がするけど、気のせいみたいだ。
「んぅ……」
エロい声を出さないでください。さっさと起こそう。
「セリア」
「……ふぁ? あ、おはようございます……」
欠伸をしながら背伸びをしていると、メロンがぶるんぶるん。
「おはよう」
「おはようございます……」
ん? 元気がないようだけど、どうしたんだろ?どこか1点を見つめてるような……あ、
「朝からお元気ですね」
股間にテントが出来てました。クスクス笑わないでくれ。恥ずかしいじゃないか。
「体の調子はどう?」
「んーと、なんか引っかかってる感じがします」
しょうがあるまい。
「朝ご飯でも食べに行こうか」
「はい」
後で聞いたんだけど、奴隷には避妊魔法がかかってるらしい。良かった良かった。
「それじゃあ行ってくるね」
「行ってらっしゃいませ」
朝ご飯を食べた後、僕は冒険者登録をすることにした。金は稼がなければ。セリアは調子を整えるということで置いてきた。護衛役としてクロネを連れてるから大丈夫だろう。
そんなわけでやって来ました冒険者ギルド。木造の3階建てだ。アパートにしか見えない。中に入ると、案内図があった。
1階はクエストの完了報告。2階はクエストの受理と休憩所にその他。3階はギルド職員専用。
じゃあ2階に行けばいいのか。行ってみると、左側に休憩所、右側に掲示板、奥にカウンターがずらりと並んでた。空いてるカウンターを探すと、奥に一つ空いてた。
「クソガキがこんなとこに何の用だ?」
「冒険者登録だよ」
口悪いなこいつ。
「そうかい。じゃあ座れ、説明してやっから」
椅子に座ると、軋む音がした。
「まず冒険者は、誰かを助けることを目的に活動する。登録は無料だ。
次に冒険者はF〜Sの7つのランクに振り分けられる。これは適当なクエストを受けるためだな。ランク毎のクエストはこうだ。
Fランクは街中での仕事。
Eランクは街の外での採集。
Dランクは簡単な討伐やEランクでは行けない場所での採集。
Cランクは護衛や少し強い魔獣の討伐。
Bランクは危険な地域での魔獣の討伐。
Aランクになると大概の仕事はなくなって、人の手に負えない魔獣の討伐。
Sランクはこれまでに10人といないからな、本当に手に負えない魔獣の討伐。つっても、Sランクになると上級悪魔とかそういうレベルになるからほとんど仕事はねえよ。
ちなみに、Fランクで入門者、Eランクで初心者、Dランクで中級者、Cランクで上級者、Bランクでベテラン、Aランクで英雄、Sランクで勇者ってとこかな。
最初はFランクで、クエストをこなせば自ずとランクは上がる。当然、上のランクになればなるほどクエストの難易度は上がるけどな。
このランク付けは魔獣にも使っている。魔獣のランクが討伐するのに適正なランクってこった。
あと、1つ上のランクまでなら受けれる。命の保証はしないけどな。
あと、最後にクエストを完了させて1ヶ月たつと登録は抹消される。名前だけ冒険者になるのを防ぐためだ。怪我とかちゃんとした理由があれば期間を延長できる。ちゃんと理解できたか?」
「もちろん」
「ならこれに必要事項を書け」
出された羊皮紙にあるのは名前と年齢と性別だけだった。
「これだけでいいの?」
「偽名を使いたいってやつはいるし、クラスは自分で名乗るもんだからこれだけで十分なんだよ」
そういうことね。
「はい、できたよ」
「んじゃちょっと待っとけ」
パソコンに羊皮紙を見ながら何かを打ち込んでいる。ここにもパソコンあるんだな。
「パソコンって便利そうだね」
「そりゃあな。今まで羊皮紙に書いてたのが情報だけを残せるようになったんだ。革命だ革命」
「勇者様々だね」
「まあな。ほれ、出来たぞ」
渡されたのは1つの小さな金属板だ。
「これは?」
「それはギルドカードって言ってな、冒険者の証だ。これにはさっき羊皮紙に書いたことと、倒した魔獣の名前とレベルと数が記される。クエストの完了の時や身分証明書として使うんだよ」
「なるほどね。便利だ」
「便利なだけに再発行するには金がかかる。銀貨1枚だ」
「高っ!」
「しゃーねーよ。超貴重な金属を使ってるんだ。
それを転売なんかしてみろ、ものの半鐘で騎士団がすっ飛んできてこれだぞ」
首に手刀を当てて斬るジェスチャーをした。
「分かったよ」
「そうか。それじゃあギルドカードに魔力を流せ。それで登録は完了だ」
やってみると、カードに不思議な紋様が浮かんだ。何これ?
「それが魔力紋だ。1人1人違うから個人の証明になる。自分だけがそれに魔力を流せるようになってて、流したら魔力紋が動くんだ。他の人がいくらやっても絶対に動かん」
なるほど、指紋やDNAみたいなものか。
「これで登録は完了だ。死なないことを祈ってるぜ。せいぜい頑張りな」
適当に返事をしてカウンターを発った。掲示板を見てみよう。
見ると、ランク毎に分かれているのが分かった。僕はFランクの白の掲示板を見る。
「おいおい、こんなガキが冒険者になるのか? ヒャッヒャッヒャッ」
その時だった。後ろで声がしたのは。
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