神任の宿命
「テティ、」
カーテン越しに呼びかけたが、返事がない。
おそらくもう寝てしまったのであろうと、カーテンを少しまくって覗いて見たが、案の定その通りだった。
「……………、」
彼女の日本人に近い黒髪は、思わず親近感が湧いてしまう。
艶のある長いサイドテール?と言うのだろうか、幼げな顔立ちのわりには少し大人っぽい髪型である。
ふと目を逸らすと、彼女のスカートのポケットから、一枚の写真がはみ出ていた。
起こさないように静かに近寄って、手にとって見る。
「…家族写真……?」
いや、兄姉の写真だろうか。
彼女の黒髪によく似た二人の男女がテティを挟む形で並んでいる。
テティが随分と幼い頃の写真のようだ。
「その写真に写っているのは、お兄ちゃんと、お姉ちゃんだよ。」
「……………、起こした?」
「………うん。」
「…あのね、今日のお昼頃に学校長のランスロットさんから聞いたんだ、京くんも私と同じ神任の家系なんだね。」
テティもあの人に呼び出されていたのか。
「私の家系はね、兄妹で代々受け継いでいくんだ。それで、今はお兄ちゃんが憑依体の器になってくれてるんだけど……。」
兄妹で……?
「………なら、お姉さんは……、」
「……そう、お姉ちゃんはもう死んでるよ。」
「………… 、そうか、」
神任の家系の宿命である。
媒体に憑いた神は、その器の命が亡くならなければ、決して出ていくことは無い。
つまり、神任の家系には、家族の死がつきまとうのだ。
「………すみません、変な話しを、してしまって。」
「いや、勝手に見た僕が悪いよ、」
「……それもそうですね。」
テティはクスッと笑った。




