第16話 激突! 闇の演歌道(えんかロード)と、禁断のぴょんぴょん餅
バルバロ四天王エグゾダズンの昇天から一夜明け、ケンジの納屋には不穏な津三味線の音色、が響いていた。
霧の中から現れたのは、全身を黒い着物で包み、背中に大きな「祭」の文字を背負った、四天王3人目の刺客――「ゴブリン・サブちゃん」**だった。
「ヘイヘイホウ、アリーシャ姫……。チーズとやらで、我が同胞をたぶらかした罪、万死に値する。今宵、この私と、どちらの魂が震えるか、勝負だ……!」
ゴブリン•サブちゃんがマイク(型、超振動兵器)を握ると、周囲に巨大な**「北国の漁場」**の幻影が出現。荒波が納屋を飲み込もうとする!
「うわああ! 納屋が! 俺の冬タイヤの保管場所が流されるー!」
ケンジが叫ぶがゴブリン•サブちゃんの圧倒的な声量に吹き飛ばされる。
「おのれ、次は演歌か! シャノン、ラパン、マリーシャ、行けっ!」
アリーシャの号令で三人が飛び出すが、ゴブリン•サブちゃんの「与作石化ビーム」が炸裂。
「ヘイヘイホー!」
「……っ! 体が勝手に……木を切る動きを……!」
シャノンとマリーシャは、強制的にキコリのポーズで石化し固められてしまった。
「残るはアリーシャ、貴様だけだ! 祭りだ祭りだ、地獄の祭りだ!」
ゴブリン•サブちゃんがトドメの『デスまつり』を歌おうとしたその時、ケンジが懐から**「北秋田名物・バター餅」と、なぜか「白いフリフリのドレス」**をTEMU の箱から取り出した。
「アリーシャ! これを食って、この衣装を着ろ! 岩手と秋田の県境のパワー、そして『歌の聖母』の力を借りるんだべ!」
「これは……餅の中にバターが練り込まれているのか? なんという背徳的な柔らかさ……!」
アリーシャがバター餅を口にした瞬間、彼女の背後に後光が差し、金髪のロン毛がみるみるうちに**「圧倒的な聖母のオーラ」**を纏った。
アリーシャはドレスを翻し、ラパン(ウサギ)を抱き上げると、国民的歌手・咲岩みひろのモノマネで歌い出した。
「……さあ、眠りなさい。疲れ切った体を……投げ出して……」
「な、何ィ!? その透き通るようなハイトーンは……! 私のデス演歌を浄化していく……!」
「聖母の子守り歌・バター餅Ver.」の衝撃波が、サブちゃんの鼻の穴を塞ぐ!
「アデュー、デス演歌の怪人。次は紅白で会いましょう」
「ぎゃああああ! 鼻があ、鼻にバター餅が詰まって……気持ちいいいい(昇天)!」
ゴブリン•サブちゃんは、演歌の花道を通って銀河の彼方へ消えていった。
戦い終わり、一同はバター餅のあまりの柔らかさに、心も体も「ぴょんぴょん」跳ねていた。
「ケンジ! この餅、時間が経っても固くならぬとは……魔法か? 魔法なのか!?」
「それが岩手の隣、秋田の知恵だべ。さあ、今日はこの勢いで新曲だ!」
ケンジがポチった**「10万ボルトのレーザー演出機(中古)」**が夜空を刺す!
今夜のユニットは、ラパンのセンター曲だ!
楽曲:『ぴょん・ぴょん・銀河・エクスプレス』
【Intro】
(3, 2, 1, Jump!)
(Hop! Step! Milky Way!)
【1A】
耳をピンと立てて 受信するの
シリウスからの 甘い招待状
ピンクのボブが アンテナ代わり
退屈な夜を ハッキングしちゃうよ!
(ラパン:ぴょんぴょん!)
【1B】
バター餅食べたら 重力なんて
どこかへ飛んでけ バイバイキーン!
(マリーシャ:知らんけど!)
(シャノン:シャーッ!)
繋いだ手と手 離さないでね
ロケットエンジン 点火5秒前!
【Chorus】
ぴょん・ぴょん! 跳ねて 銀河の果てまで
お砂糖の星屑 ばら撒いちゃえ!
君のハートに ダイレクト・アタック
とろける笑顔は 特等席だよ
Super Shiny! (Shiny!) 奇跡みたいに
小岩井のミルクで 乾杯しよう
明日も絶対 ハッピーになれる
ミラクル・ウサギ・ディスコ! (Yeah!)
「……ふぅ。今日もいい曲が書けたべ」
ケンジがNISAの1部解約金の手続きを検討しながら空を見上げると、北斗七星の横に、怒りに震える最後の四天王の影が見えた。
「おのれ……。演歌の力まで封じるとは。だが最後の一人、魔界歌手**「デラフレシアン」が、サソリの毒をお見舞いするわよ。
「……なんか次は辛そうだな。アリーシャ、次は盛岡冷麺の出番かもな」
「冷麺だと? ケンジ、早くその『麺』とやらを余に献上せぬか!」
ケンジの財布は既に氷点下だが、異世界美少女たちの食欲と歌声は止まらない。




