第4話 -ニートの[俺]が勇者ってマジ!?-
ここは何処なんだ?]
潤が目を覚ますと、そこは全てが真っ白な空間に立っている事に気がついた。
[確か、俺はあの横断歩道で自動車に跳ね飛ばされて即死級のダメージを食らって意識がなくなったはずだよな?]
思考を張り巡らせてみて、ようやく自分自身が置かれている状況に辿りつく。
[ここは死後の世界か?]
それしか無いなと考える。
[ん?]
真っ白な空間であるこの世界から、自分の遥か前方からこちらに向かって歩みを進めてくる人影があった。
潤は、目を凝らして見てみると彼より背が高く、背中の中心まであろうかという長髪を靡かせ凛とした雰囲気を醸し出しながら、こちらに向かってくる。おそらく女性だろうという推測に至った。
[何なんだ?あいつ?]
潤は、少し緊張感を持ちながらも後ずさることはせず、それを見据えていた。
そして、その人物が目の前まで現れた。
潤の考えは的中し、その人物は女性で年齢は恐らく27歳前後であり、髪は漆黒に近い茶髪であり、潤より背丈も5cm近く高いであろう印象を受けた。
そして何より目を引くのが、その双眸である。直視しただけで全てを見透かされているような気さえしてくる。
顔全体の印象を付けるならば、おそらく世間一般では美人の類に分類されるだろうと潤は思った。
その美人が、呆然としている潤に対して口を開く。
[お前が死んだのは運命だった。そしてここにいるのもそれと同義だ]
潤は、こいつは何を言ってるんだ?ともはや俗にいう電波女か?それともギャルゲーの世界にでも入りこんでしまったのか?と思考を巡らす。
そして、潤も考えたのち、話し始める。
[意味分かんねー事言ってんじゃねーよ。なにが運命だよ?そんなの信じないもんねー]
だが、潤の返答は虚しく彼女は言葉を続けていく。
[お前自身が何と考えようとこれは変えられない事実だ。それは受け入れるしかない。
お前が何でここにいるかだが、このまま無に帰す訳ではない。]
潤は彼女が言おうとしている事が、皆目見当がつかない。
[多田潤、お前には第二の人生を歩んでいってもらう]
何で半ば強制的なんだよ?と感じながらも潤は、彼女の言葉を待つ。
[転生という言葉を耳にした事はあるか?]
潤は、その言葉にこう返答する。
[ああ、聞いたことはある。つまり生まれ変わるって事だろ?ゲームとかラノベ知識だけどな。]
彼女は頷く。
[多少は理解があるようだな。話が早くて助かるよ。お前には今から魔王討伐の勇者様になってもらう]
そう告げると[ウィン]は多田潤の次の言葉を待った。




