藍の花
僕の中学校は冬になるとバスに乗れた。そこで僕は毎日毎日まぶたをあげながらその時を待っていた。白い肌、藍色のコート、白髪の多い髪、13、4とは思えないほどの指、丸く整えられた爪、時々後ろから聞こえてくる楽しそうな笑い声、だけどおりるときには低い声で「ありがとうございました。」と雪よりも冷たく一言発して去っていくその人に寝かされて毎日帰って行った。
夜になると僕とその人は時々体を重ねる。時にはあの人が跳ねたり時に僕が振ったりそんな事を考えつつ寝て、またあの人を思いながらまぶたをあげていると世界に飽きているような顔をして冷たく「お願いします」とだけ言ってまた僕を寝かす。そんなある日あの人は僕の事を寝かさなくなった。