1回目の訪問
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主人公は30代半ばの一般的なしがないサラリーマン(狭間翔:ハザマカケル)。
普段から都内から電車で2時間離れた場所から会社へ通勤していた。
大学を卒業後その会社へ入社し、同じ路線で変わりなく通勤していた。
今日は、ある駅と駅の間でこれまでに見たことのない景色の場所を列車が走っているのに気づきそして、何もない荒野に停車した。
駅とは呼べない荒野の真ん中に数件家があるような場所に停車した。
ばっ!(突然、空中から人?なのか何なのか。ピエロ風の何かが現れる)
「おめでとうございます。異世界へようこそ。あなたは、100万人の中の1人に選ばれたラッキーな方です。
この異世界で1時間、自由にお過ごしください。この間であれば何をしても自由、どこに行っても自由でございます。
ただし!!1時間を過ぎないように気を付けてください。この場所に必ず戻ってきてください。では、お楽しみタイムスタート!!」
ばっ!!
「え?ちょっとまって~それだけ??」
ピエロ風の人のような何かは、突然現れたかと思ったら定型文のような説明のみ行ってまた、どこかにばっと消えてしまった。
異世界とは話していたが、辺りを見渡しても見知らぬ光景であるし、現代文明のカエラもない。
本当に異世界に来たことは、一目瞭然であった。
「何してもいいと言われてもな・・・一時間か・・・会社遅刻しちゃうな」
独り言のようにつぶやき、途方に暮れる。
1時間は、長いようで短い。そして、何より1時間もここで停車していたら、会社へ遅刻してしまう。
カケルは、とりあえず電車の座席から立ち上がり外に出てみる。
電車からの風景とあまり変わらない。荒野が続く世界に見える。
異世界なのかどうなのかは、雰囲気でしかわからない。人もいないし何もない。
滞在できる時間は1時間ということで、時間が気になりスマホを見て見る。
予想通り、電波は届いていないようだ。そして、そのスマホの時計はいつも通るある駅を過ぎる時間から動いていないようだった。
「時間が止まってる?どうやって1時間がわかるんだ??」
カケルは、頭の中で混乱している。
辺りに時計らしいものはない。色々見ているうちに、自分の手の甲にカウントダウンしている数字の記載があった。
「この時間がゼロになると電車が行ってしまうのだろう。あと、40分か・・・」
少し状況が掴めて、嬉しかった。
この世界に来たばかり自由に過ごすも何をしてよいものやら。
辺りを見渡しても興味がありそうなものは目に映らない荒野ばかり、時間制限という縛りの中の恐怖で電車の中に戻り元の場所に座ることにした。
電車の中で5分ぐらい過ぎたのだろうか、遠くの方から地響きと同時に巨大な影がこちらに迫ってくるのが見えた。
多分巨大な魔物なのだろう。
カケルはビビッて動くことができない。現代社会では見ることができない謎の生き物。
体調は、3m~4mぐらいあり、肌の色は青。武器なのか5mぐらいの大木をへし折っただけの棒のようなものを持っている。
獲物を探しているのか、辺りをきょろきょろしながらこちらに迫ってくる。
「なんだ、あの生き物、この世界はすごいな。・・・」
ぼそりとつぶやくが、瞬時に音を出したことで気づかれないか不安になり、口を手で塞ぐ。
カケルは、映画やアニメでしか見たことが無い巨大な生物が目の前にいることに大変驚いたが、身の危険も感じた。
この場所は安全なのか、破壊された場合元の世界に戻ることができるのかなど、脳裏をよぎる。
荒野の真ん中に見慣れない電車がポツンとあるはず。魔物からもかなり目立つものだろう。
向こうの魔物からこちらがどう見えるのかは、カケルからはわからないため、かなり心配になった。
しばらくすると、目立つからなのかかなり近くまで魔物が近寄ってきた。
本当にまじかで見る魔物は、大きく迫力がある。少し手を伸ばせば触れられる距離にまで近づいている。
カケルは、死の恐怖のあまり縮こまり息を潜める。しかし、臨場感あふれる体験に心臓の音が聞こえてしまうのではないかというぐらい興奮もしている。
見つかってしまっては殺される可能性もあるから、緊張感も掛け合わされる。
時間にしてどのぐらい経ったかわからないが、魔物は、付近を探している様子ではあったが、こちらには、全く気付くことはなかった。
気が付くとあっという間に、魔物は猛スピードで彼方へ去って行った。
「助かった。」
長い間の緊張感から解放され、安堵した。
体からは、怪しい脂汗が吹き出し恐怖体験をしていたことが分かる。
気づけば、あっという間に1時間が過ぎようとしていた。
でも、電車の中であるため、カケルは慌てることなく電車が発車し現実世界へ戻ることができた。
最初にスマホを見た通り、現実世界では、時間の経過はなかった。