54.5話<extra1> 擬聖剣の出所は?
今回のextraパートはな・な・なんと二本立て!!……って言っても二つに深く繋がりがある訳じゃないので、料理コンテスト編内に入れられなかった小噺をお届けします。
さてさてextra1ですが……短めだし特にこの話で重要な事実がーとかそういうのはあまりないです。勿体ぶってる割に……って感じでしょうか
擬聖剣に関する深い情報は、また今度に……ね?
何やかんやで『災厄』と呼ばれるようになったゴーレムもどきの襲撃から約二週間が経過した。
街の復興自体はまだまだ途中だけど、人々の活気は完全に以前と同等レベルまで回復……いや、下手したらそれ以上に活気あるんじゃね?
一番先頭に立って復旧活動に尽力していたのは、憲兵のレオンさんとあのヘイヴンしてた焼き菓子屋の店主だ。先導力凄そう……。
二人の尽力もあってか、数日前には配給の必要なしと判断され、俺達も撤収した。流石に連勤は疲れたぜ……。
そんな訳で、今日から数日間は疲れを癒すべく、冒険者活動は一時休業。全力でぬくぬくするぞーっ!!
◆◇◆
「はぁ……」
今日何回目の溜息だろう……。数えたらキリがないな。
いや、何かモヤモヤするんだよね。何かこう、ずっと大事な事を聞きそびれているというか……。あ。
「ペイル〜」
「はい?」
物凄く間延びした声で呼んでみれば、これまた緩〜い返事が返ってきた。俺らぬくぬくしすぎやなぁ……。いやそんな事はいいんだよ。
「お前のその擬聖剣の出所が知りたいんだけど」
「あー……知りたいですか?」
えっ何その「実は海より深い事情があって……」みたいなノリ。どうせ海より深かろうが潜って力づくで引っ張り出してやるから勿体ぶっても意味ないんだけど。
「実はですね……かなり昔に親父から貰ったモノなんで、貰った理由とか出所はよく分からないんですよねぇ」
「何で分かんねーんだよ。ちゃんと聞いとけよ」
「えぇ……?」
久々にノンタイムで鋭いツッコミが炸裂してしまったぜ……。
「微妙に覚えてることとかないのか?」
「うーん……親戚から貰ったとか、お前にしか合わないからあげるとか……言ってたような言ってなかったような……?」
「出所も理由もハッキリ言ってるじゃねーか!!」
「え……あぁ!?」
うん、人の話はちゃんと聞いて理解しようね。狼耳のお兄さんとの約束だぞ!!
まあいいや。ずっと気になってたモヤモヤが晴れたし、久々にツッコミに回れたから少しスッキリした。
「よっしゃ、ずっと休んでても身体が訛っちゃうし模擬戦でもするか! 擬聖剣の実力も把握しとかないとだしな!!」
「いいですね! 今日は本気で行きますよ!!」
「あんまり本気すぎると家ぶっ壊れるかもしれないから自重はして」