2話
光り出した杖、いや、光っている杖を杖と言えようか?
否、断じて否である。
光っている杖は杖ではない!
「管理者を登録しました」
んん?人の声?ずいぶん機械的な…声ではあるんだけど
「管理者には権限があります」
そう光り輝く棒は言った。
機械っぽい声で
それと同時に、頭に何かが入って来る
こいつ、直接脳内に…!
どうやら頭に入ってきたのは、メニュー表のようなものだった
召喚
人間 低 100
人間 中 500
人間 高 1000
人間 乱 1000000(初回 10000)
鼠 低×100 100
鼠 高×10 100
鼠 超 100
所持 10100(最大500000)
いや、メニュー表…なるほど、我ながら言い得て妙である。
「しかし、どういうことなんだ?」
もう大概のことでは驚かなくなってきた。
これは夢なんだ、そうに決まってる。
現実逃避?
現実的にあり得ないことが起きてるのに現実逃避とな。
「管理者、指示はありますか?」
これは!会話のチャンス
「あの、ここはどこで、俺は何者で、一体この世界は?」
「ここはファキ山、山頂付近の洞窟、あなたはこの洞窟の管理者です。この世界は?という質問には分からないと回答します」
さっぱり分からない。
「まあいいや、今更分かったところでどうにもならない。管理者とはどういうことだ?」
「管理者、あなたはこの洞窟の管理人です。ご自由にお使いください。これはダンジョンプロジェクトにおける決まりであり、あなたが死ぬまでこの洞窟はあなたの物です」
ダンジョン、意味的に考えれば地下牢
だが、もっとも…もっとも当てはまるのはRPGの迷路だろう
「なるほど、で、俺は何をするんだ?」
杖がふわふわと上下している。
そういや、この洞窟も明るくなったものだ、わしが生まれた時にはなぁ闇に閉ざされた、雪の牢獄だったのじゃ
「管理者は洞窟を管理します、あるいはそれを放棄しても構いません。しかし洞窟が他の者に占拠された場合」
「場合?」
「あなたは消滅します」
「?消滅?いや、ちょっと待て、占拠ってなんだ、消滅ってなんだ?訳がわからないぞ、そもそも管理者になった覚えは…なった覚えは…おい、過去の俺、今度ばかりは俺のせいじゃないとか言ってた俺、いや、お前のせいだよ、ふざけんなよ、バッカじゃねーの?」
「ご理解いただきありがとうございます。では、説明に入ります。管理者は人や獣、物の召喚、洞窟の改造、固有スキルの3点を魔力消費によって行えます。補足しますと、魔力は10日間で全回復します。なお、初期では召喚などに制限がかけられています。時間経過や成果によって解放されます。
次に、占拠についてです。具体的には玉座、さらに杖が奪取された場合、占拠されたと判断します。
他にもフィールドが修復不可能な被害を受けた場合、侵攻が半分以上された場合も占拠されたと判断します
洞窟の改造ですが、トラップは対個人用でなければいけないし、管理者自身が攻略可能でなければいけません。
召喚や改造につきましては、杖に言うことで実行できます。」
「はぁ、なるほど、ところで頭の中の情報には召喚しかないと思われるのだが?早速不具合かね、君」
「いいえ、制限がかかっているからです」
バグではなく、仕様です。
クソゲーって大体こんな感じだよな