その毛何処の毛
女はいくつになっても、美しくいたい。勿論、脱毛は欠かせない。
「最近、毛深くなって、歳をとると女性ホルモンが少なくなるからねぇ」と和子が言った。
「あら、そのうち毛深くなって猿になるかもよ」と私がからかった。
ついでに薀蓄も披露することにした。「猿は賢くても人間にはなれないの。何故だかわかる?、だって毛が三本足り無いからよ」
「その話、美佳ちゃんに教えるわ」
翌日、和子は美佳に「猿は賢くなってはいけないらしいわ。毛が三本しか生え無いから」と話していた。
私達の仕事は、申し送りが大切だ。 情報を正確に伝え共用する。
「 203号の塩田さん」「塩田じゃなくて、塩江さんでしょう」と美佳。
「 違う塩野さん」と私が訂正した。
「違うわよ、塩屋さんよ」と和子
こうなると、合ってるのは塩だけの様だ。
本人が来た。「あのう塩田です。採血お願いします」
私達は、歳をって毛深くなった。脱毛は大切だ、身だしなみとして、しかし
大切な毛までも脱毛してしまったのではないか?
クスッと笑って下さい。