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高校区間と武器

最近、私生活が忙しくなってきました。

更新スピードは落ちるかもしれません。


就職活動やらテストや卒業研究やら、殺す気か!



「す、すみませんすみません!」


「あ~……大丈夫だから。あんまり気にしないで」


 茶髪の女の子が、私に向って一生懸命に腰を折って謝っていた。ふんわりとした長髪が、風と踊るように揺れる。


 高校区画に入った途端に、私は目の前の少女に連行された。連行場所は正門のすぐ近くで、さながら詰所と言った所だろう。教師に連絡しようとする少女を必至で止め、30分ぐらい説得した。新品の学生証を見せ、先ほど納得してもらったばかりだ。


 頭を下げる彼女があまりにも不憫で、私は気にしていないアピールでヒラヒラと手を振る。そんな態度に女の子は、ほっと安堵した表情をした。


 かわいいなぁ~。


 女の私でもそう思う可憐さだ。肌にはシミ一つなく、まるで陶器のように透明感がある。眼はクリンと大きく、少し小柄な体型に良く似合ってた。まぁ、間違いなく純粋な日本人ではないだろう。瞳が少しグレーがかってるし。


 私は荷物を手に取った。


「じゃぁ、私はそろそろ行くから」


「あっ、待ってください!」


 えっ、まだ何か?


 女の子は申し訳なさそうに、上目使いにこちらを見つめてきた。これで落ちない男はいない。たぶん。


「あ、あの……案内させてくれませんか?色々迷惑をかけてしまったし、そろそろ交代の時間ですので」


 ラッキー。


 やはり、これからの護衛任務をするとなれば、学園の地形を細かく頭に入れておく必要がある。後で本格的に回るが、今から軽く調査するのもわるくないだろう。それに、向こうから言ってくるとは都合が良い。


「うん、願ってもないことだよ。お願いね」


 私がそう言うと、女の子はぱぁっと顔を明るくして「ありがとうございます!」とお礼を言ってきた。お礼を言うのはこちら何だけど。


 しばらくしてきた別の風紀委員の子に後を任せ、私と女の子は連れ立って歩き出す。


「まず、荷物を置きたいですよね。寮の方へ案内します」


 ニコリと笑う少女は、きっと男子たちにモテモテだろう。少女が先に歩き、その少し後ろを私が付いていく。


 ――――――月上(つきかみ) 緋乃夜(ひのよ)


 私はこの少女の名前を知っていた。別に月上が名乗ったわけではない。月上という苗字は十二家に所属している家の名前であり、私の護衛対象の一人だ。日本人とドイツ人のハーフらしい。


 利用したみたいで少し心苦しいが、これも仕事だ。汚い方法はやりなれている。


 ――――――それでも、呼吸が苦しくなるような感覚は慣れない。








「……疲れた」


 私は月上の案内を終えて、寮の部屋にいた。


 えっ、展開が早いって?ちっちゃいことは気にするな。それワカ……これ以上は駄目かな。


 ちなみに、大まかな施設の場所はこんな感じ


 右――――――グランド、体育館、室内プール、模擬・魔法練習場、など体を動かす施設。


 中央の下――――――男子寮。


 中央の真ん中――――――H型の校舎


 中央の上――――――女子寮。


 左――――――文化部の部室棟、闘技場。


 と、こんな感じだ。


 闘技場なんて何に使う気なんだろう。


 ベットにすとんと座り、眼下にある複数の段ボールと刀に視線を向ける。


 私の寮の部屋はこの318号室だ。ベットやタンス、冷蔵庫、机とそれに付属する椅子は標準で置いてある。簡易キッチン、シャワーやトイレもあり、シャワーとトイレは別。一部屋しかないが、そこらのマンションよりも絶対広い。しかも一人部屋。なんて贅沢。


 今日は一日中歩きっ放しだったので疲労は溜まっているが、明日からの活動のため荷物を整理しよう。


 ほとんどの荷物は宅配便で送ったので、手持ちはキャリーバック一つでだったが、こうみると案外多い。


 黒い鞘に収めている刀を手に取り、少し魔力を込めてみる。すると、刀はみるみる変形を始め、黒い十字架のネックレスに姿を変えた。この刀には格の魔力が定着されていて、私の魔力だけを感知して形を変えるようになっている。普通、魔法を自分とは違う物体に定着させるのは、数人がかりの高ランク魔法使いで行う。


 ネックレスを首にかけ、次に一番小さい段ボールを引き寄せる。段ボールは見た目と反してずっしりと重い。段ボールより一回り小さい金属のケースが入っており、その鍵穴にネックレスの十字架を差し込んだ。カキンと乾いた音が鳴った。次はケースを開けると、そこには分解された鉄のパーツがある。パーツを手に取り、いつもと同じように組み立てていく。


 20秒ほどで組み立てたものは“デザートイーグル”だ。自動拳銃の中ではかなりの重量級に入るが、その威力は世界成功。反動はかなりのものだが、これは日頃の訓練と慣れで克服した。


 別の段ボールからホルスターを取り出し、デザートイーグルをそれに納めて直に胴体に巻きつけた。


「よっ、と」


 革のひんやりとした冷たさが、少し気持ちいい。


 窓から外を見ると、空はすでに赤く染まっていた。学園の調査はまた明日にしよう。こんなに警備が厳しかったら相手も簡単には手は出せないし、何より疲れた体での仕事は危険だ。


 私はふかふかのベットに潜り込み、その意識はすぐに闇の向こうに消えていった。

感想・誤字の指摘など待っています。


銃と刀って男のロマンですよね。

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