予選開始と不安
量が少ないのに、更新が遅くてすみません。
毎日更新している人はすごいですね。尊敬しています。
「じゃ、昨日の今日だが予選始めるぞ。一回戦は五分後から開始する。該当している班は、よく準備をしておけ。他の奴らは観客席で観戦だ。人の戦いも参考になるから、しっかりと見ておくように。あと、EクラスもFクラスも喧嘩しないようにな。EクラスはAコート、FクラスはBコートだぞ。では、移動してくれ」
教師がそう言うと、生徒たちの多くは二階の観客席に移動を始める。一階に残っている生徒は、今から模擬戦闘をする生徒だろう。集まって真剣な顔をして何かを話していたり、軽く体を伸ばしている者もいる。見たことのない生徒はEクラスだろう。
「なに呆けてんだ?早く上に行こうぜ」
生徒たちを観察していたら、いつの間にか立ち止まっていたらしい。桜が私の肩に手を置き、指で二階の観客席を指差した。私は首を動かして頷くと、桜と共に二階へと移動する。
模擬・魔法練習場。
それが、今私たちがいる場所だ。その名の通り魔法などの実践的なことを学ぶための施設で、授業や昼休み、放課後などに生徒が利用しているらしい。施設には最高クラスの防御結界が張られており、人、観客席と練習場の境目、施設の外側と重ねて発動している。しかし、人に対しては防御レベルが低く設定してあり、派手な怪我はしないが場合によっては骨折などをしてしまう。そのため、この施設を利用する際には保健医の監視が必要となる。施設自体は体育館に良く似た造りだが、明らかに規模が違う。運動場より一回り程大きいだろうか。
「お、ちょうど前が空いてんじゃん。ここ座ろうぜ」
桜は私の返事を聞かずにさっさと席に座った。人によっては不愉快に感じるであろうその行動に、苦笑いを浮かべながら彼女の隣に腰を下ろす。
「昨日に班を決めて、今日に予選か。いくら何でも急じゃない?」
戦闘が楽しみで仕方ないのか、いつもより目をギラギラさせている桜に問いかけてみる。
「お前にとってはな。でも、ほとんどの奴らが皇祭に本気で、結構前から班を組んでいる奴もいるんだ」
「この時期はクラス替えがあるじゃない」
「この学園のクラス替えはほとんど機能しないだろ。成績主義ってのも、こういう面で見りゃ良いのかもな。それに、EクラスとFクラスに関しては関心が薄いだけだぞ」
「それってどういう意味?」
「皇祭ってのは、外部の人間も招待して開かれているんだ。もちろん来賓も呼ばれる。その中には軍部のトップや、研究所のお偉いさん方も来る。生徒にとっては絶好のアピールポイントになるんだが、決勝戦に残るのはSクラスやAクラスなんだよ。当然、決勝戦は高レベルの戦いでな。一回戦敗退の常連客、EクラスやFクラスは前座ってところだ。だから、予選の準備期間はほとんど用意されない」
「へぇ~……って、ちょっと待って。今、Sクラスって言った?」
「おう」
桜は鷹揚に頷く。
「Sクラスは成績上位5人を班としているんだ。予選はないし、本戦までの準備期間は十分にある。皇祭を簡単に説明すると、Sクラスのための企画だ。実際、ここ何年かはSクラスしか優勝してないしな。まぁ、だからと言って他のクラスも手を抜くこともないぜ。SやAクラスに一矢報いるだけで、結構話題になったりするからな。下位のクラスも本気になる」
桜の説明を聞いて周囲を見渡すと、確かに、ほとんどの者が真剣な顔をして何かを話していた。ん?っじゃあ私たちの班は?
私は残りの三人を探す。施設は大きいし、EとFクラスがいるため人が多いが、私にとっては何の問題はない。と、発見。真鍋さんは隅っこの席の方で、堂々と携帯電話を弄っている。教師にバレないのか?双子は対面にある観客席で、横腹の突き合いをしていた。うん、あれならレズ姉妹と言われても仕方のないことだろう。
「ね、ねぇ。私たちは集まらなくていいの?」
ちょっと不安になってきた私は、少し情けない声を出しながら桜の顔を覗き込んだ。彼女は私の言葉にクハッ!と何とも言えない笑い声を発した。
「無理無理。オレたちは結局、クラスの外れ者だからな。一人一人個性が強くて、まるで話し合いにならねぇ」
中々不吉なことを言う。次は私たちの試合なんだけど、大丈夫かな?
私が頭を抱えて思考に耽っていると、第一試合開始の合図が鳴った。
「やっと始まったか……いいぞ、やれ殺れー!!」
そんな私の気持ちを察することもなく、隣の友人は腕を振り上げて試合を煽っていた。
今更なんですが、お気に入り登録や、評価をして下さっている方々、誠にありがとうございます。私は精神面が恐ろしく弱いので、かなり励みになっています。
でも、最近は「おもしろくない」と言う感想がいつくるか、結構びびっています。
それと、活動報告は書いた方がいいのかな~と思っています。私の活動報告しても、見る人っているんですかね?
感想・誤字の指摘など待っています。
わざわざ時間をかけて私の小説を読んで下さって、ありがとうございます。




