第5話 飲みサー男とぶりっ子
〜二トア国首都ヤールノット〜
「この人ーホンマに当主直属の護衛やったんかー?」
グタリと転がっているクダの“上半身”に座り込むナガは呆れながらそう言った。クダの頭を踏みながら、ナガは1人、喋り続ける。
「いくら元だといってもさーあんだけ乗り込む気満々だったのに、瞬殺ってなんだよー」
呆れた顔をしながら立ち上がり辺り一面に散らばった四肢をけんけんぱしながら踏み歩き始める。頭の中で期待した俺が悪かったなーと繰り返し欠伸をしながら野太い声で言った。
「かえろー」
そう言ってナガは1人も生きていないヤールノットを後にした。
〜魔領域の村タカト視点〜
「というわけで!今日からイロセがウキドイに入ることになった!」
「は?」「はぁ?」
パボラとハモリながら答える俺たちに赤髪の長髪男は深々と頭を下げたり、丁寧な口調で自己紹介したりなどは一切せず、ただ笑顔を作り一言
「イロセっす!よろしくお願いします!」
俺はこの一言と雰囲気を見てビビビッと来てしまった。こいつ…俺の嫌いな陽キャタイプだ…なんか明るいし…俺が生理的に受け付けないウェイウェイの飲みサーにいる人だ…大学行った事ないけど……
「ちょっと待てぇ… タカトの時はみんなで決めたからいいがぁ、副リーダーの俺のいない今回はすぐに認めたりはできんぞぉ…」
いいこと言うなパボラ、癖のせいで相席○堂みたいになってるけど…
「正確にはウィルダネスウルフを狩るまでだけどね!」
「?…。どういうことですか?」
「あんたらを待ってたらこいつもウィルダネスウルフを狩りに行くことがわかってね、一緒に飲んでみたら結構話があったから…そのまま成り行き的なね!」
説明になっていない…そしてやはり飲みサー野郎だったか…
「まぁそういうことならぁ断る理由もないぃ」
いいんかい…!まじか俺だけそういうことを理解できてないぞ…
こうしてウキドイに新たなメンバー、イロセが加わった
ー獣領域 多大山地下の渓谷ー
獣領域の半分は多大山という四界で一番大きな山が占めている。その山は大陸の中にあるひとつの島国と言えるほど大きく今では多くの種族が暮らしている。
そんなに山の地下には巨大な渓谷が作られている。
「戻りましたー」
「あ、ナガ先輩♡おかえりなさい!」
相変わらず語尾に♡をつけてくるあざとい後輩をシカトしながら仕事の結果を伝える。
「ヤールノットは壊滅ー特攻隊も全員殺しましたー」
「え!?もう片付けちゃったんですか?先輩♡一日で終わらせちゃうなんて…かっこいいなぁ♡」
「そうか、ご苦労さま…と言いたいところだが引き続き殺しに行って欲しい者がいるんだ」
「帰ってきてすぐ?!先輩♡ふぁいとです!」
もう一度殺しに行くのわいいが、後輩がうるさい。
「安心しろ、シワス。お前も一緒に行ってもらう…」
「えー…こいつも連れてくんすかー?」
「先輩ひどいー!」
「まーさっさとおわらせてくればええかーほんで、誰を殺しにいけばええんですかー」
「えー仕事終わったらそのままデート行きましょうよ〜」と駄々をこねるシワスを2人とも無視し、手に"1"と刻まれた男がナガの問に答える。
「元カリメラ王国王女。リーブ家の血を引いてしまった可哀想な女を殺してこい、名はユイナ・リーブ」
一日一話は完成度悪いので月、水、金にあげることにします。すまん