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ちょっと長めです
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さて、実は流石に黙ってやられておくわけにはいかないと、ファステナは魔道具で映像やら言われたことやらをしっかり保存していた。セレネリア王国では魔道具の使用はあまり好まれていないが一応流通はされていることを前世の記憶のおかげで知っていたのは暁光だったと思う。
あの義姉様達がそれを知らなかったのもある種助かったことではある。机の上に置いてあった大きなそれは泥をかけられているだけで壊れたりはしていなかったのだから。
「ファステナ様、前々から気になっていたのですがその大きな箱は…?」
「ふふ…、ただの箱だよ、メリア」
部屋の泥やらごみやらを指パッチンである場所に移動させて片づけを終わらせると、綺麗になったいすに深く腰掛ける、流石に泥まみれのベットやらびりびりに破かれたドレスなんかは着られないので部屋の中には簡素な机と椅子、建付けが悪くなってしまった空のクローゼットしか残っていない。
「お疲れさまメリア、少々骨が折れたね」
「私一人で片づけましたのに…、ファステナ様が手伝う必要なんてないんですからね!」
「まあ、立場上王族ってだけだから‥‥。」
一息付きつつ朝10時を告げる鐘が音を響かせると同時にメリアの入れた紅茶を飲んでいると10人ほどの足音が部屋に近づいてくる。
「何でしょうね‥‥。」
「ちょっと、これはどういうことなの!?」
「ああ、これはこれは、ご機嫌いかがですか?ヒルデカルト殿にマリティシア様」
メリアは警戒しているような顔をしているが、肩を震わせて必死に笑いをこらえていた。それもそのはずだ、衛兵が後ろに何人もいるもののマリティシアにヒルデカルトは頭から足の先まで酷い匂いを放つ泥まみれになっていた。
「しらばっくれても無駄よ、説明しなさい、どうしてわたくしがこんな風になっているの!?」
「そうですわ!マリティシア様に何のうらみがあるというのですか!こんなに良くしていただいているというのに!」
後ろの衛兵が深くうなずくのを見て流石に笑いがこらえられなくなりそうになる。と同時に早々に失言をしてくれると思っていたものだからファステナは少々驚いた、少しは頭が回るのかと評価を見直しつつも「貴女の部屋にあるはず」とか言ってくれればよかったのにと歯噛みする。
「軍議前に大切なご高説を頂いたり、礼儀がなっていないとわざわざ体に教え込んでくださったり、どうも御親切なお義妹様だと、ありがたいと思っています。」
椅子に座ったまま応じると衛兵たちから、不敬だぞ、立て、この半魔め、売女め、と声が上がる。
「不敬なのはどちらだ、第二軍の衛兵共」
ひとこと発すると、二人の背後にいた衛兵たちが突然倒れていく、マリティシアとヒルデカルトから短い悲鳴が上がるのが面白くてファステナは少し笑ってしまった。
「何、少ししびれているだけですから15分くらいで起きますよ、お優しいんですねお二人とも」
「こんなことして、ただで済むと思っているの?!」
「ヒルデカルト、黙っていただけるか?お前がうるさくてお義妹様と話ができない。」
ヒルデカルトを一瞥しファステナは唇を指でなぞる、思った魔法を無詠唱でできるとは聞いていたがこういう一人だけを静かにさせたり、人数を絞って動けなくしたりができるのにはかなり驚いていた。
「で、マリティシア、どういう要件ですか?私は忙しいのですけれど」
「だから…、貴女にやったハズの泥やらがどうしてわたくしの部屋にあるのか聞いているのよ!」
急にしゃべらなくなったヒルデカルトやら衛兵やらは気絶しているのと勘違いしているのだろうか、二人っきりになった途端にペラペラと自白を始める。ヒルデカルトもマリティシアもファステナが瞬間移動を使えるとは知らないのだろう。
「どうせあの恥知らず共でも使ったんでしょう、この汚らわしい半魔!」
「身に覚えが…、そもそも何があったかすら存じませんし。」
「このっ…!」
頬を鉄扇で強めに叩かれ椅子からそのまま転げ落ちる、メリアが動こうとするのを目線で止めて、マリティシアにされるがまま腹やら顔やらを踏まれ続ける。その様子を見ながら、ヒルデカルトはどんどん顔が青くなり、衛兵たちは目を見開き驚きを隠せない、それはそうだ、マリティシアは心優しい第一王女の顔があった、だから人がいない場所でしかファステナをいじめたりするのだ。
「調子に乗りやがって、この半魔、汚らわしい厄災の子、死ね、死ね、死ねええええええええええええっ!!!!!!!!!!!!」
「ぐっ、っつう‥。」
終わるまでやり過ごそうと痛みをこらえるふりをしていると、騒ぎを聞きつけたほかの兵達の足音が聞こえてくる、さあ、推しのために破滅してもらうぞ、とファステナは口の端を少し上げた。
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ざまあ要素薄目ですが‥‥次回ざまあ回です!




