第33話「危険なペット!?」アバン
第33話です!今回も、以前より書きたいと思っていたテーマのお話です。その時はミュウを主役として考えていましたが、キリアの方がふさわしいと考えて彼女を主役にしました
それは、冬の足音が聞こえてきた、とある夕暮れのことであった。
「美味しーい!この肉まんって食べ物、あったかくて最高!」
その日、ミュウに誘われて森林浴に出ていたキリアは、帰り道で立ち寄ったコンビニで買った肉まんに舌鼓を打っていた。
「これからの時期は、あったかいものが美味しくなるからね。・・・ん?」
キリアと同じく肉まんを食べていたミュウが、何かに気づいたように声を上げる。彼女は通り過ぎようとしていた道沿いの草むらに、かがみこんで視線を向ける。
「ミュウ、どうしたの?」
「さっき、ここで何かが動いた気がしたんだ。・・・ここら辺だと思うんだけど・・・」
草むらをじっと見つめるミュウにつられ、キリアもかがみこんで視線を草むらに向ける。すると二人の目の前に、一匹の小動物が姿を現した。
「きゃっ!」
突然現れたその生き物に、キリアが驚いて小さな悲鳴を上げる。その生き物は真っ白な毛玉に四つの足と顔が生えたような、不思議な姿をしていた。
「これ・・・レンバクだ!」
生き物の姿を見たミュウが、少し驚いたように声を上げた。
「レンバク?」
「うん。滅びたボクの星にも生息してた、宇宙の生き物。この星にはいないはずだけど・・・」
地球にいないはずのレンバクに、ミュウが怪訝そうな声を上げる。キリアは食べていた肉まんを小さくちぎると、レンバクの口元にそっと差し出す。
「これ・・・食べる?」
キリアが恐る恐る差し出した肉まんを、レンバクはじっと見つめていた。やがてレンバクは可愛らしい鳴き声を上げると、小さな口を開いて肉まんをぱくっと口にくわえてもぐもぐと咀嚼し、飲み込んで再び可愛らしい声で鳴いた。
「わあ・・・可愛い!おいで!」
キリアが手を差し出すと、レンバクはちょこんと彼女の手の平に乗った。自分の手よりも小さいその生き物に、キリアはすっかり魅了された。
「すごいね、キリアちゃん。レンバクって警戒心が強くて、人にはなかなか懐かないんだよ」
「そうなの?でもこの子、全然キリアのこと怖がってない!」
キリアはレンバクを肩に乗せると、再び肉まんをちぎって口元に運んでやった。するとレンバクは再び口を開き、もぐもぐと食べ始める。
「うーん、可愛い!・・・そうだ!この子、ペットにしよう!」
「え?キリアちゃん、それはちょっと・・・」
ミュウは引き留めようとしたが、もうキリアの耳に彼女の言葉は届かなかった。キリアは肩の上のレンバクを優しく撫でながら、そのふわふわな体に頬ずりした。
「柔らかくてかーわいい!これから毎日可愛がってあげるね!」
キリアの猫なで声に応えるように、レンバクは三度可愛らしい鳴き声を上げた。――だが、これが新たな騒動の幕開けだったことを、この時のキリアは知る由もなかった。




