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チーム・イリスの事件譚  作者: 髙橋貴一
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第32話「影、繚乱」前編

「ユナイトガントレット。宇宙の歴史を変えるこの画期的な発明を、是非、あなたの手に――」

 翌日。ネビュラカンパニー社長のバラムが、社長室のパソコンで自身が出演するコマーシャルを物憂げに眺めていた。

「ユナイトガントレット、そしてユナイト血清の売り上げは上々・・・・・・しかし、今後のことを考えると、やはり虹崎誠人は手に入れておきたい存在だ・・・」

 バラムはそう呟くと、一本のダーツを壁に向かって投げつけた。ダーツが突き刺さった壁には、印刷された誠人の顔写真が貼られている。

「社長、シブリングスが参りました」

 その時、社長室に入ってきた青い肌の女性秘書が、バラムにそう告げた。すると彼女の後に続き、一人の青年と一人の女性、そして少年と少女が一人ずつ、社長室に入ってきた。

「ほう、君達が・・・」

「はっ。我らはシブリングス、つまり兄弟姉妹でございます。私の名は、エルダー」

 四人の中で最も年長の茶髪の青年が、バラムに跪いて声を上げた。それに続き、その妹に当たる黒い長髪の女性が、同じく跪いて自己紹介する。

「エルダーの妹、シュリでございます。お見知りおきを」

「エルダーとシュリの弟、ザックでございます」

「エルダー、シュリ、ザックの妹、ライラと申します」

 シュリの後に続き、黒髪の少年ザック、茶髪をポニーテールにした少女ライラが、バラムに名を名乗った。全員の名乗りが終わると、バラムがエルダー達に問いかける。

「君達は、それぞれが優れた力を持っていると聞く。一体、どんな力を持っているのだ?」

「はっ。ではまず、私とシュリから。・・・ご無礼を」

 エルダーはバラムに軽く頭を下げると、二枚の紙を宙に投げた。次の瞬間エルダーは腰から提げていた剣を抜いて目にもとまらぬ速さで紙の一枚を細切れにし、シュリは懐に隠していた二丁拳銃で紙を次々と撃ちぬき、穴だらけにした。

「なるほど、早切りに早撃ちか・・・・・・して、残る二人は?」

 バラムの問いかけに答えるように、エルダーが手にした剣でライラに斬りかかる。だがライラは兄の攻撃を、ひらひらと紙一重でかわし続ける。

「ほう・・・先読みか」

「左様。妹は相手の視線や呼吸、筋肉の動きなどから、その動きを予測することが可能なのです。・・・そして弟は・・・!」

 バラムにライラの力を説明していたシュリが、突然手にした銃をザックに向け、弾丸を連射した。するとザックは体の周囲にバリアを張り、弾丸をことごとく弾いてみせた。

「ご覧の通り、ザックは体にバリアを張り巡らせることが可能です。・・・社長、例のユナイト持ちの少年の確保は、是非我々にお任せください。必ず、ご期待に添う成果を上げてご覧に入れます」

 エルダーが願い出ると、バラムは唇の端を歪めて笑った。

「ふふ・・・大した自信だな。よかろう、君達に一任するとしよう」

「はっ!」

 バラムの言葉に、四兄弟は同時に跪いて声を上げた。程なく彼らは一隻の宇宙船に乗り込み、地球を目指し始めるのだった。



「じゃーん!見てみて、これ!」

 それから、数時間後。いつも通り学校に辿り着いた誠人とミナミは、柚音からある物を見せられていた。

「合格通知・・・?じゃあ、柚音・・・!」

「そう!あたし受かったんだー、美容専門学校のAO入試!これでやっと、憧れの美容師に一歩近づける!」

「へ?柚音さんの夢、美容師だったんですか?」

 初めてその事実を知ったミナミが、驚きに目をぱちくりさせながら問いかけた。

「そう!子供のころからの夢でさ、いつかは自分の店を持ちたいって考えてるの」

「そっか・・・ともあれ、これで進路確定だな。おめでとう、柚音」

「おめでとう、田代さん」

 同じく話を聞いていた星南に祝福され、柚音は少し気恥ずかしそうに頬を赤らめた。

「ありがとー!誠ちゃんも都築君も、早く進路決まるといいね!」

「うん。僕もそろそろ、推薦入試の出願が始まるんだ。これで決めときたいところだけど・・・」

「星南なら大丈夫だよ。・・・僕も、二人に続けるようにしないとな」

「そうですね。・・・あ!今日の放課後、皆で遊びに行きましょうよ!柚音さんの進路が決まったお祝いに!」

 いいことを思いついたと、ミナミが明るく声を上げた。一瞬嬉しそうな表情を浮かべる柚音だったが、誠人を視界にとらえて遠慮がちな言葉を口にする。

「ええっ!?・・・あ、でもいいよ。誠ちゃんは勉強で忙しいだろうし、都築君も予定あるでしょ?」

「いや、僕は平気だよ。虹崎君はどうする?」

 星南の問いかけに、誠人は微笑みながら答えた。

「当然、僕も行くよ。3年間同じクラスだった親友のお祝いだ、辛気臭い話は今は忘れよう」

 誠人の言葉に、柚音の表情がぱっと明るくなった。彼女は一旦言葉を詰まらせると、誠人達に感謝の言葉を述べた。

「ありがとう、皆・・・!あたし、今最高に幸せかも!」


☆☆☆


 そして、その日の放課後。誠人達はよく遊びに行くゲームセンターで、柚音の進学祝いとして楽しいひと時を過ごしていた。

「ほらほら、寄って寄って!はい、ポーズ!」

 プリクラ機の中で柚音に促され、誠人達がぎゅっと寄り集まってポーズをとる。出来上がった写真には、『進学おめでとう』とピンクの可愛い文字が添えられていた。

「嬉しい・・・今日はありがとう、皆!」

「どういたしまして。さて、次は何で遊ぶ?」

 柚音に言葉を返し、誠人がゲームセンターの一角に視線を向けた、まさにその時。突然天井を突き破って青い光が目の前に照射され、その光の中から四人の男女が姿を現した。

「見つけたぞ、虹崎誠人」

「誰だ・・・?ミナミ、二人を頼む!」

「はい!」

 茶髪の男の言葉に眉をひそめながら、誠人はミナミに柚音と星南の避難を託した。

「さあ、二人ともこっちに・・・」

「ちょっ、何なのあれ!?・・・ミナミちゃん!」

 ミナミの腕の中でもがきながらも、柚音は星南と共に彼女に引きずられていった。それを見て、男の隣に立つ黒い長髪の女がわずかに笑みを浮かべる。

「お友達を避難させるとは、いい判断ね。・・・まあ、刑事に任せて一人きりになったのは、悪手だけど」

「お前達、何者だ?まさか・・・ユナイトハンター!?」

「ふふっ、違うね。僕達はシブリングス、ネビュラカンパニーの尖兵さ」

「ネビュラカンパニー・・・なるほど、それで僕を・・・」

 黒髪の少年の言葉に、誠人は合点がいったように声を上げた。するとその少年の隣に立っていた茶髪のポニーテールの少女が、体を震わせながら言った。

「ねえ・・・お兄様お姉様、もう我慢できないよ・・・・・・ライラ、早くあの子と戦いたい・・・!」

「ふっ、さっそく血が騒いできたか、ライラ。なら・・・戦うとしよう」

 長兄のエルダーが笑みを浮かべると、その左腕にユナイトガントレットを装着した。それに続き、長女のシュリもガントレットを装着し、黒いカードを懐から取り出す。

「融合」

「融合」

『ユナイト、スタート』

 二人がガントレットのボタンを押すと、鎧と化したザックの体がエルダーの、ライラが姿を変えた鎧がシュリの体にそれぞれ装着された。エルダーは両手に剣を、シュリは両手に銃を握り締め、誠人と対峙する。

「厄介そうな相手だ・・・カグラさん、合体いけますか!?」

 イリスバックルを装着しながら、誠人はカグラに連絡を取った。

「ああ、いつでもいけるよ、少年!」

「よし・・・ユナイト・オン!」

『Read Complete.燃え盛る業火!フレイムアーマー!』

 カグラと合体してフレイムアーマーのイリスとなると、誠人はその両手に双剣モードのプラモデラッシャーを握り締めた。するとシュリがすぐさまイリスに向けて発砲を開始し、エルダーも両手の剣を振り回してイリスに襲い掛かる。

『はっ!おりゃあっ、この!』

 イリスは両手の剣を振るい、エルダーに猛攻を仕掛ける。だがその刃がエルダーの体に触れるかと思うと、彼の体にバリアが張り巡らされ、攻撃が当たらない。

『くっ・・・バリアで攻撃が当たらない!』

 バリアに弾かれて体勢を崩すイリスを、エルダーは手にした剣で斬り裂いた。それにひるんだイリスを、今度はシュリの銃撃が襲う。

『わっ!・・・この!』

 カグラは逆上して声を荒げると、大きくジャンプしてシュリに迫った。そしてその剣を浴びせようとするが、シュリはまるでこちらの動きを呼んでいるかのように軽やかに攻撃をかわし、隙をついて銃弾を放ってくる。

『どうして・・・?攻撃がかすりもしないなんて!』

「ふふっ、当然よ。ねえライラ?」

『そうそう。ライラはあんたの動き、ぜーんぶ予測することができるの!ほら、今度は右から来る!』

 鎧からライラの声が聞こえてきた次の瞬間、その言葉通りイリスは右手の剣を振り下ろしてシュリを狙った。シュリはいとも簡単にその攻撃をかわすと、隙が生じたイリスに向けて両手の銃を連射した。

『こっちは先読みか・・・厄介な相手だね・・・!』

「なら・・・キリア、合体いけるか!?」

「うん!お兄ちゃん、いつでも呼んで!」

『Read Complete.ゴールドアーマー!』

 イリスは今度はキリアと合体し、ゴールドアーマーとなってシュリに高速移動で迫った。まずは彼女とライラを倒そうという作戦だったが、ライラは高速移動するイリスの動きすら見抜いていた。

『お姉様、左から来る!』

 ゴールデンホークを合体させたプラモデラッシャーを振り下ろそうとした瞬間、ライラの言葉を受けて銃を左に向けたシュリが、銃弾を連射した。至近距離の攻撃をイリスはかわすことができず、全弾が直撃して大きく吹き飛ばされた。

「うわああああっ!」

『きゃあああっ!』

 そのダメージの大きさにイリスの変身は解け、キリアとの合体も解除されてしまった。吹き飛ばされた誠人とキリアの体が、地面に叩きつけられる。

「少年、キリア!」

 カグラが二人のもとに駆け寄ると、かばうようにその前に立って剣を構えた。誠人は必死に立ち上がると、GPドライバーV2を取り出す。

「まだ・・・勝負は終わってない・・・!」

「あら。まだ立ち上がるなんて、なかなか根性のある子ね」

 立ち上がってドライバーを装着した誠人を見て、シュリが呆れたような表情で言った。その一方で、カグラは必死に誠人を止めようとする。

「無茶だ少年。ここはあたしに任せて、キリアと一緒に逃げて!」

「いえ、行かせてください。・・・アーマー・オン!」

『Read Complete.アーマーインサンライズ!サンライズ!』

 イリスV2に変身した誠人はカグラの制止を振り切り、ライズガンセイバーを振るってエルダーとシュリに襲い掛かった。その攻撃をかわすシュリに、合体しているライラが声をかける。

『お姉様、早くやっちゃおう』

『いや、イリスV2は侮らない方がいい。例のトリニティガントレットもあるし・・・』

「そうだな。なら、これを使うとするか」

 ザックの言葉に同意すると、エルダーは懐からリモコンのような物を取り出してそのスイッチを押した。すると彼らが乗ってきた宇宙船から数機のドローンが出撃し、天井の穴から建物の各階に侵入し、搭載されていた緑色のガスを散布し始めた。

「な、何ですか、これ・・・?」

 突如周囲を包みだしたガスに、ミナミが困惑の声を上げる。すると次の瞬間、ガスを吸い込んでしまった星南と柚音が、激しく咳き込み始めた。

「うっ・・・ごほっ、げほっ、ごほっ!」

「ごほっ、ごほっ・・・息が、苦しい・・・!」

「星南さん!柚音さん!」

 ミナミの必死の呼びかけも虚しく、二人は意識を失って倒れてしまった。それは彼らだけにとどまらず、周囲にいた人々も同様であった。

「誠人さん、柚音さん達がガスにやられて・・・!」

「え・・・?お前達、何をした!?」

「ふふ・・・早速ガスが効果を発揮したようだ」

「このガスは地球人に特効でね、一度吸い込んだら最後、意識を失って眠るように息を引き取るの。そうね・・・死ぬまで長くて半日、ってとこかしら?」

「お前ら・・・ふざけるな!」

 怒りに声を荒げると、イリスV2はガンモードにしたライズガンセイバーから光弾を連射した。だがその攻撃も、ザックの力を使ったエルダーが張り巡らせたバリアに無力化されてしまう。

『そう興奮しないで。僕達も無慈悲じゃない、彼らが助かる方法も用意してるんだから』

『そうそう。だけど・・・ただで教えるわけにはいかないなぁ』

「くっ・・・何なんだ、その助かる方法って!?」

 身を乗り出すように尋ねたイリスV2を見て、エルダーは仮面の下で冷酷な笑みを浮かべた。

「いずれ分かる。では、また会おう・・・」

「あ、待て!」

 宇宙線から照射された青い光が、エルダーとシュリの体を包み込んだ。慌てて駆け出したイリスV2だが時すでに遅く、エルダー達を回収した宇宙船は建物の上空を離れていった。

「誠人さん、柚音さん達すごく苦しそうです!どうしましょう・・・」

 GPブレスから、ミナミの悲痛な声が聞こえてきた。誠人は変身を解除すると、鼻と口を覆いながらGPブレスに叫びかけた。

「とりあえず、倒れた人達を病院に!まだ、助かる見込みはある!」


☆☆☆


 それから、約一時間後。誠人はミナミやカグラ達の協力を得て、ガスで倒れた柚音達を病院に搬送していた。

「先生、うちの子、助かるんでしょうか・・・?」

 通報を受けて駆けつけた星南の両親が、詰め寄るように医師に尋ねた。医師は弱り切った表情で、二人に言葉を返す。

「はっきり申し上げて、私達もどうしたらいいのか分からないんです。有毒ガスを吸ったとのことですが、こんな効能のガス・・・いえ、毒物は見たことがありません。とりあえずは、回復の見込みのある手段を、手当たり次第に試すしか・・・」

 と、その時。医師のもとに、一人の看護師が緊迫の表情で駆け込んできた。

「先生、田代柚音さんのご両親が・・・」

「こちらへ。・・・では、お話はまた改めて・・・」

「あ、先生!」

 食い下がろうとする星南の両親を、看護師が引きはがすようにして退室させる。それを視界の端に捉えながら、誠人は同じ病室に運び込まれた星南と柚音をじっと見つめていた。

「僕が・・・僕があの時、誘いを断ってれば・・・・・・」

 震える拳を握り締めながら、誠人が後悔にまみれた言葉を口にした。それを聞き、ミナミが慌てて声をかける。

「ま・・・誠人さんのせいじゃありません!・・・悪いのは私です。私があの時、あんなことを言わなければ・・・!」

「やめな、二人とも」

 二人の肩に手を置きながら、カグラが慰めるように言った。

「あんたらは何も悪くない。悪いのは・・・あの四兄弟さ・・・!」

「あいつら、皆が助かる方法がある、って言ってたよね?・・・もしかして、それと引き換えにお兄ちゃんを・・・!」

 キリアがはっと声を上げた、まさにその時。一同のGPブレスに、レイから連絡が入った。

「皆、ネビュラカンパニーのエージェントと名乗る連中から、銀河警察に連絡が入ったみたい。・・・添付したメッセージを開いてみて」

 誠人達は病院の外に出ると、レイから転送されてきた動画ファイルを開いた。動画が始まると、画面に先ほど襲ってきた四兄弟の姿が映し出された。

「地球にいる銀河警察の諸君、我々はネビュラカンパニーのエージェント、シブリングス。もう何人かは我々と出会い、その力を理解してくれていることと思う」

 四兄弟を代表し、エルダーが挨拶代わりの言葉を述べた。続いてシュリが腰かけていたテーブルからけだるそうに立ち上がり、画面の向こうの誠人達に声をかける。

「その何人かは知ってると思うけど、先ほどとある建物に、地球人に極めて有効なガスを散布させてもらった。あのガスの効果はてきめん、このままいけばあと1時間くらいで、ガスを吸った人間は全員死ぬ。地球の医療じゃ、彼らは絶対に治せない」

「そんな・・・じゃあ、柚音さん達は・・・!」

 シュリの言葉に、ミナミが声を震わせてうめいた。それを見透かしているかのように、ザックが翠色の液体が入った瓶を振った。

「ふふっ。でも、助かる方法が一つだけある。今僕が持ってるこの薬、これを一滴でも飲ませれば、体内の毒は打ち消される」

「たったこれだけの量でも、あの建物の中にいた人はみーんな助けられると思うよ。・・・でも、ただであげるわけにはいかないなあ」

 わざとらしく上目遣いしながら、ライラが無邪気な笑みと共に言った。その言葉を聞いただけで、誠人達は敵の真意に気づいた。

「やっぱり・・・奴らの狙いは・・・」

「刑事諸君、虹崎誠人を我々に差し出したまえ!代わりにこの解毒剤を諸君らに渡す。一人の身柄か、数十人の命か、諸君らが守るべきものは明白なはずだ!」

「今から30分以内に、この座標の場所まで来なさい。それを1秒でも過ぎれば、あなた達は数十人を見殺しにすることになるわ」

 シュリの言葉と共に座標が表示され、それと同時に動画は終了した。誠人が座標を確認すると、現在地からバイクで5分ほどの距離にある、大きな公園であると分かった。

「この動画が送られてきたのが、今から10分前。つまり、タイムリミットはあと20分しかない」

 レイの言葉に、誠人は言葉を返そうとした。と、その時――

「まさか、その場所に行くとは言わないだろうね、虹崎君」

 突然、背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。振り返った誠人達が目にしたのは、見覚えのある男の姿だった。

「ファルコ・・・さん・・・!」

「ネビュラカンパニーの連中、ベルデガスを使ったようだね。だが君も分かっているだろう?この取引は罠、君が出向いたところで、奴らが解毒剤を渡すとは限らない」

 ファルコの言うことはもっともであった。解毒剤は誠人を確実に確保するための、いわば餌に過ぎない。敵がそれを馬鹿正直に渡すとは、誠人達も考えてはいなかった。

「それでも・・・・・・僕は行きます!僕が行かなきゃ、解毒剤は確実に手に入らない。たとえ低くても可能性があるなら、僕はそれに賭けてみます!」

 だが、誠人の考えは決まっていた。彼は毅然とファルコに言うと、ミナミ達と共に表示されている座標の場所に向かい始める。

「やれやれ、困った子供だ・・・・・・社長、こちらファルコ。ネビュラカンパニーの連中が、またも地球で動き始めました」

 ため息まじりで誠人達の背中を見送りながら、ファルコが社長のアダムに連絡を取った。

「そのようだな。・・・だが、君にとっては良い機会だろう?シャドウアーマーの腕試しとしては」

『シャドウアーマーの腕試し』。その言葉を聞いた瞬間、ファルコはアダムの意図を悟った。

「では、社長・・・!」

「うむ。たった今より、君を利益保護部門のトップに任命する。・・・ファルコ、君の力を存分に活かす時が来たぞ」

「はっ・・・全ては、DOE社のために・・・!」

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[一言] >死ぬまで早くて半日 割と猶予がある感 あとこの四兄妹、最初にでてきた四人家族思い出す …あと絶妙に四人連携で戦うには相性が悪い気が
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