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チーム・イリスの事件譚  作者: 髙橋貴一
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第27話「狂獣再臨」前編

「カラージの兵器工場が?本当なのですか、社長!?」

 DOE社の本社衛星。工場の襲撃を知ったエージェントのファルコが、血相を変えて社長室にやってきた。

「うむ、残念ながら本当だ。襲った連中の正体は不明だが、奴らはそこで開発されていた、新製品の試作品を強奪していった」

「新製品・・・まさか、強制細胞活性剤を・・・?」

 ファルコの問いかけに、社長は何も反応を示さなかった。だがそれこそが、無言の肯定であるとファルコは長い付き合いで知っている。

「社長、これは一大事です。あの活性剤は星間法(せいかんほう)に違反することを前提に、闇市場での販売を目的として開発されていた物です。もしその存在が、銀河警察に知られれば・・・」

「間違いなく、我が社の業績は悪化するな」

「それは『最低でも』の話です。最悪の場合、銀河警察によって我が社は潰されます。ただでさえ、銀河警察は我が社のことを快く思っていない。潰す格好の口実を相手に与えるのは、不都合というものでしょう」

 そこで一旦言葉を切ると、ファルコは肚を決めて社長にあることを願い出た。

「社長、この件は私にお任せください。奪われた試作品を取り戻すか、もしくは始末し、我が社にもたらされる影響を、最小限に抑えてご覧に入れます」

「できると踏んだのだな?なら・・・君に任せよう、ファルコ」

「はっ!」


☆☆☆


「ふーん・・・これといって、面白いニュースはないわね・・・」

 日曜の昼下がり。GPブレスに表示される宇宙の新聞社のネット記事を見ながら、ソフィアが退屈そうにつぶやいた。

「・・・って、なんであんたがここにいるんですか!?ごろ寝するなら、自分の家でしなさいよ!」

 そんなソフィアの様子を見たミナミが、苛立ちを隠せない様子で叫んだ。それも無理のないことで、ソフィアは珍しく誠人の家に押し掛け、リビングのソファを占拠してそこで横になっているのだった。

「まあまあミナミさん、そう邪険にしないであげて。この人、私の恩人でもあるんだから」

「茜様の仰る通りです。ミナミ様、ここは一つ広い心をお持ちになって・・・」

 茜とシルフィが、いきり立つミナミを必死になだめようとする。するとその時、ソフィアの目があるネットニュースの記事を捉えた。

「『カラージ星のDOE社の兵器工場、何者かに襲撃される』『襲った者達の正体は不明。兵器が奪われたという情報も』・・・珍しいわね、あのDOE社が襲撃を受けるなんて」

「ふん、DOE社だって所詮、軍事企業ですからね。恨みだって買ってるでしょうし、兵器を奪おうとしてる連中だって、探せばいくらだっているでしょうよ」

 ようやく少し落ち着いたミナミが、棘のある口調でソフィアに言った。ソフィアはそれを無視すると、茜達に問いかけた。

「そういえば、坊やは?・・・レイとキリアも、姿が見えないようだけど・・・」

「あのお三方なら、今お買い物に出られています。・・・もう2、30分もすれば、戻られるかと・・・」

「誠人君も、毎日勉強ばかりじゃ気が滅入っちゃうと思って。たまの息抜き代わりってことで、私が頼んだの」

「そう・・・なら、いいんだけど」

 二人にそう言葉を返しながらも、ソフィアは言いようのない不安に襲われていた。・・・何かが起こるかもしれない。そんな予感が、彼女の胸に渦巻き始める。

(嫌な予感がする・・・何か、悪いことが起きなきゃいいけど・・・)



 一方。ファルコは襲撃を受けたカラージの工場を訪れ、襲撃を生き延びた職員から事情を聞いていた。

「工場を襲った連中は、こんなヘルメットを身に着けていたんですね?」

「ええ、間違いありません。・・・遠くからちらっと見えただけなんですが、どうやら兵士達を率いていたのは、若い女のようでした。白い髪の・・・そう、白い髪を、肩まで伸ばしてました」

「それは、この女で間違いないですね?」

 ファルコが手にしたタブレットに、一人の女性の顔を映し出す。するとそれを見た職員が、大きくうなずいて声を発した。

「そうです、この女で間違いありません!」

「ふむ・・・敵の正体は掴めてきた。あとは、連中がどこに逃げたかだ・・・」

 その時、逃げた宇宙船の行方を追っていたファルコの部下が、彼のもとに報告にやってきた。

「エージェントファルコ、宇宙船の逃走の痕跡を、可視化することに成功しました」

「おお、奴らは一体どちらに逃げた?」

「これをご覧ください。奴らはどうやら、太陽系に向かって逃走した模様です」

 部下が可視化させた宇宙船の逃走経路を、タブレットを使ってファルコに見せる。それを見た瞬間、ファルコの表情が歪んだ。

「太陽系か・・・しまった、奴ら地球に向かったな」

 苦い顔で吐き捨てると、ファルコは大股で歩き始めた。

「エージェントファルコ、どちらに?」

「地球だ。ここから先は私一人で行く。あまり目立ちすぎると、銀河警察に感知されるからな」

 ファルコは自前の宇宙船に乗り、すぐにカラージを後にした。彼は操縦席のパネルを操作し、地球への最短ルートを探る。

「急がねば。奴ら、既に活性剤を使っている可能性が高い。・・・いざという時は、イリスに力を貸さねばな・・・」


☆☆☆


「二人とも、ありがとう。手伝ってもらって、助かりました」

 それから、数十分後。誠人達は買い物を終え、虹崎家への帰路についていた。

「いいのいいの!キリア達お兄ちゃんの家に住まわせてもらってるんだもん、家事くらい手伝わなきゃ」

「キリアの言う通り。たまには、βや茜さんの役に立たないと」

「ふう・・・ミナミにも、少しでいいから二人を見習ってほしいな。・・・ん?」

 その時、誠人は頭上の空にある物を見つけた。それは、虹崎家から遠く離れた森に森林浴で訪れていたミュウも、腰かけていた木の枝の上で目にしていた。

「あれ・・・宇宙船だ!しかも、あの形・・・!」

 徐々に降下していくその宇宙船は、数ヶ月前に目にしたとある宇宙船と確かに同じ形をしていた。一大事が起きたと悟り、ミュウはカグラに連絡を取る。

「カグラ先輩、大変です!」

 連絡を受けたカグラが現場に急行し始めた、まさにその頃。宇宙船を目の前にした誠人達が、買い物袋を足元に置いて臨戦態勢を取る。

「ミナミ、ミナミ聞こえるか?・・・駄目だ、GPブレスが通じない」

「ねえ、お兄ちゃん・・・あの船の形、どっかで見た覚えない?」

「え?・・・そう言われてみれば、確かに、どこかで見たことあるような・・・」

 誠人が必死に記憶を探ろうとした、次の瞬間。宇宙船が誠人達の目の前に着陸し、ハッチが開いてその船内から、ガスマスクのようなヘルメットをかぶった兵士達が姿を現す。

「・・・!あいつら、やっぱり見たことある!」

「ああ、僕も思い出したぞ、キリア。でも・・・どうしてあいつらが・・・?」

 二人が言葉を交わす間にも、兵士達は続々と船内から現れ続けた。そして最後に、護衛の兵士二人に左右を守らせ、一人の細身の戦士が姿を見せた。

「見つけたぞ、虹崎誠人。いや・・・イリス」

「お前達は・・・どこかの星の反政府組織、だったか?」

「その通り。我らは惑星ドゥレンテの反政府組織。かつてお前達に倒された、カイゼル・デモスの遺志を継ぐ者」

「・・・!カイゼル・デモスって、確か、この星を生物兵器の実験台にしようとした・・・!」

 レイが思い出したように声を上げると、細身の戦士はかぶっていたヘルメットを脱いだ。肩まで伸ばした白髪と青い瞳が特徴的な、美しい女性の顔が露わになる。

「私はコマンダー・ナキア。カイゼル・デモスの弟子の一人にして、彼の志を遂げるために戦う者」

「あなた達がここに来た理由は何?・・・まさか、イリスへの復讐が目的?」

 戦闘モードにしたGPブレスを構えながら、レイがナキアと名乗った女に問いかけた。

「いかにも。カイゼル・デモスの死後、我が軍はドゥレンテ政府軍との決戦に敗れ、数多くの同胞を失った。生き残った者達の中からも、政府に投降する裏切り者が出始めた。貴様らがカイゼル・デモスを倒さなければ、このように事態には至らなかったのだ・・・!」

 怒りに声をわずかに震えさせながら、ナキアは腰に提げていたサーベルを抜いて誠人達に突き付けた。

「虹崎誠人、そして彼を守る銀河警察の刑事達よ。カイゼル・デモスの仇であるお前達を倒し、厄払いとさせてもらう。・・・構わないな?」

「言ってること無茶苦茶。ま、テロリストの理屈なんて、理解したくもないけど・・・!」

 キリアが両手に武器を握り締め、ナキアやそのそばに控える兵士達に鋭い視線を向ける。誠人もイリスバックルを腰に装着し、ナキア達と対峙する。

「生憎、僕もここで死ぬ気はなくてね。・・・レイさん、行けますか?」

「了解。お願い、β」

 レイの返事にうなずくと、誠人はホルダーからスプラッシュのカードを引き抜いた。そしてイリスバックルを待機モードにすると、その認証部分にカードをスキャンさせる。

「ユナイト・オン!」

『Read Complete.逆巻く荒波!スプラッシュアーマー!』

「行け!」

 誠人とレイの合体が完了すると同時に、ナキアがサーベルを振り上げた。すると次の瞬間、彼女のそばにいた兵士達が手にした光線銃で、イリスやキリアに攻撃を仕掛け始める。

『Start Up、Golden Hawk』

「お願い、奴らを撹乱して!」

 キリアが召還したゴールデンホークが、兵士達の頭上を猛スピードで飛び回ってその攻撃を阻害する。突然の事態に混乱する兵士達にキリアが高速移動からの攻撃を仕掛け、手にした武器で次々と敵を斬り倒してゆく。

 一方のイリスもプラモデラッシャーからの銃弾で、敵兵達を次々と撃ち倒していった。戦闘が始まっておよそ1分足らずで、ナキアの部下達は全滅する。

「お前の部下は皆倒した!大人しく降伏しろ!」

「ほう、さすがはイリスだ。だが、私の持ち駒は、兵士達だけではないぞ・・・!」

 そう言い放つと、ナキアはピュッと指笛を吹いた。すると船内に残っていた彼女の部下達が、鎖に繋がれた不気味な怪物を連れてきた。

「あれ・・・ブラックローグ!」

 その怪物の姿を見て、キリアがおぞましそうに声を上げる。かつてデモスが実験のために地球に連れてきた生物兵器・ブラックローグが、今再び彼女達の目の前に三体引きずられてきた。

『でも、ブラックローグはその気になれば、生身の状態でも倒すことが可能。そんなに恐れる相手じゃないわ』

「今まではそうだった。だが・・・これを使うと、どうなるかな・・・?」

「・・・?何だ、あれは・・・?」

 ナキアは手にした三本の針を、ブラックローグに向けて投げつけた。針には紫色に光る液体のようなものが染み込んでおり、その針がブラックローグ達の首元に突き刺さると、程なくその体に変化が訪れた。

「な・・・何だ!?」

『ブラックローグの体が・・・肥大化、してる・・・!?』

 思わず声を上げたレイの言葉通り、針に染み込んでいた液体が体内に入り込んだことで、三体のブラックローグの体はいずれも肥大化し始めた。前後の脚や胸部はより筋肉質になり、その尻からはこれまでなかった二又の長い尻尾が生えてきた。見る者により強い嫌悪感と恐怖を与える姿になったブラックローグ達が、三体揃って血も凍るような雄たけびを上げる。

「素晴らしい。これが、強制細胞活性剤の力か」

「強制細胞・・・よく分かんないけど、要は変な薬打ち込んだってわけ!?」

 キリアが叫ぶように問い詰めると、ナキアは肯定するかのように小さく笑った。

「行け、ネオ・ブラックローグ達よ。獲物は・・・奴らだ」

 ナキアがイリス達にサーベルを向けると、三体のネオ・ブラックローグが一斉に彼らに襲い掛かった。イリスはプラモデラッシャーから水の弾丸を連続で発射したが、ネオ・ブラックローグは強化された脚力でそれをいともたやすくかわし、一気にイリスに迫って跳びかかってきた。

「なんて速さだ・・・銃弾が当たらない!」

『だったら・・・!』

『Read Complete.Be prepared for maximum impact.』

 辛うじて敵の攻撃をかわすと、イリスは武器にフィニッシュカードをかざして必殺技の準備に入った。ネオ・ブラックローグの一体が向きを変えて正面から突撃してくると、イリスはそれを狙って武器のトリガーを引いた。

『スプラッシュシュート!』

 水の力を凝縮した弾丸が、ネオ・ブラックローグ目がけて放たれた。だがその高速の弾丸をネオ・ブラックローグは強靭な脚力でかわし、イリスの体に跳びついて押し倒し、のしかかってきた。

「お兄ちゃん!レイ!・・・きゃっ!」

 イリスに注意が向いたキリアを、別のネオ・ブラックローグが襲う。イリスにのしかかるネオ・ブラックローグはその口を開き、びっしりと生えた牙でイリスの顔を狙う。

『くっ・・・なんて馬鹿力・・・!』

「くそっ・・・はな、せ・・・!」

 必死にもがくイリスを嘲笑うように吠えると、ネオ・ブラックローグは一気にイリスに噛みつこうとした。だがその時、ネオ・ブラックローグの頭部に何かが直撃し、驚いた怪物はイリスの体から飛びずさった。

『今のは・・・ッ!β、あれ!』

 起き上がったイリスが目にしたのは、怒り狂って吠えるネオ・ブラックローグと、その周囲から攻撃を仕掛けるマグマスコーピオンとグリーンビートルだった。程なく遠くの方から、カグラとミュウが駆け寄ってくる。

「少年達、遅れてごめん!」

「カグラさん、ミュウ!よかった、助かりました!」

「やっぱり、ブラックローグで襲ってきた奴らだったね。でも・・・あの姿、前とは違うような・・・」

 以前とは違うブラックローグの姿に、ミュウが疑問の声を上げた。その一方で、カグラは早くも両手に剣を握り締め、目の前の敵に鋭い視線を向けている。

「ミュウ、すぐにミナミ達にこのことを知らせてきて。通信も妨害されてるし、どうやら奴ら、厄介な敵みたいだし・・・!」

「わ・・・分かりました!」

 カグラの指示を受け、ミュウが虹崎家に向かって走り出す。それと同時にカグラは剣を手に、目の前の敵に突っ込んでいく。

「レイさん、選手交代させてください。キリア、行けるか!?」

「うん!任せて、お兄ちゃん!」

『ゴールドアーマー!』

 イリスはキリアと合体してゴールドアーマーとなり、手にしたハンドアックスモードのプラモデラッシャーでネオ・ブラックローグに挑みかかった。ファルコが宇宙船の反応を追って現場に辿り着いたのは、まさにその時であった。

「遅かったか・・・奴らめ、やはり活性剤を・・・」

 苦々しく吐き捨てたファルコの目の前で、イリス達とネオ・ブラックローグの戦いは続いた。ゴールドアーマーとなったイリスはそのスピードで敵を翻弄するも、怪物達も強化された身体能力でイリスの速さに追いつき、執拗に牙を突き立てようとする。

「キリア、奴の尻尾を狙え。もし切り落とすことができれば、それなりのダメージになるはずだ!」

『分かった、やってみる!』

 イリスは敵の猛攻をかわし、猛スピードで怪物の尻尾を目掛けて走り出した。怪物が尻尾を鞭のように振り払ったが、イリスは紙一重でそれをかわして両手の武器を振るい、その尻尾を切り落とした。

「ギャアアアアアアアアッ!」

「よし、うまくいった!」

 苦しそうな吠え声を上げながら、ネオ・ブラックローグがのたうち回る。その隙を見逃さず、イリスはバックルにフィニッシュカードを読み込ませた。

『Read Complete.Be prepared for maximum impact.』

 電子音声と共に、イリスの体が金色の光に包まれる。イリスはバックルのボタンを押すと、体を独楽のように回転させながら敵の体を切り裂いた。

『ゴールドフィニッシュ!』

 高速で体を何度も斬り刻まれ、さしものネオ・ブラックローグも息絶えた。断末魔の叫びと共に、その体が地面に倒れ伏す。

「やっと・・・一体・・・!」

「やるな、さすがイリス。だが・・・これならどうだ?」

 ナキアが指をパチンと鳴らした、次の瞬間。カグラ達と戦っていたネオ・ブラックローグの一体の背中から、巨大な羽が生えてきた。羽が生えた怪物は耳をつんざくような声で吠えると、空を猛スピードで飛びながらレイとカグラに体当たりを仕掛けた。

「きゃっ!・・・まさか、空も飛べるようになるなんて・・・!」

「ネオ・ブラックローグは見ての通り、天地のいずれにおいても高い戦闘力を持つ。さあ・・・生き延びてみせよ」

 ナキアがレイに言葉を返すや否や、二体のネオ・ブラックローグが空と地上からイリス達に攻撃を仕掛けてきた。イリス達は防戦一方となり、その激しい攻撃をかわすだけで精一杯になっていく。

 さらに悪いことに、イリスの6つの合体形態で最も体力を消費するゴールドアーマーでの戦いが長引いたことで、誠人の体が悲鳴を上げ始めていた。空から襲い来る怪物の攻撃を高速移動でかわした直後、彼の体が大きく前のめりになった。

『お兄ちゃん、大丈夫!?』

「ああ・・・そろそろ、キツイかも・・・!」

 誠人がキリアに言葉を返した、次の瞬間。上空のネオ・ブラックローグが口から高周波を放ち、それが直撃したイリスの体が大きく吹き飛ばされ、変身とキリアとの合体が解除された。

「β!」

「キリア!」

 倒れこんだ二人にレイとカグラが駆け寄ろうとしたが、二人の前に地上で活動するネオ・ブラックローグが立ちはだかる。もう一体のネオ・ブラックローグは誠人達にとどめを刺そうと、再び口から高周波を放った。

「危ない!」

 攻撃が避けきれないと悟り、せめてキリアだけでも守ろうと、誠人は彼女の体に覆いかぶさった。だがその時、様子を見ていたファルコが苦い表情で誠人の前に飛び出し、左手に付けた機械から光の壁を放射してネオ・ブラックローグの高周波を防いだ。

「・・・!あなたは・・・?」

「説明は後だ。さあ、こっちに」

「え?ちょ、ちょっと!」

 ファルコは誠人の左腕を掴むと、有無を言わせずその腕を引っ張り、その場から去っていった。

「あ、待ってよ!・・・きゃあっ!」

 慌ててその後を追おうとしたキリアに、ネオ・ブラックローグが攻撃を仕掛ける。イリスに変身できる誠人が不在となり、三人の刑事はますます苦しい戦いを強いられることとなるのだった。

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