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チーム・イリスの事件譚  作者: 髙橋貴一
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第26話「言葉の刃」アバン

第26話です!今回は、この小説を書き始めた頃から書きたいと思っていた、いくつかのエピソードのうちの一つをお送りします!

「つまり・・・技術部が当初の予定よりも早く完成させてしまい、功を焦って本部に届け出ることなく、私達に送ってしまったと・・・?」

 突如として何者かから届けられた、デュアルの力を格段に高めるアイテム・フュージョントリガー。シルフィがその調査を依頼してから10日ほどが経ったある日、ジョージから調査結果の報告が届いた。

「ああ。内部調査を行った結果、数人の技術部スタッフが設計図を盗み出し、勤務時間外に秘かに製作を行っていたらしい。経緯はどうあれ、完成品が結果を出してしまえば、それは当然技術部の手柄となるからね」

「じゃあ、このフュージョントリガーは・・・」

 ディアナがシルフィの体の主導権を握り、怪訝そうな表情で声を上げた。彼女の手には、ジョージから送り返されてきたフュージョントリガーが握られている。

「私も認めたくはないが、当初のビジョン通りに作られた完成品だ。中をくまなく調べてみたが、特に不審物などの混入も見られない。それは、今後も君達が持っていてくれたまえ。その方が、よほど有益だろう」

「承知いたしました。では、これは私達が・・・」

「うむ。今後も頼んだぞ、ベンブリッツ刑事」

 シルフィにそう言葉を返すと、ジョージは通信を打ち切った。シルフィはふうと小さなため息をつくと、通話を聞いていた誠人達に向き直る。

「どうやら、そういうことのようでございます」

「ふーん・・・なーんか話ができすぎてるような気もするけど・・・」

 ジョージの言葉にどこか胡散臭さを感じ、キリアが訝しそうに声を上げた。

「でもまあ、ガイルトン長官が私達に嘘をつく理由もないでしょうし、ひとまず信じてもいいんじゃないですか?」

「僕もそう思います。確かにいろいろ腑に落ちないことはあるけど、その力は使える人が持っていた方が絶対にいい」

 その一方で、ミナミと誠人はシルフィ達のフュージョントリガーの所有に肯定的な見方を示した。レイも小さくうなずきながら、シルフィの肩に手を置いて言った。

「頼んだわよ、二人とも。その力で、これからもβを守ってあげて」

「は・・・はい!」

「おお、任せな」

 シルフィとディアナが、代わる代わるレイに言葉を返す。その言葉に頼もしさを感じ、レイは小さく笑みを浮かべるのだった。



「将軍、ご覧いただけましたでしょうか。フュージョントリガーを使用した、デュアルの力を」

 その夜。皆が寝静まったことを確認すると、レイはGPブレスを使って自室で何者かと通信していた。

「うむ、まさに今目にしているところだ。このような物を短期間で作れるとは、さすがは銀河警察の科学力だ」

 将軍、と呼ばれた制服姿の壮年の男性が、目の前のモニターに映るライトニングハリケーンのデュアルの戦いを見ながら答えた。

「この高度な科学力が、我々オケアノス人のために使われればどれだけ喜ばしいことだろうか。君もそうは思わないか、360号?」

「はい・・・まことに、その通りで・・・」

「ならば、君もそろそろ星のために役に立つべきだ。母親を喪い、弟と妹を抱えて困窮していた君を助け、銀河警察の一員にまでしてあげたのは、一体誰かね?」

 射抜くような男の視線に、画面越しとはいえレイの表情がこわばった。彼女はその体を小さく震わせながら、必死に男に言葉を返す。

「それは・・・将軍、あなたでございます・・・」

「なら、その恩は粉骨砕身して返せ。・・・君も知っての通り、フラマーとの関係が再び緊張し始めている。休戦協定が破棄され、再び戦争が始まる可能性も出てきた。その時・・・先の大戦では中立の立場だった銀河警察が、味方となってくれれば非常に心強い。そうは思わないかね?」

「はい・・・役目は、十分理解しています・・・」

 声を震わせながらも必死に絞り出されたレイの言葉に、男は満足そうに笑みを浮かべた。

「期待しているぞ、360号。君の働きが、いずれ我が星を救うかもしれぬ。・・・オケアノスに栄光を」

「オケアノスに・・・栄光を・・・」

 レイがそう言い終わると同時に、通信は打ち切られた。彼女は布団を頭からかぶると、震える体を必死に抱きしめた。

「私は・・・オケアノス人・・・・・・全ては・・・我が故郷(ふるさと)のために・・・・・・!」

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― 新着の感想 ―
[一言] 前回あたりで不穏なフラグたててたらレイさんいきなり来るのか…確かにタテたフラグはすぐ回収しろが特撮なきがする
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