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チーム・イリスの事件譚  作者: 髙橋貴一
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第22話「重なる体、交わる想い」アバン

第22話です!今回は前回から続き、誠人とミナミの甘酸っぱい(?)物語をお届けします。

 地球に復帰したばかりのミナミを気遣い、彼女との合体を避けて宇宙からの襲撃者を倒した誠人。しかしその行いが、かえってミナミの心を深く傷つけてしまうことになった。

「誠人さん、私言いましたよね?私はもう、十分休んだんです!もう十分、今までのように戦えるんです!だからさっき、合体して一緒に戦おうって、そう言ったんですよ!」

「ミナミ、僕は・・・」

 感情のままにまくしたててきたミナミに、誠人は何か言葉を返しかけた。だが彼はため息と共に首を横に振ると、吐き捨てるように呟いた。

「もういい。今の君と話したところで、きっと僕の気持ちは分からない」

「分かってないのはそっちじゃないですか!人の気持ちを知りもしないで、新しい力に夢中になっちゃって!」

「・・・!何を・・・!」

「ど、どうしよう・・・二人とも、収まりつかなくなっちゃってるよ・・・!」

「うん・・・二人がここまで喧嘩するの、キリアも初めて見た・・・」

 これまでに見たことのない二人の大喧嘩に、ミュウとキリアが怯えたように声を上げる。そんな二人の目の前で、誠人達の喧嘩はなおも続いた。

「私はただ、誠人さんのお役に立ちたいだけです!そう思うことの何がいけないんですか!?」

「今の君はその気持ちが強すぎる。だからあんな無茶を平気でやるんだ!」

「無茶なんてしてません!それを言うなら、完成したばかりの新型ドライバーを気軽に使ってる誠人さんの方が、よっぽど無茶をしてますよ!」

「だ・・・誰が気軽に使ってるもんか!・・・分かったぞ、君は僕が合体相手に自分を選ばないから、拗ねてむきになってるだけだ。子供じゃあるまいし、駄々をこねるのはよせ!」

 と、その時だった。突然誠人とミナミの顔に、大量の冷水が浴びせかけられた。

「・・・いい加減にして。それ以上喧嘩したいんだったら、家の外でやって・・・!」

 ずぶ濡れになった二人に声をかけたのは、怒ったような顔で右手を伸ばしたレイであった。彼女は二人の喧嘩を止めるために、空気中の水分を水に変えて二人に浴びせたのだった。

「二人とも、熱くなりすぎだ。少し、頭を冷やした方がいい」

 二人の肩に手を置いて諭すように言ったカグラだったが、ミナミはその手を乱暴に払いのけた。

「私・・・そんなに間違ったこと言いましたか?私・・・私は・・・!」

 ミナミは一同を見渡して声を震わせながら言うと、顔を伏せて自分の部屋に駆けていった。その後を、キリアとミュウが慌てて追いかけようとする。

「ミナミ!」

「ミナミ先輩!」

「ほっときなさい。カグラの言う通り、今のあの子には頭を冷やす時間が必要なのよ」

 二人に言葉をかけて引き留めると、ソフィアは呆れたような顔で誠人に視線を向けた。

「それにあなたも、もう少し言い方というものがあったでしょう。いくらミナミが心配だからって、あの言い方じゃね」

「僕は・・・ただ・・・!」

 誠人もミナミ同様顔を伏せて震える声で呟くと、リビングを飛び出していった。

「少年!」

 カグラが背中から声を投げかけても、誠人はリビングに戻らなかった。立て続けに飛び出していったミナミと誠人を見て、ソフィアがため息交じりの声を上げる。

「まったく・・・子供ね、二人とも・・・」



 その頃。関東某所に着陸した一隻の宇宙船で、スーツを纏った一人の男が手にした球体を見つめていた。球体からは光が放たれており、その光と共に宇宙文字が宙に表示されては消え、新たな文字が浮かび上がっていく。

「カイ、本社からの指示ですか?」

 船内にいたスーツ姿の女が、男に声をかける。カイと呼ばれた男は球体を操作して文字を消し、女の方へ振り向いた。

「ああ。早急にユナイト持ちの少年を確保しろとのことだ。・・・行くぞメル。全てはネビュラカンパニーのために」

「ええ、ネビュラカンパニーのために」

 そう無機質な言葉を返すと、メルは両手に炎を纏わせた。それを見て小さく笑みを浮かべると、カイはその手に雷を宿らせるのだった。

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