第20話「闇を切り裂く、太陽の輝き」アバン
第20話です!今回は、いわゆる「中間フォーム登場回」ともいうべき内容となっています。
誠人達がかつて倒したテロリストの妹・アミーが、復讐のために地球に来訪。誠人とミナミに攻撃を仕掛けてきた。
シルフィが変身したデュアルと共にアミーを追い詰めた誠人達だったが、それこそがアミーの卑劣な作戦であった。他人が触れただけで体が爆発してしまう小型爆弾・ショッキングボムを体内に埋め込まれ、それが齎す苦しみに悶えるミナミ。ミナミを救うべく戦うイリスであったが、アミーの剣術に手も足も出ず、完全なる敗北を喫してしまった――
「ミナミ・・・がんばれ・・・がんばれ・・・!」
「うっ、ううっ・・・うあああああああああああっ!!」
体内のショッキングボムが齎す激痛に、ミナミは目をかっと見開きながら体を大きくのけぞらせた。彼女は涙に濡れた目に誠人を捉えると、彼に向けて力なく手を伸ばす。
「ミナミ!!」
悲痛な声を上げながら、誠人はなんとかミナミの方へと這っていった。思わず彼女の手を掴もうとした誠人だったが、その時脳裏にソフィアの言葉が蘇る。
『触ったら、他の人みたいに爆発するわ!』
その言葉を思い出し、誠人はすんでのところで手を引っ込めた。一方のミナミは訴えかけるようなまなざしで、必死に誠人に手を伸ばし続ける。
「誠人さん・・・私、もう・・・・・・駄目です・・・・・・」
「そんなこと言うな・・・待ってろ、すぐになんとかする!」
ミナミを励ますためにそう言った誠人だったが、彼にも打開策は何一つ思い浮かばなかった。そんな彼の心中を知ってか知らずか、ミナミがさらに手を伸ばそうとする。
「誠人さん・・・・・・どうか、手を取ってください・・・・・・このまま、痛みに悶えて死ぬくらいなら・・・・・・いっそ・・・誠人さんの手で・・・・・・」
「やめろ・・・そんなこと・・・そんなこと言わないでくれ!」
誠人はミナミから顔を背けると、デュアルとアミーに視線を向けた。アミーは両手の剣を交互に振るってデュアルの体を切り裂き、そのダメージで彼女の変身を解除させてしまっていた。
「うあっ!くっそ・・・!」
地面に転がるディアナが、紫と翠の目でアミーを睨み据える。今度はカグラが剣を手にアミーに挑みかかるが、アミーは剣から緑色の衝撃波を放ち、カグラの足元に直撃させて大きく吹き飛ばした。
「カグラ!・・・坊や、今度は私と・・・」
「無駄よ。何度試したところで、あなた達じゃ私には勝てない。・・・でも、一度だけチャンスをあげる。ミナミ・ガイアを助けるチャンスをね」
『ミナミを助けるチャンス』。その言葉に、誠人は身を乗り出すようにして尋ねた。
「あるんだな?ミナミが助かる方法が、確かにあるんだな!?」
「ええ、もちろん」
誠人の言葉にうなずくと、アミーは懐から黒いリモコンのような物を取り出した。
「これを使えば、ショッキングボムの機能を停止することができる。機能さえ止めてしまえば、体に触れても爆発はしないし、手術で除去することも可能。ただし・・・・・・これを渡すには、条件があるわ」
「条件・・・?それは何だ?」
誠人の問いかけに、アミーは冷酷な笑みと共に答えた。
「銀河警察が、お姉ちゃんを殺した罪を償うこと。正式な謝罪と賠償、それが認められたら、これを渡してあげる」
「くっ・・・できないと、分かっていながら・・・!」
その条件を聞いたレイが、口惜しさと憤りが入り混じった表情で吐き捨てる。それを見てふっと笑うと、アミーは左腕の装置を操作し始めた。
「詳細は追って連絡するわ。・・・安心して、そいつが死なないうちに、ちゃんと連絡してあげるから。じゃあ、またね」
その言葉を最後に、アミーは一同の前から姿を消した。呆然とそれを見届けた誠人の耳に、苦痛にうめくミナミの声が突き刺さる。
「ミナミ・・・ミナミ!」
「うっ・・・ああっ!ああああああああああああああああっ!!」
ミナミは全身に走る激痛のために、もはや言葉を発することもできなかった。どうすることもできず立ち尽くす誠人だったが、その時彼の体を手でどけた者がいた。
「どいて、坊や」
それは、いつになく鬼気迫る表情を浮かべたソフィアであった。彼女はその右手に黄色い光を宿し、それをミナミの顔に向けて放射する。すると光に包まれたミナミは叫ぶのをやめ、目を閉じてピクリとも動かなくなった。
「ソフィア・・・何したの?」
急に静かになったミナミを見て、キリアが心配そうにソフィアに尋ねた。
「ミナミの意識を一時的に消失させた。まあ簡単に言えば、今の彼女はブレーカーが落ちてる状態。根本的な解決には程遠いけど、少なくとも今は、痛みも何も感じないはず」
「ソフィアさん・・・・・・ありがとうございます」
先ほどとは打って変わって穏やかな表情で眠るミナミに、誠人は小さく安堵のため息をついた。だがすぐに、彼は厳しい現実に引き戻される。
「でも、いつまでもここで寝かせるわけにはいきません。どうやって、ミナミ先輩をここから運びましょうか?」
ミュウの言葉に、一同は黙り込んだ。彼女の言うことももっともで、ミナミを安全な場所に運ぼうにも、どの道その体に触れる必要がある。
「・・・あまりやりたくないけど、これしか手がなさそうね」
苦々しく声を上げると、ソフィアは手にしたリモコンのような装置のボタンを押した。すると一同の上空に、彼女が保有している銀河警察の旧式戦闘機、通称プロトGPウィングが轟音と共に現れ、騒然とする街中に降り立った。
「私が念力で、ミナミに触れずに機内まで運ぶわ。さあ、急ぐわよ」
そう言うが早いか、ソフィアは手から放つ念力で、ミナミに触れずにその体を宙に浮遊させ、機内に運び込んだ。誠人達もそれに続いてGPウィングに乗り込んでいき、最後にディアナがカグラに担がれて搭乗を済ませると、GPウィングは再び轟音と共に空へ飛び立つのだった。




