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チーム・イリスの事件譚  作者: 髙橋貴一
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第18話「活力の捕食者」アバン

第18話です!今回は物語のちょっとした箸休めであり、同時に新たな展開が動き出す始動編ともいうべき内容になっております。


 7月も終わりが近づき、誠人達の通う私立神宮学園高校も夏休みを迎えた。例年ならば胸が躍るお待ちかねの長期休みなのだが、今の誠人はそんなことは言っていられない。

(この夏は、勝負の夏。もっと、勉強しなきゃ・・・)

 夏休みの初日にもかかわらず、誠人は朝早くから起きて勉強に励んでいた。残り半年を切った試験に向けて、一日たりとも無駄にはできない。

「坊ちゃま・・・誠人お坊ちゃま」

 その時、誠人はドアを叩く音、そして自分を呼ぶ声に気づいた。ペンを走らせるのを止めて部屋のドアを開けると、そこにはメイド服を纏ったオッドアイの女性の姿があった。

「あ・・・おはようございます、シルフィさん」

「おはようございます、誠人お坊ちゃま。朝食ができましたので、キッチンへどうぞ」

 誠人の母・茜に雇われ、先日から家政婦としてこの家に出入りするようになったシルフィ。初めは突然のことで戸惑っていた誠人だったが、今では家事のほとんどを彼女に任せきりになっている。

「ああ、はい。・・・シルフィさん、今日もその格好なんですね」

「ええ。この星の文化や風習を学んでいたところ、このような服があると知りまして・・・刑事という身分を隠し、家政婦の役に徹するには、まずは形から、と思ったものですから」

 彼女も口にした通り、あくまでシルフィの本業はミナミ達と同じ刑事である。だがあまりにも家政婦としての姿が板につきすぎており、正直どちらが本業か分からなくなる時が誠人にはある。

「はは、なるほど・・・じゃあ、行くとしますか」

 そう言うと、誠人はシルフィと共にダイニングキッチンに向かった。キッチンのテーブルの上にはまるでパーティー会場のように、とても一人では食べきれない量の料理がずらりと並んでいた。

「な・・・何ですか、これは・・・?」

「茜様より、誠人お坊ちゃまの受験勉強がはかどるよう、精のつく料理をたくさん出してほしいと仰せつかっております。ですので、とりあえずたくさん作ってみたのですが・・・」

「いやいや、『たくさん出す』って、一度にたくさん出せってことじゃないと思うんですけど・・・」

 誠人がツッコんでも、シルフィはキョトンとしたような表情を浮かべるのみだった。と、その時――

「うーん、いい匂い・・・わあ!これはまた豪華な朝ごはんじゃないですか、シルフィ!」

「すっごーい!キリアの家の朝ごはんみたーい!」

 料理の匂いを嗅ぎつけたミナミとキリアが、あまりに豪華な朝食を見て子供のように目を輝かせた。二人の後から入って来たレイも、テーブルにぎっしり載せられた料理を見て目を丸くする。

「これ・・・全部シルフィが?」

「ええ。さあ、冷めないうちに召しあがってくださいませ。ほら、誠人お坊ちゃまも」

「は・・・はい・・・ははは、こりゃすごい・・・」

 乾いた笑いを上げながらも、誠人はミナミ達ともに席に着き、箸を取った。

「じゃあとりあえず、いただきます・・・」

「いただきます」

「「いただきまーす!」」

 誠人達が箸を手に取り、料理を味わおうとしたまさにその時。家の玄関のドアが乱暴に開けられ、息も絶え絶えのカグラがキッチンに飛び込んできた。

「はあっ、はあっ・・・おはよう、みんな・・・」

「カグラさん・・・一体、どうしたんですか?」

 あまりに突然の事態に、誠人は箸を置いてカグラに問いかけた。すると返ってきたのは、全く予想もしていない言葉だった。

「大変だ・・・ミュウが・・・ミュウが倒れた!」

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[一言] シルフィ、ポンコツだったのか…(大体察してた
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