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チーム・イリスの事件譚  作者: 髙橋貴一
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第16話「疾風怒濤の新刑事」前編

「いかんなあ、これは」

 地球から遠く離れた、宇宙の果てにある人工惑星。そこに建つ巨大なビルの一室で、一人の壮年の男性が物憂げに声を上げた。

「『いかん』、とは、一体何がいけないのでございますか、社長?」

 同室していた銀髪の青年が、男性の言葉を受けて問いかける。社長と呼ばれた男は忌々しそうに表情を歪めると、手にした書類を若者に投げ渡した。

「これを見たまえ。先月末時点の、今年の我が社の兵器部門の損益計算書だ」

「これは・・・なるほど。確かにいけませんなあ、これは」

 書類の数字を見た瞬間、若者はため息混じりに言葉を返した。

「我が社が始まって以来の大赤字だ。特に後払いで契約していた連中による損害が著しい」

「後払い、といいますと・・・・・・ああ、その大半はいかがわしい連中でしたね」

「そのいかがわしい奴らが商品を仕入れ、向かった先の大半がここ、惑星テラだ」

 男性は席の近くにあったモニターを操作し、そこに地球の座標を表示させて浮かび上がった地球の映像を棒のような物でコツコツと小突いた。

「テラといえば、最近妙な噂が飛び交っていますね。なんでもその星に、これまでとは比較にならない能力のユナイト持ちが、確認されたとかされないとか・・・」

「そのユナイト持ちを捕まえて、一獲千金を夢見るのはまあいい。だが、我が社の商品の代金を踏み倒すのは見過ごせぬ。特にソルジャーロイド、あれは決して安い商品ではないのだぞ?我が社の科学者達が手塩にかけ、膨大なコストをかけて丹精込めて作ったロボット、それなりの値段でこちらも売っている。それを承知で買っておきながら、代金を払わないとは・・・」

「『払わない』ではなく、『払えなくなった』、の方が正確かもしれません」

 青年の言葉に、男性は眉を上げて問いかけた。

「どういうことかね?」

「実は私も、テラについては少し調べていました。すると明らかになったのが、銀河警察の存在です」

「銀河警察・・・?テラに銀河警察の拠点はないはずだが」

「お忘れですか社長?新商品であったライトニングボールの生産が中止となった時、我が社に圧力をかけたのは銀河警察でした。そしてその時ライトニングボールを作っていた、リード星人ボル・ドナー。彼もまた、ソルジャーロイドの代金を踏み倒して現在行方知れずですが、銀河警察に始末された、という噂も聞いています」

「・・・つまり、テラで銀河警察が動いていると、そう言いたいのかね?ファルコ」

「いかにも。・・・どうでしょう?私がこの目で、テラの様子を確かめてくるというのは。・・・ちょうど、ユナイト持ちを捕まえて一獲千金を目論む者達から、商品の注文を受けていましてね」

 ファルコと呼ばれた青年が、意味深な笑みを社長に向けた。それを見て彼の意図を察すると、社長も小さな笑みを浮かべる。

「よかろう。行ってくるがいい、ファルコ。我がDOE社でトップの売り上げを叩き出している君の目を、今回も見込ませてもらうとしよう」

 ファルコは社長に頭を下げると、社長室を後にした。靴音を響かせて廊下を歩きながら、彼は手に持つタブレットに地球の情報を浮かび上がらせる。

「テラ、か・・・・・・ようやく、この星の大地を踏めるというわけだ。ふふ・・・・・・」



 一方その頃、件の地球では――

「母さん、これは一体どういうことなの!?」

 シルフィをとりあえず家に上げると、誠人は茜に電話して問い詰めた。

「だって、誠人君受験生でしょ?いくら誠人君が大丈夫って言ったって、やっぱりお母さん、あなたには受験勉強に集中してほしいのよ。だ・か・ら、ミナミさん達の世話を見てくれる家政婦さんを、一人雇おうと思ったってわけ」

「その気持ちはありがたいけど、それならそうと事前に相談の一つでも・・・」

「あ!ゴクラクチョウが来た!・・・というわけで誠人君、お母さん撮影で忙しいから、この話はまた今度。勉強頑張ってね」

「あ、ちょっと母さん・・・!」

 誠人の制止を聞くことなく、茜は通話を打ち切った。誠人は小さくため息をつくと、シルフィのもとへと戻る。

「とりあえず、母から一通りの話は聞きました。家事を手伝ってくださるということで・・・」

「ええ。誠人お坊ちゃまには、受験のための勉強に集中していただければと思います」

「ま・・・誠人お坊ちゃまって・・・・・・」

 今まで呼ばれたことのない二人称に、誠人は困惑の表情を浮かべる。一方のシルフィはそれに気づかず、気合十分といった表情で勢いよく立ち上がった。

「さて!そうと決まれば、さっそく仕事に取りかからせていただきます!」

「そ、そうですか・・・・・・じゃあ、まずは家の案内を」

 彼女の勢いに半ば押されながらも、誠人は気持ちを切り替えて家を案内し始めた。そんな二人の様子を、ミナミ達が物陰からじっと見つめている。

「こりゃまた、変なのがやってきましたね・・・」

「家政婦って・・・お手伝いさんってこと?キリアの家には一杯いたけど・・・」

「そんなことより・・・二人とも、気づいてる?」

 レイの問いかけに、ミナミは重々しくうなずいた。

「ええ。あのシルフィって女、どう見たってこの星の人間じゃありませんね・・・」

 自分も地球人ではないせいか、ミナミはシルフィがこの星の人間でないことを一目見て悟っていた。そしてそれは、レイとキリアも同じであった。

「じゃあ、一通り家の中は案内しましたので、今度はうちの同居人に・・・うわっ!」

 シルフィに家の中を見せた誠人が戻ってきたとき、三人は彼を物陰に引きずり込んだ。

「な・・・何すんだ、ミナミ・・・」

「誠人さん、あの女受け入れちゃっていいんですか?・・・なーんか怪しい気がするんですけど」

「怪しいって・・・まあ確かに驚いたけど、母さんが雇ってくれた家政婦さんだ。無下には扱えないだろ」

「でもβ、あの女どう見たってこの星の人間じゃない。エイリアンを簡単に家に上げるのは、危険だと思うけど?」

「それを言ったら、無理やり押し掛けて住み着いたお二人はどうなんですか?」

 冷静な誠人のツッコみに、心当たりのあるレイとミナミはギクッとした表情を浮かべた。すると一同の背後から、シルフィが声をかけてきた。

「あの・・・お話は済みましたでしょうか?」

 その言葉に、四人は一瞬心臓を鷲掴みにされたかのような感触を覚えた。それをごまかすかのように、誠人が作り笑いを浮かべてシルフィの方へ振り返る。

「え、ええ・・・・・・あ、紹介します。こちらが、母も言っていましたが、うちの同居人達です」

「初めまして、シルフィさん!私はミナミ・ガイア、いずれ誠人さんの伴侶となってベッドを共にする仲になる予定の・・・」

「それ以上言うな!話がややこしくなる!」

 顔を恥ずかしさで真っ赤にしながら、誠人がミナミの言葉に割って入った。そんな二人を尻目に、レイとキリアが淡々と自己紹介を済ませる。

「どうも。レイ・オケアノスです」

「キリア・ブリジット・ゴルドスタイン。気軽にキリアって呼んでいいよ」

「ミナミ様に・・・レイ様に・・・キリア様、ですね。かしこまりました。これからどうぞ、よろしくお願いいたします」

 手にしたメモ帳に三人の名前を書くと、シルフィは三人に慇懃に頭を下げた。そんな彼女を見ながら、誠人は三人に小声で言葉をかける。

「ほら、あんなにまじめな人じゃないですか。それを疑うなんて、やっぱり僕には・・・」

「うーん・・・まあお兄ちゃんがそう言うなら、キリアもあの人のこと信用してみよっかな」

「こ・・・こらキリア!あんたどっちの味方で・・・!」

「さて!同居人の皆様方にもご挨拶したことですし、さっそく仕事を始めたいと思います。まずは何をすればよろしいでしょう?」

 一同の会話を打ち切るように、シルフィがやる気に満ちた表情で勢いよく問いかけてきた。

「あ・・・じゃあ、夕飯のおかずに使う食材を買って来てもらえますか?」

「はい、喜んで!・・・と言いたいところなのですが、先ほども申し上げました通り、私この辺りにはとんと不慣れなものでして・・・・・・もしよろしければ、誠人お坊ちゃまにこの辺りを案内していただければありがたいのですが・・・」

「ああ、それくらいならいいですよ」

「ちょっ、β・・・!」

 レイが誠人の手を引っ張ると、無理やり自分の方を向かせた。

「今度は何ですか、レイさん・・・?」

「いきなりあの女と二人きりは、危険すぎる。もし何かの罠だったら・・・」

「疑り深いなあ、レイさんは。大丈夫です、何かあったら誰かを呼びますから」

 そう小声で言葉を返すと、誠人はシルフィの方へ振り返った。

「じゃあ行きましょうか、シルフィさん」

「はい!よろしくお願いいたします、誠人お坊ちゃま!」

 シルフィは表情をほころばせると、誠人と共に虹崎家を後にした。その後ろ姿を見ながら歯噛みするミナミを尻目に、レイはシルフィの表情からあることを感じ取っていた。

(何かを隠してる・・・・・・あの女、一体何者なの・・・・・・?)


☆☆☆


 それから、数十分後。誠人はシルフィを連れ、最寄りの商店街を訪れていた。

「ここが商店街です。スーパーもあれば八百屋や果物屋、魚屋もありますから、食材を買うのに困ることはほとんどないです」

「かしこまりました。では、本日はあちらのスーパーで、お買い物と行きましょう」

「え!?こ、このまま・・・?」

 シルフィの言葉に、誠人は思わず表情を歪めて声を上げた。それを不思議そうに見ながらシルフィが問いかける。

「あの・・・何かまずいことでもございましたか?」

「い、いや・・・・・・ただ、その・・・シルフィさん、その服装で・・・?」

 今時珍しいメイド服の女性の姿に、ここに来るまですれ違った人の多くが誠人の方を振り返った。今でも好奇の目でこちらを見る者が多く、スーパーマーケットに行こうものならさらに多くの人目に触れるのは必定であった。

「ええ。私、このいで立ちが気に入ってしまいましたもので・・・・・・故郷の星では、このような格好などしたことがありませんでしたから・・・」

「故郷の、星?」

 誠人の言葉に、シルフィははっと我に返ったような表情を浮かべた。

「い・・いえ、なんでもございません!・・・さあ、スーパーに参りましょう、誠人お坊ちゃま!」

「あっ・・・ちょ、シルフィさん!」

 誠人の手を引きながら、シルフィは大股で歩き始めた。そしてついに、二人はスーパーマーケットに辿り着いた。

「さあ、ここで食材を仕入れるとしましょう。誠人お坊ちゃま、今日はどのような夕飯をお考えで?」

「え、ええ・・・・・・今日は、鯖の味噌煮でも作ろうかと・・・」

 と、その時であった。突然二人の近くから爆発音のような音が聞こえてきた。

「何だ?・・・っ!あれは・・・!」

 振り返った誠人が目にしたのは、地面に大きな穴を開けて着地したかのようなポーズをとる、二人の異形の宇宙人の姿だった。人々が悲鳴を上げて逃げ惑う中、二人は誠人を見て声を上げる。

「見つけたぞ、兄貴。あれが俺達の捜すガキだ」

「そうだな、ザン。我らクリムゾンブラザーズの新たな獲物は、あの小僧で間違いない」

 そう言葉を交わしながら、二人の異星人は誠人に歩みを進めてくる。誠人はシルフィをかばうように、彼女の前に立って問いかける。

「お前達・・・ユナイトハンターか!?」

「左様。我らはクリムゾンブラザーズ。俺が兄のレグ・クリムゾン」

「そして俺が弟、ザン・クリムゾン。俺達がこれまで捕らえたユナイトは99人。記念すべき100人目が・・・お前だ、虹崎誠人」

「生憎だけど、捕まる気はないね。・・・シルフィさん、今のうちです、逃げてください」

 クリムゾンブラザーズに言葉を返しながら、誠人は背後のシルフィにささやきかけた。だが、彼女から返ってきた言葉は意外なものだった。

「いえ・・・誠人お坊ちゃまこそ、お逃げください。ここは・・・私が・・・!」

 と、その時。シルフィが突然苦しそうなうめき声を上げ、その体が前のめりになった。額を手で押さえながら、シルフィが先ほどとは別人のような声を発する。

「あ・・・あなたは、引っ込んでなさい!・・・誠人お坊ちゃま、さあ早く!ここは・・・私にお任せを!」

「シルフィさん・・・大丈夫ですか?」

「へっ。さっきから何やってんだお前ら!?」

 ザンがじれったそうに声を上げると、湾曲した剣を手に誠人達に襲い掛かってきた。

「危ない!」

 シルフィを突き飛ばして攻撃を回避すると、誠人はGPブレスから光弾を発射してザンの注意を引き、彼女から遠ざけようとした。その意図を知ってか知らずか、ザンは誠人に向かって攻撃を開始する。

「よし、上手く引き付けた・・・・・・ミナミ、聞こえるか!?」

 クリムゾンブラザーズを人気のない路地に誘き出すと、誠人はすぐにミナミに連絡を取った。

「誠人さん、どうしたんですか!?」

「ユナイトハンターに襲われてる!ミナミ、合体頼んだぞ!」

 そう言うが早いか、誠人はイリスバックルを腰に装着した。それと同時にザンが攻撃を仕掛けてきたが、誠人はそれを紙一重でかわしてグランドのカードをバックルにスキャンさせる。

「ユナイト・オン!」

『Read Complete』

「来た来た来た!じゃあ私、行ってきまーす!」

 歓喜の声を上げると同時に、ミナミの体が黒い鎧となって一瞬で誠人のもとへと移動した。そして鎧は誠人の体を包むイリススーツに装着され、複眼が赤い輝きを放つ。

『震える大地!グランドアーマー!』

『さあ・・・行っきまっすよー!』

 誠人との合体が完了すると、ミナミはプラモデラッシャーを手にクリムゾンブラザーズに戦いを挑んだ。激しく火花を散らす両者の姿を、物陰からシルフィがじっと見つめている。

「あれが・・・イリス・・・・・・」

 彼女の紫と翠の瞳が見つめる中、イリスは徐々にクリムゾンブラザーズに押され始めてきた。兄弟であるザンとレグは息の合ったコンビネーションを見せ、イリスの攻撃をさばいて強力な反撃を仕掛けてくる。

『くっ・・・やりますねえ、この二人・・・!』

「はっ!当然だろ?俺と兄貴は一心同体、まさに無敵のコンビなんだよ」

「俺達に捕らえられない獲物はない。大人しく、捕まるがいい!」

 レグが槍を振るいながら、イリスとの距離を詰めて攻撃を仕掛けてくる。それをなんとかかわしたイリスだったが、今度はその死角からザンが襲い掛かってくる。

「うっ!・・・こうなったら選手交代だ。キリア、行けるか!?」

「うん!お兄ちゃん、キリアを呼んで!」

 誠人はイリスバックルを再度待機モードにすると、ホルダーからゴールドのカードを取り出した。そして掛け声と共に、カードをバックルにかざす。

「ユナイト・オン!」

『Read Complete.高貴なる輝き!ゴールドアーマー!』

 ミナミと分離したイリスに、今度はキリアが姿を変えた鎧が合体する。金色の姿になったイリスは持ち前のスピードで高速戦を仕掛け、クリムゾンブラザーズの二人を翻弄する。

「あ!カグラ先輩、あそこです!」

「よし!少年、ミナミ達、助けに来たよ!」

 さらにそこに、カグラとミュウがミナミ達の加勢に駆け付けた。クリムゾンブラザーズの二人は背中を合わせ、イリスや刑事達と対峙した。

「ここは退くが上策だ。ザン!」

「ああ、任せとけ兄貴!おりゃああああああああああっ!!」

 二人は背中を合わせたまま高速で回転し、その場に土煙を起こしてイリス達の視界を覆った。その土煙が晴れると、二人が立っていた場所には大きな穴が開いていた。

「地面に穴を開けて逃げた、ってことかい?」

「そうみたいですね。しかし・・・恐ろしい敵だった」

 キリアとの合体を解除した誠人が、カグラに言葉を返しながら言葉を震わせた。

「あの兄弟、驚くほど息の合ったコンビネーションでした。今回は向こうが退いてくれたけど、次もこうなるとは限らない・・・!」

「そうですね。・・・あ、誠人さん、シルフィはどこですか?」

 その言葉に、誠人ははっとシルフィのことを思い出した。目の前の敵との戦いに集中するあまり、彼はシルフィのことをすっかり忘れてしまっていた。

「あ、そうだ・・・シルフィさん!どこですか!?」

 誠人は大声を上げながら、シルフィを捜し始めた。一方のシルフィは物陰に隠れながら、誰に言うともなく声を上げていた。

「あれがイリスの力・・・やはり、旧世代のドライバーでは、あの程度が限界、か・・・・・・」

 そう言うと、彼女は手にした銀色のベルトバックルのような物を握り締めた。だがそれも一瞬のこと、シルフィはバックルを懐に隠すと、身を潜めていた物陰から姿を現した。

「ま・・・誠人お坊ちゃま!」

「シルフィさん!良かった・・・無事だったんですね!?」

「ええ、なんとか・・・・・・それよりお坊ちゃま、お怪我はございませんか!?」

「ああ、僕なら平気です。それより、もう今日は家に戻りましょう。色々と、大変な目に遭わせちゃいましたね」

 そんな会話を交わす二人の姿を、近くの建物の屋上からソフィアがじっと見つめていた。彼女はルナスネークを肩に乗せながら、シルフィに視線を向けて呟いた。

「あの女、なかなかおもしろい奴みたいね。・・・これはまた、一波乱あるかしら・・・?」



「ちっ・・・まんまとしてやられたな、兄貴」

 その頃。イリス達から逃れたクリムゾンブラザーズの二人は、街の下水道を抜けてとある川のほとりに辿り着いていた。

「ああ。だがそれもそれで面白い。あそこまで歯ごたえのある奴は久しぶりだ。これは腕が鳴る」

 と、その時だった。二人のもとに、靴音を響かせて一人の男が姿を現した。

「これはどうも。クリムゾンブラザーズのお二人、ですね?」

「あんたは・・・確かDOE社の・・・」

 銀髪の男の顔を見て、レグが思い出したように声を上げた。

「いかにも、DOE社のファルコと申します。頼まれていた商品をお届けに上がりました。お受け取りください」

 そう言うと、ファルコは手に持っていたアタッシュケースを地面に置き、その蓋を開けた。すると中に収められていた輸送用ドローンが宙に浮遊し、地面に光を放射して大量のソルジャーロイドを召還する。

「おお、待ちかねたぜ。これであの奇妙なユナイト持ちを捕まえられる」

「なるほど。あなた方も、例のユナイト持ちがお目当てで?」

 ソルジャーロイドを見て声を弾ませるザンに、ファルコは目を底光りさせながら尋ねた。

「ああ。ついさっき兄貴と一緒に、腕試しがてら襲ってみた。あのガキ変なベルトを使って、次々と違う奴と合体してたぜ」

「少々面食らったが、今度はそうはいかない。行くぞザン。・・・悪いが代金は、ユナイト持ちを売った後に払わせてもらうぞ」

「ええ、構いませんとも。それでは、幸運を」

 ファルコが慇懃に頭を下げると、レグとザンはソルジャーロイドを引き連れて去っていった。ファルコは頭を上げると、その背中を冷たい瞳で睨み据えた。

「さて・・・どうなることでしょうね?いずれにせよ、見届けさせてもらいますよ・・・」

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