第16話「疾風怒濤の新刑事」アバン
第16話です!今回から、物語は新たなる展開を迎えることになります。タイトルにもありますが、新たなキャラクターの登場にご注目ください!
日本から遠く離れた、とあるジャングルの奥地。そこに張られたテントの中で、誠人の母である茜がある人物と電話していた。
「ええ、面倒を見ていただきたいのは私の息子・・・というよりも、その同居人の三人のお嬢さんかしらね。ほら、息子は大丈夫って言ってるんだけど、受験生ってこと考えると、ちょっとね。・・・ええ、じゃあ早速明日から、よろしくお願いしますね。それでは」
電話を切ると、茜は安堵したように小さくため息をついた。すると現地の案内人が、コーヒーを差し出しながら茜に話しかけてきた。
『息子さんが心配?』
『ううん・・・息子のことは心配じゃないんだけど、今年は大事な年だから。だから、親としてもできることはしてあげたくて』
男性に言葉を返すと、茜は受け取ったコーヒーをそっと口に含んだ。コーヒーカップから口を離すと、彼女は誰に言うともなく言葉を漏らす。
「頑張ってね、誠人君。大変なのは、これからよ・・・・・・」
「お前ら・・・少しは掃除手伝えよ!」
翌日。虹崎家のリビングに、誠人の怒号が轟いていた。
「まあまあ誠人さん、今日はお休みなんですから、掃除なんて後でゆーっくりとしましょうよ、ゆーっくりと」
「そうだよ、お兄ちゃん。お休みの日くらいのんびりしなきゃ、体も心も持たないよ?」
「だからって散らかしすぎだ!それに、いくら休みだからってだらけすぎだよ二人とも!」
リビングはお菓子の袋や脱ぎ捨てられた衣類、読み捨てられた雑誌や漫画などで足の踏み場もない状態になっていた。無論このような状態にした犯人は、誠人に怒鳴られているミナミとキリアに他ならない。
「βの言う通り。私達、この家に住まわせてもらってるんだから、家事くらい手伝わないと」
「まあまあ、レイもそんな堅いこと言わずに。それより、せっかく休みなんですから、どこかに出かけてぱーっと遊びませんか、誠人さん?」
「あ、それ賛成!なんだったらミュウ達も誘って、みんなで遊びに行こうよ、お兄ちゃん!」
「ふぅ・・・だから、それよりまずするべきことが・・・」
と、その時であった。誠人の言葉を遮るように、玄関のチャイムが鳴った。
「こんな時に誰だ?・・・はーい、ただいまー」
誠人は掃除の手を一旦止めると、すぐに玄関へと向かった。
「お待たせし・・・まし、た・・・」
玄関のドアを開けた瞬間、誠人は思わず言葉を詰まらせた。ドアの向こうには翠色の髪を三つ編みにし、左右の瞳の色が違う若く美しい女性が、メイド服を纏って立っていた。
「あ・・・あの、どちら様で・・・?」
「急な訪問、誠に申し訳ございません。あの・・・こちらは、虹崎誠人様のお宅でよろしいでしょうか?」
どこか緊張しているような表情で、女性が誠人に問いかけた。女性の美しさに圧倒されながらも、誠人は何とか言葉を返す。
「え、ええ・・・そうですけど・・・」
「ああ、それはよかった!私、この辺りにはとんと不慣れなもので、もう一時間ほど迷子になってしまいまして・・・」
「は、はあ・・・」
一人喜びの声を上げる女性とは対照的に、誠人は困惑の表情で彼女を見つめた。するとそれに気づいたのか、女性は居住まいを正して自己紹介を始めた。
「申し遅れました。私は、シルフィ・ベンブリッツ。虹崎茜様の依頼で、こちらにやってまいりました」
「え・・・?母さんの?」
誠人が驚きの声を上げると、シルフィと名乗った女性は微笑みながらうなずいた。彼女は紫色の右目と翠色の左目で誠人を見つめながら、ある衝撃的な一言を口にした。
「はい。今日からこちらで、家政婦をさせていただきます!」
「え?・・・ええええええええええええええええっ!?」




