第11話「友のために」後編
「キリア・・・・・・キリア、応答しろ。・・・駄目だ。全っ然通じない・・・」
一方。虹崎家では誠人が何度もキリアのGPブレスに通信をかけていたが、キリアがそれに応じることはなかった。
「誠人さん、心配しすぎです。ほっときゃいいんですよ、キリアの都合なんて」
「でも・・・あの時のキリア、なんだかすごく重い顔してた・・・」
家を出る直前、キリアが見せた思いつめたような表情。それを思い出すだけで、誠人は言いようのない不安に襲われるのだった。
「やっぱり、放っておくことなんてできないって!」
と、その時。誠人のGPブレスに、一本の通信が入った。
「カグラさん・・・?はい、誠人です!」
「少年!急で悪いけど、すぐ家まで来てくれない?・・・変なんだよ、ミュウの様子が!」
「え・・・?」
「カグラさん!ミュウは!?」
連絡を受けてから、10分足らずのこと。誠人はミナミに頼んで彼女が運転するイリスピーダーに乗せてもらい、カグラの家に急ぎ駆けつけた。
「あ、少年、ミナミ!それがもう・・・あんな感じで・・・」
困り果てた表情でカグラが指さす先には、リュックサックから荷物を乱暴に取り出し、それを地面に投げつけるミュウの姿があった。彼女の部屋は物が散乱し、足の踏み場もないような状態となっている。
「キリアちゃん・・・『明日は楽しい一日にしようね』って、そう言ってくれてたのに!」
ミュウは目に涙をにじませながら、怒りの表情で手にした敷物を地面に叩きつけた。続いてリュックサックの中から弁当箱を取り出し、力強く振り上げる。
「ひどいよ・・・ひどいよ、キリアちゃん!」
「よせ、ミュウ!」
誠人はミュウのもとに駆け寄ると、その両手を掴んで無理やり下に降ろした。
「やだ!放してよ!」
「落ち着けって!それを投げ捨てちゃったら、お前絶対後悔するぞ!」
誠人の言葉に、ミュウははっと我に返って手にした弁当箱に視線を向けた。キリアと食べるために一所懸命作った、二人分の昼弁当。それをじっと見つめるミュウの瞳から、一筋の涙がこぼれた。
「キリアちゃん・・・キリアちゃん・・・・・・!」
ミュウは床に頽れると、声を上げて泣き始めた。困ったように視線を向け合うミナミとカグラをよそに、誠人はミュウの頭を優しく撫でるのだった。
「そっか・・・それは、ショックだったな」
数分後。ようやく泣き止んだミュウから事情を聞き、誠人が慰めるように言葉をかけた。
「キリアちゃん、一体どうしちゃったんだろ・・・・・・もしかして、ボクとの約束なんて、どうでもよくなっちゃったのかな・・・」
暗い表情でそう口にしたミュウの言葉を、カグラはすぐさま否定した。
「そんなことあり得ない。だって、あの子だってあんなに楽しみにしてたじゃないか」
「カグラさんの言う通りだ。ミュウ、キリアはきっと、どうしても行かなきゃいけない事情があったんだ。・・・君との約束は、絶対に忘れてはいないはずだ」
その言葉に、ミュウは重々しくうなずいた。それを見て安堵のため息をつく誠人だったが、一つ解せないことがあった。
「問題は、その事情ってのが何なのか、ということですよね。・・・そういえば誠人さん、キリアが家を飛び出したのって、あいつのスマホに着信があってすぐのことじゃありませんでした?」
「そういえばそうだな。・・・もしかして、それが何か関係してるのかも!」
「どうやらそうみたいね、坊や」
その時、誠人の耳に聞き覚えのある声が飛び込んできた。一同が声のした方へ振り向くと、そこにはいつのまにかやって来ていたソフィアの姿があった。
「ソフィアさん!・・・なんでここに?」
「忠告に来たの。あのキリアって子、今すっごく危ない状況かも」
「え・・・?それ、どういうことですか!?」
ミュウが身を乗り出してソフィアに尋ねたのと、ほぼ同時刻のこと。キリアはミルと共に、かもめボウリングの建物の中に入っていた。
「追われてる?」
「うん・・・ミル、ゴルドスタインにはもういられなくなって、それでこの星に来たの。銀河警察に入ったキリアが、仕事でこの星に来てるって聞いて・・・助けてもらおうと思って」
「そうだったんだ・・・」
事情はよく分からないが、ミルが自分を頼りにしてくれていることだけは分かった。かつての親友が自分を頼ってくれている、それだけで、キリアはとても嬉しかった。
「ねえキリア、ミル達、友達だよね?助けてくれるよね?」
「うん、もちろん!キリアは、友達のことぜーったい見捨てない!事情はよく分からないけど、助けてあげる!」
キリアのその言葉を聞き、ミルの目から涙があふれ出した。
「ありがとう、キリア・・・・・・これ、覚えてる?」
涙を拭いながら、ミルは懐からある物を取り出した。それは純銀で作られた、矢じりを模したペンダントだった。
「それ、中学の卒業祝いでキリアが贈ったやつ・・・・・・嬉しい、まだ大事にしてくれてたんだ!」
「うん、大事にしてるよ」
そう言うと、ミルはおもむろにキリアに抱き着いた。そしてその耳元で、ぞっとするほど低い声で囁く。
「今は、こういう風に使ってるけど」
次の瞬間、ミルはペンダントをキリアの首に突き立てた。するとキリアの体に痺れるような痛みが走り、体の自由が奪われていく。
「ミ・・・・・・ル・・・・・・?」
物の数秒で、キリアは口を利くことすら困難な状況に陥った。そんな彼女を嘲るような目で見ながら、ミルはズボンのポケットから取り出したスマホである人物に電話をかけた。
「成功したよ。さあ、早く引き取りに来て」
☆☆☆
「ほら、ここに写ってるこの女の子。この子今、裏社会じゃちょっとした有名人なのよねぇ」
一方。カグラの家に現れたソフィアが、ルナスネークがかもめボウリングで記録した映像を映し出して誠人達に見せていた。
「あ・・・この子!」
「どうしたミュウ?何か知ってるのか?」
ミルの顔を見るなり叫ぶように言ったミュウに、誠人が問いかけた。
「うん!この子、キリアちゃんが故郷の星で一番の親友だったって言ってたの。・・・確か、ミルって言ってたかな・・・」
「その通り。この子の名はミル・レヴァエッジ・ゴルドスタイン。キリアの実家のブリジット家に次ぐ富豪だった、レヴァエッジ家の令嬢よ」
「・・・富豪『だった』?」
ソフィアのその言い方に、カグラがある可能性を思いついて尋ねた。
「ということは、今はそうじゃないってことですか?」
「ええ。レヴァエッジ家は一年ほど前、家業だった輸出事業に大失敗して、今じゃ多額の負債を抱えてあちこちの星を転々としてるの。巷じゃ彼らのことを、『夜逃げ富豪』、なんて呼んでる奴らもいるとか」
「前置きが長いです!さっさと本題を言いなさい!」
いきり立って口をはさんできたミナミに肩をすくめると、ソフィアは再び話し始めた。
「じゃあ、ここからが本題。ミルは沈みゆく実家を見捨てて、ある組織の一員になったの。誘拐や脅迫で小遣い稼ぎをしてる、ブラックミストとかいう小悪党の一員にね」
ソフィアがGPブレスを使い、ブラックミストの情報をホログラムで映し出す。その一方で、ミュウは先ほどのソフィアの言葉に嫌な予感を抱いていた。
「誘拐・・・脅迫・・・まさか、ミルの目的は・・・!」
「ええ。キリアを誘拐して、身代金でもせしめるつもりかしらね。・・・ああ、そういえば最近、ブラックミストの宇宙船らしきものが、地球周辺で目撃されたってニュースもあったわね」
「な・・・!」
あっけらかんと言ってのけたソフィアに、一同が驚きの声を上げた。ミナミが責めるような口調でソフィアを問い詰める。
「あんた!なんでそういうことをもっと早く言わないんですか!?」
「あら。スペース・タイムスの記事ぐらい取ってるかと」
「喧嘩は後にして!今はとにかく、この二人の所に向かいましょう!」
大声で発せられた誠人の言葉に、カグラとミュウがうなずいた。特にミュウはキリアの身を案じ、もう居ても立っても居られない状態になっている。
(キリアちゃん・・・どうか、無事でいて・・・!)
☆☆☆
数分後。かもめボウリングの近くに一隻の宇宙船が降り立ち、そこから数人の宇宙人が現れて建物の中に入っていく。
「待ってたよ。さ、早く連れてこう」
宇宙人達を出迎えながら、ミルが地面に転がるキリアを指さす。キリアはミルのペンダントに塗られた毒で体を一時的に麻痺させられ、その隙に手足を縄で縛られて完全に身動きが取れなくなっていた。
「ミル・・・なんで?なんでこんなことするの!?」
ようやく口を利けるようになったキリアが、ミルに言葉を投げかける。ミルは冷酷な笑みを浮かべながら、キリアの目と鼻の先にかがみこんだ。
「ねえ、キリアって恵まれてるよね。お父様の稼ぎもいいし、ブリジットの生まれってだけでやりたいことなんだってできるし」
そこで一旦言葉を切ると、ミルは恨むような視線をキリアに向けた。
「それに比べて、ミルってほんっと恵まれない環境に生まれちゃった。パパが家業に失敗して借金まみれになって、今じゃどこの星にいるのかも分かんないんだよ。・・・ねえ、これって不公平だって思わない?なんで・・・なんであんたばっかりいっつも恵まれてるわけ?」
「ミル・・・・・・ねえ、もうこんなことやめよ?」
かつての親友の変貌ぶりに心を痛めながらも、キリアはミルを説得しようとした。
「今なら・・・まだ引き返せる。キリアと一緒に、銀河警察に自首しよ?そうすれば・・・」
「そうすれば、何?それで、ミルの人生救われるの?昔みたいに、またお金に困らず暮らせるっての?馬鹿言わないでよ」
キリアの言葉を嘲笑すると、ミルは仲間の方へ振り返った。
「これ以上は時間の無駄。早く連れてこう」
ミルの言葉に、ブラックミストのメンバー達がキリアの方へ歩みを進める。と、その時――
「やめろ!」
突然、建物の中に少年の声が響き渡った。何事かと一同が振り返ると、そこにはソフィアの案内でこの場所にやってきた誠人とカグラ、そしてミュウの姿があった。
「お兄ちゃん!・・・ミュウも・・・!」
「キリアちゃん!・・・よかった、無事だった・・・!」
キリアの姿を見るなり、ミュウは安堵の声を漏らした。彼女は表情を引き締めると、カグラと共にGPブレスを戦闘モードにしてミルに突き付ける。
「銀河警察だ!誘拐未遂の現行犯で、逮捕する!」
「言っとくけど、抵抗は無駄だよ!お前達の宇宙船は、もうボク達の仲間が制圧してる!」
「な、銀河警察!?」
そう聞いただけで、ブラックミストのメンバーの大半は戦意を喪失し、両手を上にあげた。ミュウの言葉通り、外で待機している宇宙船は、ミナミとソフィアによって制圧されている。
「ったく、なんであんたなんかと一緒に・・・」
「しょうがないでしょ?あの坊やがそう言ったんだから。・・・でもまあ、こういうのも久々でいいじゃない」
「フン、どこが・・・」
そんな会話を交わしながら、ミナミとソフィアは宇宙船に残っていたブラックミストのメンバーを降伏させた。これで全てのメンバーが降伏した、と思われたが、ミルだけは違う反応を示した。
「チッ、臆病な奴ら・・・・・・でも、ミルにはこれがある・・・!」
不甲斐ない仲間達にそう吐き捨てると、ミルは懐から球体のような物を取り出した。それを胸に押し当てると、球体は自動的に銀色の鎧となって、ミルの体の上から装着される。
「な・・・何だ、あれ・・・?」
「ふふっ。パパが万一のために作ってくれた、ミル専用のパワードスーツ。これさえあれば、いくら銀河警察の刑事が相手でも・・・!」
うめくように声を上げた誠人に、ミルが得意げに説明する。剣を手に歩み寄ってくるミルに、ミュウはGPブレスを突き付けながら問い詰めた。
「ミルちゃん・・・なんでこんなことを?キリアちゃんは、君の大切な友達だったんでしょ!?」
「うん、そうだよ。・・・でも、この立場になってよーく分かった。結局この世の中、お金に勝るものなんてないんだって。・・・友情?絆?そんな形のないもの大事にしたところで、一銭の得にもならないっつうの!」
「そんな・・・・・・ミル・・・・・・!」
かつての親友が発した言葉に、キリアの目から涙がこぼれた。その涙を見た瞬間、ミュウの怒りは頂点に達した。
「だから・・・キリアちゃんをさらって、お金に換えようとしたってわけ!?だとしたら・・・・・・ボクは君を、絶対に許さない!」
「許してくれなくて結構。どうせもうすぐ、死ぬんだしね!」
ミルは手にした剣を振りかざしながら、ミュウ達に襲い掛かった。二人と誠人が威嚇のために放ったGPブレスの光線も、彼女の身を守るパワードスーツに簡単に弾かれてしまう。
「埒が明かない・・・カグラさん!」
「おう!」
誠人はミルの攻撃をかわしながらイリスバックルを装着し、ホルダーからフレイムのカードを取り出した。そしてバックルを待機モードにし、手にしたカードを読み込ませる。
「ユナイト・オン!」
『Read Complete.燃え盛る業火!フレイムアーマー!』
誠人はカグラと合体してフレイムアーマーのイリスとなり、双剣モードのプラモデラッシャーでミルに立ち向かう。その隙にミュウがキリアのもとに駆け寄り、GPブレスから発せられる熱の刃でキリアを縛る縄を断ち切った。
「ミュウ・・・ごめんね。キリア・・・約束破っちゃった・・・」
心から申し訳なさそうに謝罪するキリアに、ミュウは首を小さく横に振った。
「いいんだよ、キリアちゃんが無事なら。それより、早くここから逃げよう!」
キリアに肩を貸して逃げようとしたミュウだったが、その時ミルの剣の一撃を受けたイリスが二人の前まで吹き飛ばされてきた。
『くっ・・・あのパワードスーツ、相当な威力だね・・・』
「ええ。ミル本人は、おそらくそこまで強くはないはず。・・・となると、あのスーツに秘密があるとしか・・・!」
苦々しく言葉を発するカグラと誠人とは対照的に、ミルは冷酷な笑みを浮かべてイリスに迫る。とその時、キリアが全身の力を振り絞り、ミュウの肩を離れてミルの前に立ち塞がる。
「ミル!・・・これ以上、あなたに罪は重ねさせない。ここからは・・・・・・キリアが相手だよ!」
「キリアちゃん・・・?駄目だよ、早くこっちに!」
ミュウがキリアのもとに駆け寄って退避させようとするが、キリアは首を横に振った。
「お願いミュウ!このけりだけは・・・キリアにつけさせて!」
そう叫ぶように言ったキリアの目には、確かな決意が宿っていた。それを見たミュウは小さくうなずくと、キリアのそばから離れる。
「へえ・・・いいんだ?立ってるのがやっとって感じだけど?」
「だとしても・・・ミルを止められるのは、きっとキリアだけ!・・・お兄ちゃん!」
「ああ。行くぞ、キリア!」
イリスは立ち上がるとバックルのボタンを押し、再度待機モードにした。そしてホルダーから取り出したゴールドのカードを、力強くバックルにかざす。
「ユナイト・オン!」
『Read Complete.高貴なる輝き!ゴールドアーマー!』
カグラの体がイリスから分離され、替わってキリアの体が鎧と化して、イリススーツに装着される。ゴールドアーマーとなったイリスは、バックルにゴールデンホークを召還するカードを読み込ませた。
『Start Up、Golden Hawk』
召還されたゴールデンホークが二つのパーツに分かれ、イリスが両手に持つプラモデラッシャーにそれぞれ合体する。強化された武器を両手に握りしめると、イリスは目の前のミルを鋭く睨み据えた。
『行くよ・・・ミル!』
キリアが叫ぶと同時に、イリスは高速移動しながら一気にミルに迫り、プラモデラッシャーを振り下ろした。ミルもパワードスーツによって引き上げられた身体能力でそれを受け止めようとしたが、イリスのスピードはその反応速度をはるかに上回っていた。
『はあっ!』
「うっ!」
イリスの武器が炸裂し、ミルは大きく後退を余儀なくされた。彼女は剣を杖にしながら、忌々しそうにイリスを睨みつける。
「どうして・・・?さっきまで、立ってるのがやっとだったのに・・・!」
「ミル・・・今のキリアを動かしてるのは、これ以上君に罪を重ねさせまいとする、強い思いだ!」
イリスの仮面の下から、誠人がミルに向かって言葉を投げかけた。その言葉に力強くうなずきながら、ミュウも叫ぶように声を上げる。
「さっき君が馬鹿にした、形のないもの・・・・・・それは時に、形あるものよりも強い力を生むんだ!」
「くっ・・・うわあああああああああああああっ!!」
グロッキーになったミルが、最後のあがきとばかりに剣を振り上げて駆け出す。それを見たイリスはフィニッシュカードを取り出し、バックルとプラモデラッシャーに連続でスキャンさせた。
『Read Complete.Be prepared for maximum impact.』
『Read Complete.Be prepared for maximum impact.』
プラモデラッシャー、そしてイリスの全身が、金色の光に包まれる。全身に力がみなぎると、イリスはバックルのボタンを押した。
『ゴールドフィニッシュ!』
イリスは体を独楽のように高速回転させ、手にした武器でミルの体を連続で切り裂いた。そして一瞬動きを止めると、今度はプラモデラッシャーのトリガーを押す。
『ゴールドストリーム!』
『やああああああああああっ!!』
イリスは武器をクロスさせ、一気にミルの体を包む鎧を切り裂いた。ゴールデンホークとの合体、さらに必殺技の二重使用によって限界まで強化されたその一撃は、ミルのパワードスーツを切り裂き消滅させることに成功した。
「うっ・・・あっ・・・・・・」
体を守る鎧が消えたことで、ミルは完全に戦意を喪失した。力なく倒れこんだ彼女を、イリスは無言で見つめるのだった。
☆☆☆
それから、数分後。カグラの連絡により駆けつけた銀河警察の職員によって、ミルを始めとするブラックミストのメンバーは拘束され、連行されていった。
「ミル!・・・罪を償ったら、また・・・・・・会おうね」
ミュウの肩を借りながらそう言ったキリアに、ミルは一瞬小さな笑みを向けた。程なく彼女達を乗せた銀河警察の宇宙船は、誠人達の前から飛び去っていった。
「ミュウ・・・・・・本当に・・・本当にごめんね!キリア、ミュウのこと傷つけちゃった・・・・・・本当に、ごめんなさい・・・!」
友との約束を破った自分を責めながら、キリアはミュウに頭を下げた。ミュウはその謝罪を受け止めると、キリアの肩にそっと手を置いた。
「知ってる?キリアちゃん。布谷フラワーパークって、夜のライトアップがすっごく綺麗なんだって」
「え・・・?」
涙に濡れた瞳を上げたキリアに、ミュウは優しく微笑みかけた。
「約束、まだ終わってないよ。・・・一緒に行こう、夜のフラワーパークに」
その言葉に、キリアは胸が熱くなった。彼女は目元の涙を拭うと、弾けるような笑顔で言葉を返した。
「うん!行こう、一緒に!」
そして、その夜。二人は約束通り、布谷フラワーパークを訪れていた。
「うわあ・・・綺麗・・・・・・」
「うん・・・こんなに綺麗な光景、ボク初めて見たかも・・・」
夜の闇を照らす光が、花々を美しく彩ってゆく。その幻想的な光景に、二人は感嘆の声を上げた。
「はい、キリアちゃん。お弁当、一緒に食べよ」
「うん・・・ありがとう、ミュウ」
ミュウが敷物に置いた弁当箱から、ミュウはサンドイッチを手に取って口に含んだ。どこか優しい味と食感が、目の前の光景と共にキリアの心を癒していく。
「キリアちゃん・・・ボク達、ずっと友達だよね?」
「うん!ずっと・・・ずっと友達でいようね、ミュウ!」
永久に変わらぬ友情を、ミュウとキリアは誓い合った。そんな二人を祝福するかのように、目の前の花々が光に灯され、美しく輝くのだった。
第11話、いかがだったでしょうか。
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