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チーム・イリスの事件譚  作者: 髙橋貴一
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第10話「復讐の槍」アバン

第10話です!いよいよ、基本6フォームとも呼ぶべき6つの姿を揃えることができました。

今後も物語は続いていきますが、今回は序盤の山場の一つですので、ぜひご覧ください!

 かつてミナミの仲間を殺した、危険なテロ組織・ゼロワールド。彼らの攻撃を受けて絶体絶命の窮地に陥ったミナミと誠人を救ったのは、かつてミナミの教官だった女・ソフィア・ルン・ブラーンであった。

「ソフィア・・・あんた、何をする気ですか!?」

「決まってるでしょ?この子の体、少し借りるのよ」

 そうミナミに言い放つと、ソフィアは誠人の胸ぐらを掴んで片手でその体を持ち上げて見せた。そして誠人の腰のイリスバックルに、自ら生み出したGPカードをスキャンさせる。

「やめなさい!・・・やめろおおおおおおおおおおっ!!」

『Read Complete』

「うっ・・・うわああああっ!うああああああああああああああああああっ!!」

 強制的なソフィアとの合体は、誠人の体に大きなダメージを与えた。そんな彼の体を包むイリススーツに、ソフィアが変化した黄色い鎧が合体する。

『ムーンライトアーマー!』

 新たな姿となったイリスはバックルに拡張パーツを投げ込み、槍型のプラモデラッシャーを作り出した。そしてその紫の複眼を、ゼロワールドの首領であるクリム・レギオンに向ける。

『さあ・・・ゲームの始まり』

 ソフィアはそう口にすると、槍を振り回してクリムに迫った。そうはさせじとゼロワールドの戦闘員が立ちはだかり、光線銃を連射するが、イリスは槍を振り回してその攻撃を弾き、一気に彼らのもとに駆け寄ってその槍の錆にしてゆく。

「ふむ・・・なら、これではどうかな!?」

 クリムが両手をイリスの方へ突き出した瞬間、イリスの体がオレンジ色の光に包まれ、その身動きを止めた。体が締め付けられる感覚に襲われながらも、ソフィアは全く動じることなく言った。

『なるほど・・・重力操作ってわけ?ふふっ、軽いもんね』

「あ・・・あんたにとっちゃ軽くても、誠人さんにとっては大ダメージになりかねないんです!早く何とかしなさいよ!」

 戦いを見守るしかないミナミが、イリスに向かって叫びかける。その必死な様子を見て、ソフィアは小さくため息をつく。

『ふぅ・・・はいはい。じゃ、遊びはここまで』

 イリスが槍を持つ右手を突き上げると、その体を捕らえていた重力の光はあっという間に崩れ去った。そしてイリスはプラモデラッシャーを握り直し、クリムに向かって勢いよく投げつける。

「ウッ!」

 槍はクリムの体に直撃はしなかったが、その左腕をかすって青い血が噴きこぼれた。負傷した腕をもう片方の手で庇いながら、クリムは地面に着地したイリスを睨みつけた。

「おのれ・・・次に会う時を楽しみにしておれ!」

 そう捨て台詞を口にすると、クリムは懐から取り出したボールを地面に叩きつけた。するとボールから白煙が上がり、イリスが追撃しようと駆け寄った時には、敵の姿は跡形もなく消えていた。

『逃がした、か・・・・・・まあいいわ』

 ソフィアはそう言うと、誠人との合体を解除した。誠人はソフィアとの合体で心身共に大きなダメージを受けており、その表情は朦朧としていた。

「どうせあいつの死ぬ時が、ほんの少し延びただけのこと」

 そう言い捨てると、ソフィアはその場から去ろうとした。すると誠人の体と意識が限界を迎え、その場に倒れこんだ。

「あ・・・誠人さん!」

 ミナミは倒れた誠人のもとに駆け寄ると、その体を抱えながら必死に呼びかけ続けた。

「誠人さん!しっかりしてください、誠人さん!・・・ソフィア、あんたなんてことを・・・!」

 その場を去ろうとしていたソフィアだったが、ミナミが自分に怒りの視線を向けていると分かると、足を止めて彼女の方へ振り返った。

「大袈裟ね、疲れて気絶してるだけよ。・・・それより、命の恩人に向かってその態度はないんじゃない、ミナミ?」

「誰が・・・誰があんたなんかを恩人と思うかってんですよ!」

 ミナミは誠人の体を地面に横たえると、怒りの声を上げながらソフィアに殴りかかった。レイ達が学園に到着したのは、まさにそんな折であった。

「あれは・・・やっぱり、ソフィア・・・!」

 バイクのヘルメットを外したレイが、ミナミに襲われるソフィアを見て思わず声を上げる。そのソフィアはミナミの攻撃を軽やかにかわし続けると、一瞬の隙をついてミナミの足に自分の足を引っかけ、彼女のバランスを崩して転倒させた。

「あっ!・・・くっ・・・!」

 地面にしたたかに体を打ちつけたミナミが、その痛みにうめき声を上げる。そんな彼女を呆れたような目で見下ろすと、ソフィアは煽るように言葉を発した。

「相変わらず、身も心も弱い子ねえ。そんなんでよく、銀河警察の刑事が務まるものだわ」

 そう言い捨てると、ソフィアはレイ達の方に歩みを進めた。四人が息を飲んで身構えるも、ソフィアは一瞬レイの目を見つめただけで、彼女達を素通りして去っていった。

「あれが・・・ソフィアさん・・・」

 圧倒的な存在感を放つソフィアの後ろ姿を見送りながら、ミュウが呆然と声を上げる。四人は一瞬彼女の姿に目を奪われていたが、キリアがはっと我に返って声を上げる。

「あ・・・お兄ちゃん!ミナミ!」

 二人の方へ駆け出したキリアを見て、他の三人も我に返って二人のもとに駆け寄る。キリアはレイと共に誠人の方へ、カグラとミュウはミナミの方に向かう。

「お兄ちゃん!お兄ちゃん!」

「とりあえず病院に。キリア、救急車」

「う・・・うん!」

 レイの指示を受け、キリアがすぐに救急車の手配をする。その一方で、カグラはミュウと共にミナミのもとへと辿り着いた。

「大丈夫かい?ミナ・・・!?」

 助け起こそうとしたカグラの手を、ミナミは乱暴に払いのけた。彼女は再び地面に倒れ伏すと、拳を握り締めて地面を力いっぱい叩きつけた。

「うああああああああああっ!ああああああああああああああっ!!」

 その目に悔し涙をにじませて叫びながら、ミナミは何度も地面を殴った。その拳の皮が破け、血まみれになってもなお、彼女は地面を殴り続けるのだった。

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