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チーム・イリスの事件譚  作者: 髙橋貴一
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第1話「出逢い」アバン

初めまして、髙橋貴一と申します。


この度、完全オリジナル小説である『チーム・イリスの事件譚』を、pixivと同時連載させていただくこととしました。


1話1話が長い作品ですので、各話ごとに「アバン」、「前編」、「後編」と分けて投稿していきます。毎週土曜日の20時に1話ずつ投稿し、全51話の連載を目指しています。


もしよろしければ、評価やコメントをいただければ幸いです!

 宇宙人、異世界人、モンスター、ロボット兵器。

 そんなもの、フィクションの産物だとずっと思い続けてきた。――そう、今日までは。


「誰か・・・誰か助けてええええええええええっ!!」

 僕は『そいつら』から一生懸命逃げ続けたけど、気付けば僕の周りを、無数のロボットが取り囲んでいた。その全てが青く光る目で僕を見据え、手にした銃をこちらに向けている。


 ――もう、終わりなんだ。僕のたった18年の人生は、今日この時をもって終わりを告げる。まだまだやりたいことはたくさんあるし、叶えたい夢だってある。・・・でも、その全てが今日、いきなり終わりを迎えるんだ。


(もう・・・だめだ・・・・・・)

 もう精魂尽き果て、体をわずかに動かすこともできない。覚悟を決めて目をつぶった、その時だった。


「行きなさい!ランドタイガー君!」


 突然、その場に一人の若い女性の声が響いた。そして周囲から、何かが壊れるような音が聞こえてくる。

「・・・?」

 何事かと顔を上げた僕は、目の前の光景に言葉を失った。小さな黒い虎のような機械が、吠え声と共に僕を取り囲むロボットに襲い掛かり、次々と破壊していったのだ。


 そしてどこからか、ゴスロリのような衣装を身に纏った一人の少女が現れ、ロボット達に左手を突き出した。すると左手にはめられたブレスレットのような物から黄色い光線が発射され、次々にロボット達に命中して爆発させていった。


「何なんだ・・・一体・・・?」

 もはや呆然とするしかない僕の方へ、全てのロボットを破壊した少女が振り向いた。美しい灰色の髪を背中まで伸ばしたその少女の瞳は、見る者全てを魅了するような不思議な輝きを秘めていた。

「大丈夫ですか?お怪我はありませんか?」

 少女は僕の方に駆け寄ると、体に触れながら問いかけてきた。その体から発せられる甘い香りが、僕の鼻腔を刺激する。

「う・・・うん。大丈夫、だと思う・・・」

「ああ、よかった・・・・・・あなたの身に何かあったら、文字通り私の首が飛んじゃうんですよぉ、ええ。・・・ねえ、ランドタイガー君」

 少女は少し大げさなリアクションを取ると、肩に飛び乗った虎のような機械にそう声をかけた。虎はそれに応えるように、一声小さく吠えた。


「あの・・・君は一体、何者なの・・・?」

「ああ、まだ名乗っていませんでしたね」

 僕の問いかけにそう声を上げると、少女は居住まいを正して僕に告げた。

「銀河警察太陽系支部所属、ミナミ・ガイア。あなたを守るために、はるばる宇宙からやってまいりました!てへっ♪」


 左手で敬礼するようなポーズを取りながら、少女は僕にウィンクした。それが僕――虹崎誠人(にじさきまこと)とミナミ・ガイアの、初めての出会いだった。

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