喰う者
第1章4話
黄金のミノタウロス編
黒黄金へと変化し先程までとは明らかに強さが増していく。
「まさか俺の魔法を喰らったのか?こんなことをできるモンスターや魔法は知らない。完全に未知な新種と言うことか!!」
スピードはどんどん上がっていく、敵対した瞬間からフィンリルのスピードと同等だったミノタウロスは今ではフィンリルの目では追いつくことの出来ない程は素早くなっている。
ミノタウロスの大剣は黒雷を纏い、大剣から放たれる斬撃は徐々にフィンリルの鎧に傷をつけていく。
フィンリルが着用する鎧はアダマンタイトとオリハルコンの合金鋼を使用していることから、大抵の攻撃では傷をつけることは出来ない。
「久しぶりに苦戦できるようなSS級モンスターじゃねえか魔導書を持ってきといて正解だったようだな本来使用したくない代物だが仕方ねえな…」
大魔法の秘技である魔導書は古代の遺物とされており、伝承にはある一人の男が全ての魔導書を世に生み出したとされ、世界確認されている魔導書は13冊しかし確認がされていない、通称ロギアシリーズ。今では再現不可能なほどの魔力が込められていて発動時に使用者の魔力をこっそり奪い代わりに恐ろしく強い魔法を行使することが出来きる。
大きく仰け反りながら魔導書を開く、その瞬間魔導書に大量の魔力を吸い取られると共に魔導書からは青白い光が満ち、本がみるみる一振の剣に姿を変えていく。
「こい!!全ての命を天へ返す剣ロギアの剣」
刀身のは2メートル程で青白い光を振りまき、辺りの魔力を吸収するこのロギアの剣は神器としての伝説には生物の頂点に君臨する龍に対抗できる最大の武器である。
そんな剣を前にミノタウロスは身震いひとつしないポテンシャルをもちあわせていることから、目の前のミノタウロスは神獣級の力を持ち、ロギアの剣から放つのは神速の一振、大剣を持ったミノタウロスの右腕は痛みを感じるまもなく切り落とされた。しかし、ミノタウロスの腕を超えた先で黒黄金の毛により刃は止まっていた。
「神器を持ってしても胴体に刃がとうらないとはな、ユニークスキル紅蓮化。」
発動と同時にロギアの剣には紅蓮の炎を纏いミノタウロスへと振り放った一撃をミノタウロスは己の最大の武器である角で受け止めた衝撃波で大森林の木々が吹き飛び大地に大きな体と亀裂を生み出した。黒雷を纏った拳で刀身を殴り、神器の刃を砕いた。
「まさかロギアの剣を折るとは、本当にモンスターなのか??」
このつぶやきにミノタウロスは邪悪な笑みを浮かべ、ロギアの破片を拾い上げ喰らい始め、ミノタウロスの外見は神々しい光を散らし、赤黒い雷を纏い黒黄金の体毛から美しい炎が揺れ、体格が少し小さくなり、より引き締まった肉体へと姿を変えた。