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溶けて咲く  作者: 柳翠
6/15

遊び

朝6時、僕はいつもより早く起きて3月期の準備をする。


久しぶりに制服に着替える。


冬休み中は10時起きの繰り返しだったので少しだけ辛い。


こんなに早く起きる理由は友達と待ち合わせしているからだ、3学期の始まりにはしゃいで朝の7時から遊ぼうとメールがあった。始業式は9時からだ。


1階に降りて朝ごはんを食べる。テレビをつけるとまたしても殺人事件のニュースが流れていた。やはり最近は物騒だ。


家を出ると雪は降っていなかった。暖かく10月の陽気だと天気予報で言っていた。


待ち合わせの公園まで行くと2人の友達の姿が見えた。


どうやら2人は積もっている雪で雪合戦をしているらしい。雪の玉が飛び交う中僕は声をかけた。


「おはよう」


こちらに気づき手を挙げて答える2人。


「よーう輝春おはよ」

「キー君おはよう」


1人は冬休み中僕の家に遊びに来たこともある戸田輝秋。


もう1人はメガネの男子。僕とは小説の話で盛り上がる友達。気の良い奴、井出明人(いであきと)


「朝早くから何の用だ?」


単純に朝が苦手の僕のことを知っておいてこんな朝早くに呼び出されたことに少しながら腹を立てていた。朝が苦手な僕にとっては6時起きというのはかなり辛かった。


2人は雪合戦をやめて近くのベンチにおいてあったカバンを持ち僕に近づく。


「いやー遊ぼうぜ」

「何して?」

「ゲーセンでも行くか?」

「お金持ってないよ、僕」

「僕も持ってきてないや、どうするアキちゃん」


ふらふらと歩き始める。


とりあえず僕達は電車に乗り学校のある隣町に行くことにした。


朝方なので駅にはサラリーマンなどスーツ姿の人が沢山いた。

電車の中は人が少なく学生なんて見当たらなかった。僕達は広い椅子で取り留めのないことを話しながら時を過ごした。


電車に揺られること15分。駅から近くのゲームセンターに向かった。


「そう言えばキーくん小説書いたの?」


僕が新しい小説を書いてみる、と冬休み前に明人に行っていたことを思い出す。明人は小説を書くことはないが、読むということに関してはとてもたくさんの小説を読んでいる。小5のときとても感動的な小説を読んだのがきっかけらしい。


「おっ! まじで見せてよ」

「嫌だよ。僕は人には見せたくない」


肩組みをしてくる輝秋。 輝秋にも僕が小説を書いているということは言ってあるが未だ読ませたことは1度もない。


「けちけちすんなよ別に減るもんじゃないだろ」

「僕の心がすり減るんだよ」

「いーじゃん」

「そうだよキーくん見せてくれよ」


それでも僕は小説を見せることを拒み続けているうちにゲームセンターについた。


ここのゲームセンターは年中無休なので朝からもこれる。


店の中に入ると朝方にしてはおじさんが結構いた。音量がでかいアニソンが流れていたが僕の知っているアニメだったので少しテンションが上がる。


「なにする?」

「僕は輝秋がUFOキャッチャーで金をドブに捨てる姿を見ているよ」

「言うねー俺はこう見えて上手いだぜ」


めぼしい台があったのか大きい熊ぬいぐるみが沢山並んだところに来た。


輝秋のチョイスがかなり可愛かったのでつい笑ってしまったがそれに明人も少し笑っていた。輝秋はこういう可愛い系が好きなのかもしれない。


「見てろよ」


結局千円以上金を使ったが輝秋は何も取ることが出来なかった。


その後8時まで時間を潰して学校に向かった。

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