魔法があるらしい!
俺が異世界転生したことに気づいて一年が経った。だが、何しろこの部屋の中に監禁されてるもんだから、情報が全然得られない。
だって食事(?)して寝て、そしたらまた食事(?)して寝るの繰り返しなのだから。
得られた情報は4つ。
一つ目は、俺には12歳の姉がいる。赤ん坊だと気づいた日の次の日から毎日俺のところにやってくる。
そして0歳の赤ん坊(俺)に言葉を教えてくる。
普通の赤ん坊にやってたらただのバカだ。おそらく俺の姉もただのバカだろう。
だが俺は異世界転生者。本当にありがたい姉だ。
姉のおかげでだいたいの言語はわかった。
二つ目に手に入れた情報は、俺の名前はノアだということだ…
日本ならキラキラネーム認定されそうな名前だけどここは異世界。しかも地味にかっこいいから俺は気に入っている。
3つ目は、父と母の名前がわかった。
父の名前はルーカス
母の名前はヘレナ
である。うん、なんかやっぱ異世界だわ
あ、そしてなかなかのお金持ちだよね。
父がなんの仕事をやってるかはわからないけど俺が見ただけでもメイドさんは3人、執事は1人いる。
それに俺専用のメイドさん?
的な人もいる。
まあこの部屋を見ればお金持ちなのは一目瞭然なんだけどね。俺1人のためにこんなデカイ部屋にメイドさんつけるか?普通。
そして最後。
これはすごい。この世界には魔法がある。
異世界だからまさか…なんて思ってたけどなんかやっぱいざ生きてるとなると流石にないかって思ってたらあった。
いつも通り姉が俺に言語を教えてる時に急に
「あ!そうだ!ノアに魔法教えてあげる!こう見えて魔法のテストで学年1位なんだから!」
とか言いながら
炎の球と水の球を両手に浮かべて見せてくれた。
流石にこれには驚いた。
それに学校もあるみたいだ。
学年一位というところには前世の俺には無縁の世界だったのであえて触れないでおこう。
それにしてもこれからの人生が楽しみでしょうがない。
魔法があるのなら、剣なんかも主流だろう。そして冒険者という役職があったり、魔物や魔王や魔力なんていう単語も一般的に使われてそうだ。
魔王っているのかな?
まあいい、俺の夢が広がったことには変わりはない。
姉は詠唱なんかもしてなかったので詠唱という概念はないのかもしれない。
とまあ、これが一年で得た4つの情報と俺の考えだ。
そして今まで隠してたことがある、実は毎日手をグーパーさせたり、首を回したり足を動かしたりして、意味があるかはわからないが一応運動はしているので、一歳にしてつかまり立ちができるのだ!
これは内緒にしている。これがバレるとなかなか面倒臭いことになるからな。
まあもう常に部屋にいる俺専用のメイドさんにはバレちゃったんだけどね。
めちゃくちゃ驚いていた。あの顔は今見ても良い顔をしていた。
部屋が広いからメイドさんがずっとこっちを見て監視してるわけでもないので、他の雑事をしてる時とかに運動をしてるんだけど、ベビーベッドの柵につかまってスクワットしてたら見つかっちゃってさぁ。
口を開けたままこっちを凝視してきたから
俺も焦ったけど、ここはもう誤魔化しようがないと思って人差し指を口の前で立てて、言わないでね、って言うのはしといた。
それにも驚いてたけどその日以降は、そのメイドさんがいても運動ができるようになった。しかもそのメイドさんが他のメイドさんを部屋に入れないようにしてくれたりしている。
しかもそのメイドさんは俺に喋り方を教えてくれた。
喉のここを震わせると…なんて教えてくれる。
それも俺が発音練習をしているところを見つかった結果だ。
俺には姉とメイドさんの2人がなんでも教えてくれる。
姉には質問はできない(喋れることを知らない)けど、本当に頼もしい仲間たちだ。
ーーーーーーー
なんてことを考えながら今俺はスクワットをしている。
一歳でスクワットってめちゃくちゃ辛いからね?筋力全然ないのにスクワットしてる俺すごすぎ。
まあ必死こいてやってやっと10回できるかどうかくらいなんだよ。
あ、そうそう。さっきあのメイドさんに名前を教えてもらった。
名前はジェシカというらしい。
ジェシカは俺としゃべるときはいつも敬語だ。
敬語はやめてよ。っていつも言ってるんだけど
「ノアおぼっちゃまにこんなに話しかけているだけでも本当はあまりよろしくないことなのに、そんなことはできません」
って言われちゃった。
ふう、疲れた。
そろそろ寝よう。
そして俺は眠りについた
書いてて楽しいです。
今後の展開は言えませんが、私は無双系が大好きです。