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23.知識が追いつきました。

先週更新できなくてすみませんでした。スマホ様がご臨終されたもので……。一部の設定のデータ消えた……。

今回魔物との戦いに着いて語ってますが、さらっと読んでください。後々解説するつもりなので。

「アリア様また寝てるんですか?起きてくださーい。こんなところで寝られると邪魔です」

 2度目の訓練日、ちょうど前回から1週間後に設けられたこの機会で、私は1度目と同じようにボロボロになって地面に這いつくばっていた。

 場所が野外訓練場の真ん中の為、前回よりも酷い。


 領軍に来てまずストレッチをしてから、剣術の基本の型を教えてもらった。

 身体強化を使った状態と使っていない状態でそれぞれ行い、どちらでも問題なく剣を振れるよう訓練するように言われた。

 魔法を使わない状態ではまともに剣も持てず、木剣すら振れなかったので、今日は魔法を使った状態で習った。情けないな……。

 その後徒手格闘技の基本の型を教えてもらい、それも魔法の有り無し両方で問題なく動けるようになるよう言われた。

 こちらは剣は関係ないので、魔法を使わない状態でも訓練した。

 この時点で相当息が上がっていたし、体が痛かった。本当に情けないな……。

 その後「じゃ、後は基礎訓練ですね。前よりマシになってることを祈りますよ」と言われて外に出た。

 そして冒頭の有様である。私は前と同様潰れていた。本当に、本当に情けない……。

 ちなみに本日は数日前から調整して、午後の仕事は休みにしてもらっている。

 前回の二の舞になるわけにはいかないので、あまり休みたくはなかったがミスを連発するよりはマシだと思い事前に対応しておいた。

 その点だけ考えるのなら潰れ放題なのだが、サー・デューイの言葉を借りるなら私は普通に邪魔である。

 領軍の皆さん本当にすみません……。


「そういえば聞いたんですけど、魔法の勉強やめる気なんですってね」


「……?そう、ですが……?」


 何だ?確かにその通りだが、彼には関係のない話だ。


「剣術より魔法の方がお似合いですよ、お嬢様」


 ぐっ、と詰まる。この体たらくだ。何も言い返すことは出来ない。


「魔法の才能があるんですから、そっちで頑張れば良くないですか?確かに対人戦ではテレフォンパンチですけど、身体強化も使えるんですし、女性用の簡単な護身術と合わせてもいい線いけると思いますけどね。雑魚の魔物くらいなら倒せるかも」


「……?魔物を、倒す?魔法で?」


「……もしかして、ホントに魔物倒したいんですか?」


 しまった!疲労と痛みで判断能力が鈍っていた……前回もそのせいで仕事でミスしたじゃないか……!


「いえ、そういう、わけでは、ありません……」


 とりあえず誤魔化さないと。お義父様に報告されるわけには……


「それで剣ですか。なるほどね。魔法使って後方支援でもいいと思いますけど」


 誤魔化されてはくれなかった。それはそうだろう……。ちょっと私マヌケ過ぎないか……?


「魔法、なんて、大して、役に、立たない、でしょう。魔物の、体表面は、魔法が、効きづらいし、目くらましの、固定砲台、くらいで……固定?」


 あれ?固定?今のスロットはイメージによって任意で位置指定が出来るから、動くたびにわざわざボタンで操作する必要がない。

 自分の位置を固定しなくてもいいということは、攻撃魔法の効果がなくなる程、魔物から安全距離を取る必要は無いのか?


「あぁ、そうか。知識が古いんですね。スロットが新しくなってからは魔物討伐は魔法が主力ですよ。まぁやっぱ最初は剣ですけど。魔物の体内の自己領域に届けば、後はそこから魔法を押し込むんです」


「魔法が……魔物討伐の……主力……」


「ええ、だから今は昔より軍属の魔法師が多いし、専門の部隊もありますよ。兵士も人工魔石を使った訓練を……え、何で泣きながら笑ってんだ?」


「ふふっ。魔法が……みんなの、役に、立つ……は、はは」


 戦争や、貴族の道楽だけじゃなく、魔物討伐に使われ、民の役に立つ。

 戦争なんかじゃなく……


「いい時代、ですね……ふふっ」


「……?ちょっとよく分かんないですけど、魔法の勉強は続けた方がいいと思いますよ」


「そう、ですね。ふふ、魔法は、ちょっと、得意ですし。頑張り、ます。ふふ、あはは」


「えー……さっきから正直気持ち悪いし意味が分からん……聞き出すために扱きすぎたか……?あー、そんで剣術やめるんですか?」


「それは、それで、習いたい、です」


 魔法が魔物討伐に有効だとしても、剣や格闘技が使えたほうがいいことに変わりはない。

 雑魚の魔物しか倒せない戦力だと、何も守れないじゃないか。

 しかし、今日はとてもいいことを聞いた。ふふっ。私は戦力になれる。

 何としてでも邪魔をされるわけにはいかないので、お義父様をどう説得するか考えなければ。


「あ、そうですか……。とりあえず邪魔なんで運びますね」


 地面に這いつくばりながら顔が笑ってしまうのを抑えられない私を見て、サー・デューイがドン引きしながら小脇に抱え、医務室に連れて行った。








 あれは私が12歳になり、皇太子の婚約者として皇宮で皇妃教育を受けて2年程が経過した頃のこと。

 私は難しい顔をしたお父様とエイスグレイス公爵家お抱えの魔法師であるウィリアムに詰め寄られた。


『アレクシア、新しい魔法をむやみに人に教えてはいけない』


 少し前に皇妃教育で王宮を訪れた際、皇宮お抱えの魔法師と魔法術式の話になったので、自分の作った術式の入った術式記録媒体であるソフトを渡して詳細を教え、使ってもらった。

 自分の作った魔法を褒めてもらえて嬉しかったことを思い出しながら、何故二人に責めるような目で見られているのかと考えていた。


『どうしてですか?お父様。新しい魔法を教えてあげると、皆褒めてくださいますよ?』


『それは褒めているのではない。利用してるだけだ。最終的に戦争に使われる。……人を殺すために』


 思いがけないことを言われ、私は驚き、動揺した。


『こ、殺す……?え……うそ……そんな……』


『嘘ではない……現にこの前お前が教えた探査魔法が、索敵魔法として軍事転用されようとしている』


『わた、し、私そんなつもりじゃ……。お父様……ウィリアム……』


 利便性の高い魔法を戦争の為に使う。領土を広げようと接する国々と小競り合いを続けていた当時の帝国の情勢を考えれば必然でしかなかったが、この頃の私はそんなこと思いもつかないようなただの12歳の子供だった。

 そもそも私が皇太子の婚約者になったのは、公爵家が抱え込んでいる天才ウィリアム・ホワイトの作った魔法術式――実際は私が考え、二人で調整したもの――の情報を引き出す為だったのだ。


『分かっています、アレクシア様。幸い皆俺が組んだ術式をアレクシア様が覚えているだけだと思っています。貴方が作ったなんて誰も考えない。新しい魔法は俺が教えてくれなくなったからよくわからないと言っておいて下さい。これからは絶対に、誰にも、教えないで下さい。でなければ、アレクシア様の魔法が何千、何万人の人々を殺すことになります』


『わ、わか、った……』


 12歳の私は、自分の知らない間に、己の生み出したものが多くの人を殺すことに使われてしまう恐怖に震えた。


『攻撃魔法はもう教えてしまったか?』


 お父様に続けて聞かれる。最近考えていた長距離砲は、幸いまだ調整中だった。


『いえ……まだ試作段階で……』


『良かった……まさかこんなに早く情報を探りに来るとはな……』


 大陸の端から端に届くような攻撃魔法を伝えていたらどうなっていたか、考えるだけでも恐ろしかった。

 私は、もう、術式は作らない方がいい……。


『あ、わ、わたし、もう術式は作り――』


『アレクシア。術式づくりをやめてはいけない』


 作りませんと宣言する声を、お父様に遮られた。

 どうして?人殺しに使われると教えてくれたのはお父様じゃないか。

 人に教えてはいけないものを作り続ける意味などあるのか。


『でも』


『お前のそれは力だ。力を手放すな。弱ければ強いものに利用されるしかない。公爵家の後ろには守るべき領民がいる。私たちが弱いのは罪だ。恐かったから力を持たず、何も出来ませんでしたでは言い訳にならない。わかるな』


 当時の私には何を言っているのかわからなかった。

 わからないけれど、公爵家の人間として頷かなければいけないことはだけはわかった。


『はい、お父様……』


 その後、私は皇太子の婚約者として”天才ウィリアムの魔法術式”以外の価値を示すため、皇妃教育と並行しての精密身体強化魔法の会得に奔走することになる。

 宰相である父の命で、裏で魔法術式作りを続けながら……。








 領軍から帰った後、私は部屋で少し休み、お義父様のところへ向かった。

 魔法師の先生とのやり取りを話し、謝罪した上で習い続けたいことを伝えるとお義父様は喜んでくれた。


「折角魔法の才能があるんだし、やっぱり女の子は剣より魔法だよね」


「でもお義父様は戦える女性がお好きなのでは?」


「え?」


 お義父様の目が泳ぐ。動揺してくれたようだ。


「ステラ様は魔物を一狩りしに行くのが趣味だとレイモンド様からお聞きしました」


「……誰から聞いたの?」


 何故自分の想い人を知っているのかと問われているのはわかったが、にっこり笑ってその問いを受け流す。


「私もステラ様のように魅力的になりたいので、魔物が倒せるくらい強くなりますね」


 少しの押し問答の後、お義父様には魔物を倒せるほど強くなる為に剣術と格闘技を学ぶことを認めてもらった。これで今日のことをサー・デューイに報告されても何の問題もない。


「あぁ、そうだアリアに頼みたいことがあったんだ……」


 心なしかぐったりしたお義父様はそういった後、表情を引き締めてこちらを見た。

 私も姿勢を正して言葉を待つ。


「領府の不正の調査とそれにかかる調整が完了したから、エリファレット殿下に手紙を出してほしい」


「……かしこまりました」


 唯一の友人である第一王子の顔を思い浮かべ、ここから彼の戦いが始まるのだなと少し他人事のように思った。






アリアは自分には恋愛感情は理解できないけど、義務さえ果たしてるならお義父様が誰を好きだろうと問題視しません。発想が貴族だからというのもありますが、宗教も絡んでます。この世界は女神様が明確にいる世界で、皆がそれを知っています。そしてその女神さまが「愛こそすべて」だって言ってるので、恋愛感情を否定することはしません。今現在では全く理解できないけど。


スマホ様がご臨終されたのホント辛い……。また設定ずれないように頑張って思い出します……。はぁ……。


※追記です。過去話のアレクシアの年齢を11歳から12歳に変更しました。流石に天才すぎるかと思ったんですけどこれ以上後ろにずらせませんでした。なんで享年16歳にしたんだか……。

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