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ご飯の準備を始めましょう

「ところで母さん達、いつからこうやって話をしているの?」

「え?うーんと、あら?もうこんな時間!もうお昼じゃない!3時間も話し込んじゃったわ!」


(えぇ…みんな3時間もこんな何にもないところで話し込んでたのかよ…

まぁ、今までとは全く違う世界に飛ばされたんだから仕方ない…のか?)


「みんなーっ!そろそろご飯の準備をするから少ししたらお家に帰って来てねーっ!」

母が大声で呼びかけると「「「はーい」」」と返事が返ってくる。

縁側でまったりお茶をしていたはずの婆は一足先に準備に行ったのかいつの間にか姿が消えていた。

母もリズさんをお昼に誘って家の中に消えて行った。


リズさんは父と話していた男性に声を掛けにいった。

(べつに変な事をするつもりもないけど、リズさんはお姫様だしきっと一人でこんな見知らぬ建物に入る訳には行かないよなー。)


(……ん?そういえばご飯の準備って、この状態で出来るのか?

ガスとか水道とか電気とか繋がってないよな?)

そう思いながら母の後を追う。

目指すのはリビングだ。


外とは違い、家の中のいつもと変わらない光景に妙な感覚を覚えつつドアを開けるとふわり美味しそうな匂いがした。

(この匂いはっ…!?)

カッと目を見開く。

(カレーだっ!)


「簡単に沢山作れるからカレーにしたんだよ。

アキちゃん、ご飯を盛るの手伝ってくれるかい?」

俺が入って来た事に気付いた婆が声を掛ける。

「…はーい。…婆ちゃんのカレー美味いんだよなー…。」

誰が予想出来よう。俺の異世界初のご飯がカレーライスになろうとは。


予想もしていなかったメニューに呆気に取られながらもキッチンに向かう。

母は何やらカレー皿に向かって格闘している。

「ごはん…ご飯…。母さんご飯ってどこから盛ればいいの?」

母に聞く。返事がない。

(集中するといつもこうだ…。)

呆れながら婆に聞き直す。

「炊飯器の中から盛っておくれー。」

付け合わせを作っている婆から返事があった。

(昨日の残りご飯かな?炊きたてがいいけど仕方ないかー。)


パカッ…


(こ、これは…


…………炊きたての…ご飯…だと…っ…)


炊きたてツヤツヤの輝くご飯がそこにあった。

お昼ご飯はカレーです。


我が家のカレーはタマネギとニンジン、お肉のシンプルなものなのですが、お婆ちゃんのカレーは生姜やニンニク、しいたけが入っていて家のカレーとは少し違った味わいだったのを思い出し懐かしくなりました。

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