地味に痛い
揚げパンは飛ぶように売れていった。
時間が経つにつれ、姫様と英雄様が異世界の食べ物を売り出していると噂が広がったようだ。
終わりの見えない人の列に疲労も蓄積されてきた頃、
街行く人々の中に見知った顔を見かけた。
俺はつかさず声を掛ける。
(逃すものか!)
「おーい!ライリー!
こっちー!こっちだよー!」
この世界で見知った顔といえばもちろん騎士のみんなだ。
先頭をふらふら歩く死亡フラグ立てマンもといライリーに声をかけ手招く。
ライリー含めて5人の騎士さんが俺の元へと辿り着いた。
ぐふふふ…戦力ゲットだぜっ!
並んでいる人達を待たせてはいけないのでかくじか説明し、
店を手伝ってもらう。
姫であるリズさんと騎士団であるウィリアム先生が働いているのだ。
断ることはもちろん出来ないだろうが、
嫌な顔せず二つ返事で手伝ってくれる。
本当に気のいい、いい人達である。
数時間後…
増援のおかげでなんとか行列を捌き切りめでたく閉店となった。
屋台の裏では死屍累々…
俺達は疲れ切っていた。
「おじちゃん達、ありがとう!」
兄妹の満面の笑顔を見ると頑張った甲斐があったってものだ。
…しかし、おじちゃんか…
おじちゃん…おじちゃん…おじちゃん…
『たぷんっ』
疲れて座り込む俺達をライムが次々と癒して回ってくれる。
しかし心にチクリと刺さったトゲはなかなか取れない。
まぁ年の差を考えたら仕方ないよな…。
「みんなー!お疲れ様でした!
お腹すいたでしょー!みんなで食べましょうねぇー!」
母とパン屋兄妹の母親がたくさんの料理を運んでくる。
ヒャッホーゥ!
ちょうど小腹が空いてきたところだったんだ!
心のトゲ、吹っ飛びました。




