イベント発生!
「はい!一つね!毎度あり!」
「次は持ち帰り5でー」
「ありがとうございます!」
ここは先程兄と別れた十字路。
食べ物屋台の立ち並ぶ通りの一番端に長蛇の列が出来ていた。
その先頭で店を切り盛りする男。
一向に減らない人の群れを汗水垂らしながら捌いているのは、この世界でも珍しい黒髪黒眼の持ち主。
そう、俺だ。
何故俺がこんな事をしているのか…。
そんなの俺が知りたいぜ…。
わかっているのはただ一つ!
この人の群れを捌かなきゃ俺たちの朝はやって来ないって事だけさ…。
…………
なんてハードボイルドな語り口してるけど実際はめっちゃ忙しー!!!
なにこれ!列の終わり見えないし!
大体今何時だと思ってんの!
祭りだからって夜更かししやがって!
みんな帰って寝ろ!
と思いながら全力笑顔で接客する。
これ、もういいんじゃないのー!?
…
……
………
俺が武器屋の店主に分かれを告げたのはもうどのくらい前だろうか…
そんなに経ってはいないのだろうが、果てしなく前の事に感じられる。
十字路に戻ると兄は別れた場所にはいなかった。
腹がこなれて周囲を歩いているのかと思い辺りを見渡すと…
いた…。
何故か屋台で呼び込みをしていた。
道行く人が足を止めることがないけれど。
「らっしゃい!…ってなんだアキかよー。」
「なんだよはないだろ。こんな所でなにしてるんだよ?」
「かくかくじかじかでお店の手伝いをされられているところー。」
「かくかくじかじかって…全然わかんないんだけど…「あーっ!アキちゃんも来たのねーっ!」
母登場ー
「かくかくじかじかでこのお店のお手伝いをしてるのー!
アキちゃんも手伝ってくれるわよね!」
母のものすごくいい笑顔に有無を言わせぬ圧を感じる。
「ハイ、手伝イマス…」




