最終兵器我が家
(なんてこったい…
魔王はもう我が家に倒されていたなんて…
というか家、無傷なんですけど…
空から落ちたっていうのに窓一つ割れてないし、部屋の中もいつも通りだったし…)
「そうなのよー!もうびっくりしたわぁ!」
なにがそうなのか、英雄=我が家を眺めていたら突然母が会話に飛び込んできた。
「アキちゃんは寝てて気づかなかったかもしれないけど、今朝凄い竜巻が起きたのよ!
あーっという間に家が呑み込まれちゃって、逃げる暇なんてなかったんだから!
でもなんだか不思議だったわ。竜巻に呑み込まれれた瞬間にぱーって周りが眩しくなってねぇ。
しばらくしてカタカターって小さい地震が起きたかと思ったら急に静かになってね!
静かになったかと思えば今度はわーって凄い声がしたから何が何だかわからなかったけど、パパとそーっと玄関から外を覗いてみたの!
そしたらリズちゃんがいてねぇ!
すっごい綺麗で可愛くてー………」
(なるほど、竜巻がこの世界と俺たちが元いた世界を繋いだのかもしれないな。)
すると次第に母の話は明後日の方向に進み始める。
「あぁ〜でもパパってば相変わらずかっこよかったわぁー。
玄関のドアを開ける前にね、
『何があっても僕が必ず菜々さんを護るからね。』
ですって!きゃー!!!昔から変わらず素敵なんだからー!!」
母は父の方をうっとり見つめながら僕の背中をバシバシ叩く。
(力強っ…あぁ、またいつもの惚気だよ…
このラブラブ夫婦め…)
リズさんという獲物相手に俺たち兄弟の耳にタコができるほど聞き飽きた惚気話を披露する母を余所に俺はまた思考を巡らす。
(これからどうすればいいんだ?
世界は救われた訳だし、ぶっちゃけ俺達もう用無しだよな?
誰だか知らないけど、召喚した人もびっくりだよなー。
こんなに早く解決するとは思わなかっただろうになぁ。
まぁ…元の世界に戻る気配もないし…これからこの世界で俺たち家族がどう生活していけばいいのか話し合わないとな…。)
そう考えてまた周りを見渡して小さくため息を吐く。
(本当にうちの家族って自由だよな…)
それぞれ思うがままに行動する家族を見て一言…
(俺がしっかりしなくちゃな…)
そう心に決めるのであった。
母は父にベタ惚れです。




